Marc のぷーたろー日記 -36ページ目

「騎兵隊」('59)

 

南北戦争中の北軍の騎兵隊を舞台に、隊を率いる大佐と隊に配属された軍医の少佐、2人の男の活躍を描いたジョン・フォード監督による西部劇映画です。主演はジョン・ウェイン、ウィリアム・ホールデン、共演はコンスタンス・タワーズ、アリシア・ギブソン、ウィリス・ボーシェイ、スタン・ジョーンズ他。

 

Wikipedia「騎兵隊 (映画)」

 

史実を元にしたフィクションで「北軍の英雄を描いた娯楽映画」としては充分な出来なのでしょう。少なくとも1959年当時であれば。

 

でも、今の時代に観ると、気になるところだらけ。

 

戦争を美化せずに、残酷さや虚しさを描こうとしているのはいいのだけれど、あまりに中途半端だし、結局は綺麗事にしか見えないのです。

 

全く必要のないヒロインを登場させ続ける不自然さをはじめ、当時のハリウッドの限界がよくわかる映画でした。

「秘密~許せない真実~」('23)

 

男性惨殺事件と、それに繋がる10年前に起きた青年の自殺事件の真相を描いたサスペンス映画です。主演はキム・ジョンヒョンさん、共演はキル・ヘヨンさん、パク・ソンヒョンさん、ユン・ドンウォンさん、ファン・サンギョンさん、チェ・チャンホさん他。

 

韓国映画らしい、容赦のない残酷で救いのない悲劇。

 

観る前からある程度予想はしていましたが、その予想を遥かに上回る悲惨な物語に言葉を失いました…。

 

ただ、意図的に曖昧に描くことで却って差別的に見えてしまうところがあり、そこははっきりと描いた方が良かったんじゃないかなぁと。そこだけが残念。

「毒親<ドクチン>」('23)

 

近年韓国で大きな社会問題となっている「毒なる親」を題材に、母娘の愛憎と葛藤を描いたミステリードラマ映画です。主演はチャン・ソヒさん、共演はカン・アンナさん、チェ・ソユンさん、ユン・ジュンウォンさん、オ・テギョンさん他。

 

輝国山人の韓国映画「毒親 ドクチン」

 

観る前から覚悟はしていましたが、それでもただただ辛い話だった…。

 

かなり極端に見えますが、周囲からは見えていないだけ、または当事者が自覚していないだけで、この程度に酷い「毒親」は世界中どこにでもいるんじゃないかと思えて仕方ないのです。

 

肉体的な虐待に比べると「見えにくい」精神的な虐待をどうしたら周囲が気づけるのか…。特に被害者が「優等生」の場合は一段と「見えにくい」だけに深刻。

 

今言えることは「親だからと言って絶対に敬愛しなければならないわけではなく、親との縁を切る選択肢もある」ってこと。

 

とにかく、あまりに悲惨な話なので、観る人の中には刺さりすぎて精神的なダメージを受けてしまう人も少なくないはず。その意味では「要注意」な映画です。

「同窓会」('24)

 

高校の同窓会の後、会場となった豪邸で起きた殺人事件の謎を描いたコメディミステリです。主演はリル・レル・ハウリー、共演はビリー・マグヌッセン、ジリアン・ベル、ジェイミー・チャン、マイケル・ヒッチコック、ニーナ・ドブレフ、ダイアン・ドーン、チェイス・クロフォード他。

 

コメディとしてはそれなりに「笑えた」けれど、ミステリとしては雑だなぁ…。

 

確かに筋は通っているし、共犯者については納得も行くのだけれど、殺人犯については見せ方がダメ、ミステリとしては反則。その人物が犯人なら、もっと伏線を張らなきゃダメでしょう。

 

トリックがあまりに単純なので謎解きの説明を聴いても頭を使うことはないし、気楽に観られるという意味では、これはこれでいいんでしょうけど。

「蛇の道」('24)

 

黒沢清監督が自身の映画「蛇の道」('98) を、フランスを舞台に翻案してセルフリメイクしたリベンジ・サスペンスです。主演は柴咲コウ、ダミアン・ボナール、共演はマチュー・アマルリック、グレゴワール・コラン、西島秀俊、青木崇高、スリマヌ・ダジ、ヴィマラ・ポンス他。

 

Wikipedia「蛇の道 (2024年の映画)」

 

フランスを舞台にして、復讐を手伝う塾講師の男性を女性精神科医に変更したという大きな違いはあるものの、ストーリー自体はオリジナル作品とほぼ同じ。

 

その一方で、改変には良かった点も悪かった点も。

 

まず、悪かった点。オリジナル作品の良さは90分に満たない短い尺で一気に突っ走ることで、ストーリーそのものにある強引さや不自然さを気にならなくさせている点にあると思うのですが、30分近く尺を伸ばしたことで、どうしてもストーリーの雑さが気になってしまうのです。また、西島秀俊さん扮する患者のエピソードも意図は分からないではないですが、はっきり言って不要。

 

良かった点は復讐を手伝う男性を精神科医の女性に変更したこと。まず精神科医に設定したことで娘を殺された父親との出会いや彼が信頼して相棒にする経緯に説得力が増しましたし、何より女性にしたことで復讐を手伝う動機にしろ、その冷酷さにしろ、一段と「恐ろしさ」を感じさせる存在になっています。

 

一方、「ラスボス」の位置付けを変更した点は、主人公である父親の「罪」をさらに明確にする意図があり、悪くない改変ではあるのですが、見せ方があまりよくない。この結末に持ってくるなら、もうちょっと伏線があっても良かったんじゃないかなぁと思えてなりませんでした。

 

とは言え、主演の2人はもちろん、印象的な脇役に名優マチュー・アマルリックが出演しているなど、キャストも充実していますし、概ね「よく出来たリメイク」だとは思います。

 

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「蛇の道」('98)

 

幼い娘を惨殺された男の復讐とそれを手伝う男を描いた、黒沢清監督によるハードボイルド・サスペンスです。主演は哀川翔さん、香川照之さん、共演は柳憂怜さん、下元史朗さん、翁華栄さん他。

 

細かいところに釈然としないものはあるものの、90分に満たない短い尺で一気に突っ走るので「まぁ、いいか」という気持ちで最後まで観られる映画でした。

 

復讐を手伝う男の正体も目的も予想通りなので謎解きの面白さは全くないですが、気弱に見えた父親が徐々に狂気に囚われていく様はサスペンスというよりも「ホラー」に近い印象があり、主演2人のハマりぶりもあって充分に堪能できました。

「TALK TO ME トーク・トゥ・ミー」('23)

 

刺激を求めて降霊の儀式を繰り返していた少女の恐怖体験を描いた心霊ホラーです。主演はソフィー・ワイルド、共演はアレクサンドラ・ジェンセン、ジョー・バード、ミランダ・オットー、オーティス・ダンジ他。

 

Wikipedia「TALK TO ME トーク・トゥ・ミー」

 

ホラー映画としてとても評価が高いのは納得。本当によくできてる。

 

ただ、僕がホラー映画に求めている「爽快感」「開放感」がなく、観終わった後には不快感しか残らず…。

 

もう二度と観ることはないと思います。

「デューン 砂の惑星PART2」('24)

 

フランク・ハーバートのSF大河小説「デューン」を原作としたドゥニ・ヴィルヌーヴ監督による映画2部作の第2弾です。主演はティモシー・シャラメ、共演はゼンデイヤ、レベッカ・ファーガソン、オースティン・バトラー、フローレンス・ピュー、ジョシュ・ブローリン、デイヴ・バウティスタ、クリストファー・ウォーケン、レア・セドゥ他。

 

Wikipedia「デューン 砂の惑星 PART2」

 

やっぱり劇場で観るべきだったなぁ…。

 

本作も前作同様、映像の美しさと迫力は文句なしに素晴らしいし、それだけで「娯楽映画」として充分過ぎるほど楽しめます。キャストも充実していますし。

 

それでも、原作未読の自分には、ストーリー自体は理解できても、この長大な作品を通して作者が描きたかった「テーマ」はほとんど全く分からず。そのあたりは原作を読めってことなんでしょうし、そもそも映画だけ観て、理解しようなんて思うこと自体がダメなんでしょう。

 

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「DOGMAN ドッグマン」('23)

 

実際の事件に着想を得た作品で、犬だけが仲間だった女装の男「ドッグマン」が語る壮絶な過去と、ギャングとの死闘を描いた、リュック・ベッソン脚本・監督によるバイオレンスアクションです。主演はケイレブ・ランドリー・ジョーンズ、共演はジョージョー・T・ギッブス、クリストファー・デナム、クレーメンス・シック、マリサ・ベレンソン、グレイス・パルマ他。

 

Wikipedia「DOGMAN ドッグマン」

 

好きなところはいろいろあり。

 

劇画調で浮世離れした世界観は陳腐だけれど悪くはない。

 

エディット・ピアフ、マレーネ・ディートリッヒ、マリリン・モンローの使い方も、ちょっと分かり易過ぎて安易に感じるところはあるものの、かなり好み。

 

そして、ケイレブ・ランドリー・ジョーンズのハマりぶりは見事としか言いようがなく、その身体を張った演技は大いに賞賛したい。

 

が、ストーリー展開に無理があり過ぎる…。

 

描きたいものを強引に1本のストーリーにまとめたので、とにかく展開がぎこちなく、すっきりとしない…。要はご都合主義。

 

そもそも、犬を愛していると言いながら、犬を危険な目に遭わせ続けている主人公の根本的な姿勢に違和感が拭えなかった。

「His Storyy」('21)

 

結婚20年、子宝に恵まれ、2人で始めたビジネスも成功し、周囲から「完璧なカップル」と見られていた夫婦の関係が、夫の秘密が明らかになったことで周囲も巻き込んで劇的に変わっていくさまを描いたインドのネット配信ドラマシリーズ全11話です。主演はサティヤディープ・ミシュラ、プリヤーマニー、共演はムリナル・ダット、ニティン・バティア、ミカイル・ガンディー、チャール・シャンカール、リアンヌ・テジャニ、ラジーヴ・クマール、アンモル・カジャニ他。

 

Wikipedia「His Storyy」

 

欧米ならとっくの昔に散々やり尽くした手垢のついた題材なので、ストーリーにさほど新鮮味はありません。ただ、結末だけはちょっと興味深い。時代遅れの悲劇的バッドエンドでもなければ、ハリウッド的ノーテンキなハッピーエンドでもないのは、中途半端に感じる人もいるかもしれませんが、インドの現状を考えると現実味はありました。もしかすると、単に続編を作る予定なだけなのかもしれませんけど (^^;;;

 

とにかく、欧米に比べてはるかに保守的なインドで、このような題材を扱う作品が比較的メジャーな形でリリースされているのはちょっと意外でしたが、作品の雰囲気からは、世の中の意識を変えるために敢えて積極的に制作されているように感じました。

 

ところで、自分にとっては、ストーリーそのものよりも、インドの富裕層のゴージャスな生活ぶりの方がとにかく印象的。まさに現代の「貴族」。

 

登場する女性たちは皆美しく、その衣装も煌びやかで目を引きますが、それ以上に印象に残ったのは主人公である夫を演じたサティヤディープ・ミシュラの衣装の数々。シックなスーツから、普通の人なら絶対に着こなせない派手なデザインのスーツ、インドの伝統的な衣装からプライベートでのラフな服装まで、どんな衣装も完璧に着こなしていて、これぞ「インドの都会で暮らす洗練された上流階級のイケてる中年男性」という感じ。サティヤディープ・ミシュラは1972年生まれで決して若くはないですし、身長も高いわけではないですが、スリムで頭身バランスが良いので、彼の衣装と着こなしを観ているだけでも充分に楽しめるドラマでした (^^)v