札幌、 | ざっかん記

札幌、




井上キーミツの棒、札響公演、済む、演目は、武満徹《地平線のドーリア》、北村朋幹氏を招いて同《アステリズム》、っそして例の30分の長時間休憩で円形配置へ転換しての、クセナキス《ノモス・ガムマ》、っそのままの配置でラヴェル《ボレロ》である、

キーミツは休憩後にマイクを持たれ、古いとか新しいってなんですか、新しいものに対してみなさんどうですか、違和感、拒絶反応、それだけですか、っと問題提起をなすっていたが、っぼくは有名なる武満をしかしこれまでぜんぜん聴いておらず、っきょうの2曲なども、っそういう音が鳴っている場へ居合わせているっきりで、っどのように聴いたらよいのかを測り兼ねる、人によっては全否定だし、っまた人によっては理想の音楽だという、ミニマル先輩などは後者の口で、っお若くときにラジオを聴きながら車で帰宅されて、っちょうどお宅へ着いたというときに前田憲男氏がパーソナリティをお務めの番組内で武満が鳴り、聴いているときには作家が誰なのかもわからず、っしかしその音楽に釘附けにせられ、ガレイジ内で車を降りられぬままに夢中で聴いた、済んで、ただいまお送りしたのは武満徹のしかじかでした、っと曲紹介があり、っこういう作家がいるのかとの瞠目を味わわれたとのことだ、彼氏に云わせれば、っとくにその初期の作品はいずれもご自身が音楽に求めるいっさいを体現した傑作群だとのことである、っきょうの2作などはその初期作品にあたるのかとおもうが、っぼくとして、これをおいてほかにいっさいの音楽が要らない、っとおもわせるほどの驚異がそこにあるのかと懸命に想像して聴くも、っついにさようの衝撃へは出逢えず終いであった、っや、既存の楽器楽器へ未知の感触を求める志向性などはべつにぜんぜんわかるのだが、っそれが他のいっさいの楽曲を遙けく霞ませてしまうほどの震蘯であるということはわからない、っべつにあのくらいの楽器法や楽曲構成は他のゲンダイオンガクへも容易に見出しうるようにおもうし、武満以前以後などという画期がなにほどの意味を有つのか、っぼくにはまったく不明である、っただ、聴いていてべつに不愉快ではない、っぼくはどんな楽曲でも、っそれが鳴っている場へかたときたりとも居合わせたくないとおもうようなことはあまりない、

クセナキスの同曲は、名古屋フィルのときから数えてこれで都合3回聴いたこととなるが、っどんな曲だかだいたいわかって客席へいて、っこんかいもおおきにたのしんだ、っといっても、っやはりなんだかさようの騒々しい音がのべつしている場へ居合わせているというにすぎないのだが、3度も聴くと、っその騒音のためにあれほど各声部へ複雑な役割を充ててスコアを織った作家への一種の労いの観も湧こうというものである、

っそして《ボレロ》だが、キーミツではその名フィルの際にも聴き、っまた新日本フィルとの演奏も聴いているが、っいつもすばらしいのはホルンがテーマを吹き、ピキェロ、フリュート、チェレスタがそれと不協和を演ずるかのマーキナーな場面で、っきょうもそこがいっとう魅惑的だった、っどうもピキェロに絶対に、ぴーっ、っと劈く音を出させない、っかつピキェロばかりを頼らずにフリュートへも果敢に音量を求める、っというのが極意のようで、っそうでなければあのおもちゃの感触は生まれない、

場内完全暗転、譜面台譜面台へはライトを燈し、各ソロが起立しながら吹く、曲の進展につれてようよう明転し、コーダへ至ってついに客席までも全燈、視覚聴覚ともに燦然たる昂奮の裡に、最期の共演だというのに攻めたプログラミングをもってきたその一夕も暮れるのであった、去年末の同コムビ公演では、キーミツが前夜にすすきので羽目を外され、敢えなく風邪気味でいられたらしく、っどおりでずいぶん力なくいられるのが客席からもはっきりとわかり、演奏としてももうひとつ覇気を発散しないようにおもったが、っきょうはちゃんとお元気そうで、札響も凛烈な合奏であった、っあすの同プロが正真正銘、最期の共演であるが、っぜひに盛会であってくれたいところである、



北海道は、午、千歳へ降り立つときから、軽装では膚寒い、6月へなんなむとしていてこれかよ、っと驚くが、薄手の外套を持参しており、っそれを羽織ればむしろ快い陽気である、っいま陽暮れて、夕餉、っのちのカッフェとすすきの辺をぶらつくうち、っだいぶん札幌駅へ近附いたので、っこのまま歩ってホテルまで戻らむ、駅の北側、北大の東側へ面した宿である、夕餉は王将だったが、スタムプを貯めてもらえる景品で、東京ではどこの店舗でもお目に掛からない目覚まし時計があったので、この目覚まし時計ありますか、っとうかがうと、ちょっとお待ちくださいねー、あ、ありますよー、っと云われ、っうれしくいただく、

っさて、っあすあさ千歳を発って、午にはギロッポンでカーチュン氏公演、



みずの自作アルヒーフ

 

《襷  ータスキー》(全4回)

 

https://ameblo.jp/marche-dt-cs4/entry-12351779591.html(㐧1回配本)

 

《ぶきっちょ》(全4回)

 

https://ameblo.jp/marche-dt-cs4/entry-12351806009.html(㐧1回配本)