ギロッポン、 | ざっかん記

ギロッポン、




カーチュン・ウォン氏の棒、日本フィル公演、済む、演目は伊福部《サロメ》の演奏会用改訂版から〈7つのヴェイルの踊り〉、上原彩子女史を招いてラフマニノフ《パガニーニ・ラプソディ》、っそしてベルリオーズ《幻想》である、

終演後は神保町へ遷る、っというのは、伊福部の同人誌みたようなものの最新号に井上キーミツのインターヴューが載っているらしく、っそれがさる書店にて頒布せられているというので求めむとしたからだが、入店するに、っその書棚に当の最新号はなく、店主から、最新号ですか、っと声を掛けらる、っきょうよる、営業時間中に入荷することになっているとのことで、っもとより水道橋の王将で食事をする心算であり、閉店時間をうかがっておいて、ではどこかで食事をしてきます、っといったん退店す、

っで王将で食事をしたが、っもう何度か当該店舗を利用しており、っいつも手際のよい客捌きであるところ、っきょうはなお輪を掛けて、ホールも厨房も店員さん各位があたかも戯れるかのように勤務されており、っそうであってこそ円滑さが発揮せられていて、っいかにも快い夕餉であった、

っでいまは、19:30という当の書店の閉店時間へ合わせるため、東京ドームの方へ歩っていつものカッフェへ入る、



カーチュン氏の《幻想》は、去年の九州旅程の帰途、大阪へ寄道し、彼氏と大阪フィルとの公演で聴いたが、っその際はもうひとつ特長に乏しい平凡な演奏の部類であったか、っきょうは、っきょうも1楽章などはとくになにもしておらず、日フィルのアンサムブルはあいかわらずすばらしいが、辛く云えばそれ以上でも以下でもないというところであった、

っしかし、中之島という大音場で多少なりともひびきが拡散気味となってしまう大フィルのばあいとちがって、サントリーのきょうは弱音部でもニュアンス豊富に聴こえ、っすくなくも悪印象はない、っそれに、去年1年を通してぼくもたびたび彼氏の演奏を聴き、っその音楽語法に耳も心理もだいぶん馴致してきたらしく、全体の造形も細部の彫琢の傾向も読めてきたので、っぼくなりのたのしみ方が育っているようだ、

3楽章ではまんなかで激情に驅られて烈しく胸を掻き毟り、退潮してつぎの楽節へ遷移する際、セロを下降グリッサンドせしめるという一寸した改変を行なっていた、最後の遠雷は、大フィルのときはさほどけたたましくは打たせていなかったように記憶するが、っきょうは1度目からかなりつよく、3度目では痛打へ至らしめていた、

〈グィロティン行〉もフィナーレも衒わず恆に颯爽たる進軍だが、緊密な合奏それ自身をもって聴く者へけっして有無を云わせず、最終音をきっぱりとみじかく切って了わる、っきもちがよかった、



19時を回ったのでカッフェを後にし、書店まで戻るに、いまいま入ったところでして、お待たせしました、っと云われ、っよろしく当該書籍を求める、っご興味のおありの方は、神保町の猫の本棚なる書店、〈伊福部ファン〉という書籍の㐧5号である、ネットでも求められるかもしれないが、



っでその伊福部〈7つの、、、〉だが、っしょっぱなからアルト・フリュートはわずかに音が掠れてしまったが、音楽が動き始めればやはり日フィルであり、っいつもながら惚れ惚れする合奏である、改訂版同曲はかっての新星日響による委嘱作品で、上野大器においてヤマカズさんの棒で初演せられ、同ライヴ音盤はまことに得難い記録だが、っその後、岩城、藤岡両氏の音盤が加わり、前者は四角四面のへぼ造形でかつ発奮不足、後者はまずまずの演奏だが、っしかしヤマカズさんの老練には及ばない、っそこできょうのカーチュン氏は、巨星のようなシャーマニズムとは無縁、淡々と捌いてゆきながら、っしかしヴェイルを脱ぐ毎に自然、昂奮を催し、最後の1枚では極度の緊迫へ達して満堂を圧倒した、1曲のみの抜萃だったが、っいつか全曲演奏の機会があってくれるとうれしい、

上原女史とのラフマニノフも素敵だったが、1席空けて隣の男性が多動症の気味で、ソロが最有名の変奏を弱音で弾きはじめるときにかぎってがさごそやって膝上の化学繊維の外套をしゃかしゃかいわせたりするので、ぢっとしていられないのかっ、っと叱り飛ばすに既の心境であった、演奏としても、っそのソロを享けていまだ1stのみで同主題を唄う際、っこんにちの日フィルにはあるまじきかすかな音程のヒヨりが発生したりしたが、全楽でそれを謳歌するに至る部分ではカーチュン氏も、眞底から迸ってっ、っと遙けく天を仰ぐまさしく楽想に相応しいアクションで、っもちろんオケはめくるめく響を上げる、っむかしの日フィルは、っかかる個所で絃がぎいぎいがりがりいってしまってぜんぜんすっきり抜けなかったものだ、

っそうだ、カーテン・コールは2度で打止めですぐに散会してしまい、3度目のオケからの指揮者への社交辞令はなかったが、っおもえらく、年初より震災という不幸に見舞われた本邦への、カーチュン氏なりの配慮だったのではないか、っでもけっきょく、拍手を止めない人が大勢いたために、指揮者がおひとりで舞台へ喚び戻されていたのだが、



っつぎは金曜、っきょうの彼等の別プロ公演、っぜんぜん識らない作品が組まれており、ったのしみである、っまた動画配信もあるので、録画しておかむ、

っきょうは京都では坂入健司郎氏のブルックナー《5番》シャルク・リヴァイズ版だったんだよねえ、盛況だったようでなによりだが、聴けなくてざんねんだ、、、っそうだ、ロズージェストヴェンスキー/読響の同曲でも聴きながら帰らむ、



みずの自作アルヒーフ

 

《襷  ータスキー》(4)

 

https://ameblo.jp/marche-dt-cs4/entry-12351779591.html(1回配本)

 

《ぶきっちょ》(4)

 

https://ameblo.jp/marche-dt-cs4/entry-12351806009.html(1回配本)