Marc のぷーたろー日記 -41ページ目

「フォーリング・ダウン」('93)

 

ロサンゼルスを舞台に、一見平凡なサラリーマンの中年男性が突然キレて街をパニックに陥れていくさまを描いたサイコスリラー映画です。主演はマイケル・ダグラス、共演はロバート・デュヴァル、バーバラ・ハーシー、フレデリック・フォレスト、チューズデイ・ウェルド、レイチェル・ティコティン他。

 

Wikipedia「フォーリング・ダウン」

 

有名な作品ですが、これまで興味がなくて観ていなかったのですが、たまたま機会があったので観てみました。

 

面白い。

 

観る前は、もっと派手なバイオレンス描写があるのかと思っていたのですが、意外に控えめ。

 

バイオレンス映画というよりもブラックコメディの要素が強く、まさに「イラつく世の中に、怒りの一撃!」といった社会風刺が印象的。

 

オチは最初から見え見えだし、基本的には気軽に楽しめる娯楽映画ですが、単なる娯楽にとどまらない、観終わった後に何とも言えない「余韻」があるのもグッド!

「さよなら銀河鉄道999-アンドロメダ終着駅-」('81)

 

松本零士さんの人気SF漫画「銀河鉄道999」の劇場版第2作で、前作の2年後を描いています。声の出演は野沢雅子さん、池田昌子さん、肝付兼太さん、麻上洋子さん、井上真樹夫さん、田島令子さん、富山敬さん、来宮良子さん、大塚周夫さん、森山周一郎さん、江守徹さん、城達也さん他。

 

Wikipedia「銀河鉄道999 (アニメ)」

 

非常に有名な作品ですが、前作で綺麗に完結していた物語の「蛇足」としか思えず、これまで全く食指が動かず、未見のまま40年以上が過ぎました。ただ、これだけの長い月日が流れたこともあり、「1度くらいは観ておくか」くらいの軽い気持ちで観てみました。

 

 

やっぱり蛇足。

 

無理に作った感がありまくり。これは観なくていいです。

 

前作の焼き直しでしかない安易なストーリーは前作を貶めているだけですし、ハーロックやエメラルダスは客寄せパンダでしかなく、使い方があまりに雑。

 

もちろん、ただの焼き直しにならないように「父と息子の物語」を全面に出したり、前作では謎のまま放置されていた点を明らかにしたり、工夫していたのは分かりますが、いずれも取ってつけたようなものでしかなく、「で?」としか言いようがない…。

 

それでも、冒頭の老パルチザンのエピソードは、尺としてはほんのわずかであるにもかかわらず、グッと来るものがあり、改めてりんたろう監督の演出の堅実さを感じましたし、全編通して当時のアニメーションとしては最高レベルの作画には観応えを感じました。

 

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「アメリカ沈没」('23)

 

北極圏で発生した大規模な磁場異常の影響で起きた大地震による氷河の崩壊と地殻変動よって発生した超巨大津波で沈没の危機に瀕した北米大陸を救う任務に挑むことになった科学者たちを描いたパニックアクションです。主演はジョニー・ペイカー、共演はマイケル・パレ、リンジー・マリー・ウィルソン、ポール・ローガン、ミンディー・モンタヴォン、リサ・コール他。

 

本作を制作したのはB級映画専門でカルト的ファンも多いアサイラム社とは言え、これだけのスケールの大きな題材をよく低予算で作ろうと思ったなぁと、まずその点で感心するやら呆れるやら (^^;;;

 

予想通り、映像は笑っちゃうほどチャチ。

 

金のかかるシーンはことごとくチープなCGで誤魔化してるし、とにかく低予算で頑張って工夫して撮りましたというのがよくわかる映像。

 

ストーリーも全てが予想通りの展開しかしないし、ご都合主義そのもの。

 

が、そんな突っ込みどころをイチイチ突っ込んでる暇もないほど、猛スピードで展開し、エンドクレジット込みで80分強で完結させる「無駄のなさ」は見事。

 

映画館の大画面で観るような映画ではなく、配信などで気楽に時間潰しをするにはちょうど良い娯楽作品。その点では充分過ぎるほどの出来でしょう (^^)v

「Marco」('19)

 

1983年生まれのアラブ系の作家サリーム・ハダドの初監督作品で、ロンドンの高級マンションを舞台に、そこで一人暮らしをしている男と、彼に買われた男娼の一夜の会話を通じて、難民の置かれている状況やアラブ社会における性的少数者の孤独を描いた短編映画です。出演はゼッド・ジョセフ、マルワン・カアブール、アマル・ハダド。

 

切ない…。

 

同じアラブ系移民で、しかも同じ性的少数者として、異国の地ロンドンで孤独に暮らしている2人が、互いに急速に惹かれ合うのは自然なことではあるものの、そもそもの置かれている立場があまりに違いすぎる…。

 

とにかく、わずか20分強の尺でこれだけの内容を描き切っているストーリーテリングの巧さに脱帽。

 

サリーム・ハダド監督が撮った映画は今のところこの一本だけのようですが、今後も映画を撮り続けて欲しいと強く願いたくなる作品でした。

「マダム・ウェブ」('24)

 

ソニーピクチャーズの「スパイダーマン」ユニバースに属するマーベル映画で、未来予知の能力に目覚めた救命士の女性が、謎の敵に追われる3人の少女を守るために奮闘する姿を描いたミステリ・アクション映画です。主演はダコタ・ジョンソン、共演はシドニー・スウィーニー、イザベラ・メルセド、セレステ・オコナー、タハール・ラヒム、エマ・ロバーツ、アダム・スコット他。

 

Wikipedia「マダム・ウェブ」

 

酷評しか目にしていなかったので、逆に「どれだけ酷い出来なのか?」という興味で観てみました。

 

確かに、びっくりするほどつまらない。ストーリーがあまりに雑でテキトー。

 

何故このストーリーで制作にゴーサインが出たのか謎ですし、この出来で公開したのも謎。

 

莫大な予算をかけて制作し、完成に至ったものの、出来が酷過ぎてお蔵入りになった作品も確か過去にはあったはず。この作品も、出演者のイメージを損なわないためにお蔵入りにすべきだったと思います。

 

もちろん、世の中にはこの程度に酷い出来の映画は山のようにありますが、それでも莫大な予算をかけたマーベル映画でこの出来ってのは…。どうしてこんなことになったのか本当に不思議でなりません。

「グラディエーターII 英雄を呼ぶ声」('24)

 

古代ローマを舞台に、新皇帝の陰謀で奴隷の剣闘士(グラディエーター)に身をやつした英雄的将軍の復讐を描いた「グラディエーター」('00) の続編です。主演はポール・メスカル、共演はペドロ・パスカル、コニー・ニールセン、デンゼル・ワシントン、ジョセフ・クイン、フレッド・ヘッキンジャー、デレク・ジャコビ、アレクサンダー・カリム他。

 

Wikipedia「グラディエーターII 英雄を呼ぶ声」

 

前作が「悪くはないんだけれど、イマイチ終盤の展開について行けず…」だった自分でもかなり楽しめました (^^)v

 

映像としての迫力は増していますし、キャストも前作に負けず劣らず充実していますし。

 

ただ、やはり今回も終盤の展開には「?」。

 

前作が「元将軍 vs 皇帝」というわかりやすい対立構造で、一貫して主人公の「復讐」の物語に徹していたのに対し、本作では中心となる人物を増やして対立構造を少々複雑化し、しかも主人公の物語が「復讐」から別のものに変わっていき、最終的には古典的な「貴種流離譚」となっています。

 

しかし、これだけの数の登場人物を描き切るには2時間半もの尺でも足りず、特に最も重要なはずの主人公の内面が充分に描かれていないので、彼の言動の変化が唐突に見えてしまうのです。これでは終盤の最も盛り上がるべきところもイマイチ乗れず…。描き切れていないところは役者の演技に任せるってことなんでしょうけど、それにしても…。

 

と、文句を言い出せばキリはないのですが、主演のポール・メスカルをはじめ、キャストは充実していますし、とにかくド派手な映像の連続で飽きることのない、「映画館で観るべき映画」であることだけは確かです (^^)v

 

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「グラディエーター」('00)

 

古代ローマを舞台に、新皇帝の陰謀で奴隷の剣闘士(グラディエーター)に身をやつした英雄的将軍の復讐を描いたスペクタクル史劇です。主演はラッセル・クロウ、共演はホアキン・フェニックス、コニー・ニールセン、オリヴァー・リード、リチャード・ハリス、デレク・ジャコビ、ジャイモン・ハンスウ、デヴィッド・スコフィールド、ジョン・シュラプネル、トマス・アラナ他。

 

Wikipedia「グラディエーター」

 

現在、日本では続編が劇場公開中ということもあり、20数年ぶりに1作目を観てみました。

 

初見の時は「面白いことは面白いんだけど、いまいちハマらず…」と言った感じだったのですが、久しぶりに観て、その理由を思い出しました。

 

2時間半を超える長尺ですが、それでも終盤の展開は明らかに尺が足らず、最も盛り上がるべきところが駆け足すぎて、肩透かしを食らった気分になっちゃったんです。

 

古代ローマを舞台にしたスペクタクル史劇は昔から大好きだし、役者もいいし、リドリー・スコット監督らしい洗練された映像表現もいいし、中盤までは引き込まれたので、余計に残念な気分になってしまい、それが故に、その後20年以上、再見しようとすら全く思わなかったのです。

 

それでも、初見の時と同様、ホアキン・フェニックスは実にグッド!

 

子役時代から活躍していた彼が「個性派俳優」としての地位を確立するきっかけとなった作品だけあって、今観ても見事。当時はまだ20代半ばだったわけですが、その若さが役柄の「至らなさ」や「愚かしさ」を表現する上でもピッタリで、その年齢だったからこそ実現できた演技。今や「名優」となった彼の役者としてのキャリアを語る上で決して外すことのできない作品であり、一見の価値は間違いなくあるでしょう。

「アリバイ・ドット・コム2 ウェディング・ミッション」('23)

 

顧客の浮気などのアリバイを偽造する業者が巻き込まれる騒動を描いた「アリバイ・ドット・コム カンヌの不倫旅行がヒャッハー!な大騒動になった件」('17) の続編です。監督・共同脚本・主演はフィリップ・ラショー、共演はエロディ・フォンタン、ジュリアン・アルッティ、タレク・ブダリ、ナタリー・バイ、ディディエ・ブルドン他。

 

フィリップ・ラショー、ジュリアン・アルッティ、タレク・ブダリの3人組が作る映画はいつもバカバカしいんだけど、今回もまた一段とバカバカしい (^^)

 

が、それが彼らの持ち味だし、ストーリーを楽しむ映画ではなく、長尺のコントと割り切って観るべき。それができない人には苦痛でしかないでしょうけど (^^;;;

 

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「復讐」('23)

 

市民の暴動で荒れる街を舞台に、連続殺人鬼の復讐ゲームに巻き込まれた新米救急救命士の女性を描いたスラッシャー映画です。主演はエレナ・カンプーリス、共演はジェレミー・ピヴェン、ショーン・アスティン、トラヴィス・ネルソン、ブラッドリー・ストライカー他。

 

全く期待しないで観たせいもあってか、意外に楽しめました (^o^)

 

ただ、スラッシャー映画にしては残酷描写はちょっと控えめなので、根っからのスラッシャー映画ファンは満足できなさそう (^^;;;

 

主演のエレナ・カンプーリスは、童顔の可愛らしい顔と、細身のモデル体型で弱々しそうに見えましたが、アクションはなかなか頑張っていましたし、見た目とのギャップが面白いので、今後もアクション路線で頑張っていただけるといいんじゃないかなと (^^)v

「バトル・オブ・ザ・キラーズ」('23)

 

犯罪組織のボスが所有するカジノの隠し金庫を狙った、イカれた犯罪者カップル率いる凶悪集団の強盗計画を描いた犯罪アクション映画です。主演はアヴァン・ジョーギア、アジャニ・ラッセル、共演はミーガン・フォックス、タイソン・リッター、バイ・リン、アルメン・ガロ、ロバート・ラサード他。

 

想像以上に酷い出来の映画で、何故この出来で公開できたのか謎。

 

照明の色使いを工夫して、現実離れした世界を表現していたのは悪くないのだけれど、とにかく肝心のアクションがしょぼすぎダウン

 

この手の映画に内容がないのは珍しくもないので別にいいんですが、一番の見せ所のはずのアクションが安っぽいコントにしか見えないのはダメでしょう。

 

あまりにしょぼいので、わざとそう見せているコメディなのかと思ったりもしましたが、その割には全然笑えないし、作り手は一体この映画で何を見せたかったのか全く分からず。

 

ただ、女ボスのボディガードを演じたボディビルダーのブレット・アザーが、セリフは全くないものの、意外に「いい表情」でコメディ演技をしていたのは印象的でした (^^)