Marc のぷーたろー日記 -37ページ目

「アバウト・ライフ 幸せの選択肢」('23)

 

映画館で偶然出会って一夜を過ごしたカップル、4カ月前から浮気中のカップル、結婚に悩むカップル、3組6人の男女と、彼らの関係を描いた恋愛ドラマコメデイ映画です。出演はダイアン・キートン、リチャード・ギア、スーザン・サランドン、ウィリアム・H・メイシー、エマ・ロバーツ、ルーク・ブレイシー他。

 

これだけの充実したキャストを揃えて、どうしてここまでつまらない映画が作れるのか、それが最大の謎。

 

原作は舞台劇だそうで、確かにこの退屈なストーリーも、生のお芝居で、役者が達者なら、それだけで充分に楽しめたかもしれませんが、映像には不向き。

 

もちろん、ベテランの4人の俳優は芸達者だけあって、彼らの会話のやり取りにはそれなりに面白みはありましたが、本当にそれだけで、ストーリーは驚くほど凡庸で退屈。

 

ところで、ベテラン4人は撮影当時全員が既に70代。役の設定上は60代半ばから後半くらいの設定のようですが、4人の中で実年齢で一番若いウィリアム・H・メイシーだけが実年齢相応に見えるのに対し、他の3人、特にスーザン・サランドンの若々しさは驚異レベル。美魔女どころの騒ぎじゃないです (^^)

「目撃」('97)

 

大統領の犯罪を目撃した宝石泥棒が「絶対的な権力」に戦いを挑む姿を描いたサスペンス映画です。製作・監督・主演はクリント・イーストウッド、共演はジーン・ハックマン、エド・ハリス、ローラ・リニー他。

 

Wikipedia「目撃 (映画)」

 

気楽に観られる娯楽映画としては面白かった。さすがイーストウッド (^^)v

 

ただ、現実味を考えると、シークレット・サービスのやり方があまりに雑で「どうせやるならもっと巧妙にやらなきゃダメだろ」と突っ込みたくなることの連続でしたけどね (^^;;;

「死と処女」('94)

 

シューベルトの名曲「死と乙女」をモチーフにした、ブロードウェイの同名戯曲を原作とし、1組の夫婦とその妻の運命を変えた1人の男、3人による戦慄の一夜を描いた、ロマン・ポランスキー監督による心理サスペンスです。主演はシガニー・ウィーヴァー、共演はベン・キングスレー、スチュアート・ウィルソン他。

 

Wikipedia「死と処女」

 

原作は戯曲。この3人の配役で生の芝居を観たかったなぁというのが正直な感想。舞台ならもっと心にガツンと響いたと思えてならないのです。

 

映画の出来が悪かったわけではなく、ストーリーそのものよりも役者の演技を堪能すべき内容でしたし、舞台ならどういう見せ方になるかが比較的容易に想像できてしまったので、どうしても「舞台だったら」という邪念が入ってしまったのです。

 

「関心領域」('23)

 

アウシュビッツ収容所の隣で淡々と暮らすドイツ人一家の日常を描いたドラマ映画です。主演はクリスティアン・フリーデル、ザンドラ・ヒュラー、共演はラルフ・ハーフォース、サッシャ・マーズ他。第96回アカデミー賞で国際長編映画賞と音響賞を受賞しています。

 

Wikipedia「関心領域 (映画)」

 

予想以上に恐ろしい映画でした。

 

原題「The Zone of Interest」を含め、タイトルが示すように無関心さの恐ろしさを描いた作品ではありますが、「無関心」というよりも、主人公一家が完全に「麻痺」していることが恐ろしい…。

 

壁の向こうが阿鼻叫喚の地獄であることは「音」や「匂い」から容易に分かるはずなのに、それらを全く気にしない異常さ。

 

収監されているユダヤ人から略奪した宝飾品などを当然のように自分のものにして喜ぶ異常さ。

 

その異常さは無関心というよりも、それが当たり前という「慣れ」から来る感覚の「麻痺」。人間とはここまで堕ちてしまう生き物なのかと暗澹たる気持ちに…。

 

また、ドイツ人の「真面目で合理的」な気質の悪い面が強調されているのも印象的でした。

「The Way Out」('22)

 

父親からの虐待によるトラウマを抱えている青年が、父親の遺した家で同居することになった男に徐々に精神的に支配されていくさまを描いたサイコスリラーです。主演はジョニー・ボーシャン、共演はマイク・マニング、シェリー・シェパード、アシュリー・マーレイ、ダミアン・ディアス他。

 

サイコスリラーとしては悪くない出来だと思うのですが、この手の題材の作品に共通している「子供時代に性的虐待を受けた人間は犯罪者になる可能性が高い」とでも言いたいように見える内容にどうしても釈然とせず。

 

エンドクレジットで作り手側のコメントとして、

虐待は何百万人もの人々に影響を与えている問題です。この映画の制作チームは、身体的、精神的、またはその他の虐待を受けたことがあるすべての人を支援しています。私たちはこの映画で描かれている暴力行為を一切容認しません。これらの問題は私たちにとって非常に重要なので、このプロジェクトがこれらの問題の重要性を高めるのに役立つことを願っています。

と謳っていますが、それならば何故こんな映画を作ったんでしょう? わざわざこんなことをコメントするなんて詭弁もいいとこ。

 

この映画では、子供時代に虐待を受けた人物を2人登場させ、対照的に描くことで、こういった指摘に応えられるようにしているつもりのようですが、犯罪被害者に対する偏見を助長しかねないことに変わりはなく、「配慮しているフリ」をしているだけにしか見えないのです。

 

これからの時代にこの手の題材を扱う場合は、もっと慎重に脚本を書いてほしいと願うばかりです。

「ポーカー・フェイス/裏切りのカード」('22)

 

億万長者が旧友を招いて開催したポーカーナイトに隠された計画と、想定外の強盗団の襲撃を描いた、ラッセル・クロウ監督・脚本・主演の犯罪スリラーです。共演はリアム・ヘムズワース、エルサ・パタキ、RZA、エイデン・ヤング、スティーヴ・バストーニ他。

 

何じゃこりゃ?! (@o@)

 

大スターのラッセル・クロウが監督・脚本・主演を務めるってことで、誰も何も言えなかったんでしょうか?

 

近年稀に見る意味不明の映画。

 

彼に付き合わされることになったキャスト・スタッフの皆さんには、お気の毒としか言いようがないです。

「湖の女たち」('23)

 

吉田修一さんの同名小説を原作とし、介護施設で起きた殺人から、いくつもの闇が暴かれていく様を描いたヒューマンミステリーです。主演は福士蒼汰さん、松本まりかさん、共演は福地桃子さん、近藤芳正さん、平田満さん、根岸季衣さん、財前直見さん、三田佳子さん、浅野忠信さん他。

 

Wikipedia「湖の女たち」

 

原作は未読なものの、好みの題材なので期待して観始めたのですが、表現の仕方があまりに自分の生理に合わず、気持ち悪くて中盤以降はシラけた目でしか観られませんでした。

 

言いたいこと、描きたいことはよく分かるんです。

 

ただ、セリフ、演技、演出があまりに分かりやす過ぎて逆に「作り物」にしか見えず。あれだけ狂ってたら日常生活もまともに送れないレベルでしょう。

 

これは出来が悪いという意味ではなく、単に僕の「生理」に合わないというだけなのですが、とにかく視聴自体が苦痛でした。同じ話でも小説のような文字だけの表現であれば違和感なく受け入れられたと思うんですけどね…。

「飛行機に乗っていたら墜落して、凶暴な人食いライオンのいる原野に放り出された件」('24)

 

飛行機の墜落によりライオンやヒョウなどの猛獣が生息するアフリカの保護区に放り出されてしまった医師のサバイバルを描いた冒険アクション映画です。主演はライアン・フィリップ、共演はエミール・ハーシュ、ミーナ・スヴァーリ、ディラン・フラッシュナー他。

 

邦題がふざけまくってるし、今やアクションスターとなったライアン・フィリップが主演なので、荒唐無稽なアクション映画だと思う人が多いと思うのですが、その要素は皆無。

 

原題は「Prey(餌食・犠牲)」。

 

直接的な残酷描写は一切ないですが、内容自体はかなり残酷で、映画全体のトーンもシリアス。ライアン・フィリップ扮する主人公は善良だが弱々しい人物として描かれており、取り立てて魅力的なキャラクターではありません。

 

魅力的とまでは言えませんが、キャラクターとして「興味深い」のはエミール・ハーシュ扮する怪しげで独善的な操縦士の方。ただ、このキャラクターの終盤の言動が、ありえないとまでは言わないまでも、ぎこちなく見えてしまったのも事実。もちろん、最後まで観れば分かる通り、この映画が「宗教映画」であるとの前提に立てば、このぎこちない展開も「そういうことか」と納得はできるのですが、それでももうちょっと見せ方を工夫して欲しかったなぁ…。

 

説教臭くはないですが、終盤はシラけてしまって、何にも心に響かず、ほぼ「無」の心境でただ画面が流れていくのを見つめていました。

「ロイ・ビーン」('72)

 

無法者から法の番人に転じた実在の判事ロイ・ビーンを描いた、ジョン・ヒューストン監督による西部劇映画です。主演はポール・ニューマン、共演はエヴァ・ガードナー、ヴィクトリア・プリンシパル、ジャクリーン・ビセット、アンソニー・パーキンス、ステイシー・キーチ、ジョン・ヒューストン、ロディ・マクドウォール他。

 

Wikipedia「ロイ・ビーン (映画)」

 

こういう実在の「無法者」を英雄視するような話が嫌いなので、全く期待しないで観たのですが、これが意外に面白かった (^^)

 

登場人物がいきなりカメラ目線で映画を観ている観客向けに話しかけたりするなど、一貫して現実味をなくしてコミカルに描くことで、「大人向けのお伽話」のような世界観にして、主人公の無茶苦茶なキャラクターや殺伐とした話を「この世界ならアリかも」と思わせることに成功しています。

 

個人的には安易な「昔は良かった」風の話は大嫌いなのですが、19世紀末から20世紀初頭にかけての社会の劇的な変化をわかりやすく描き、歴史の浅い米国の「神話」のようにまとめているのも「なるほど」という感じ。

 

出番の少ない脇役にも有名な俳優を起用するなど贅沢な作りで、気楽に観られる娯楽映画でした。

「Mulligans」('08)

 

湖畔の別荘を舞台に、良き夫・良き父として生きて来た男性と、その大学生の息子が連れて来た友人との出会いが招く「完璧な家族」の危機を描いたカナダの恋愛ドラマ映画です。主演はチャーリー・デイヴィッド、ダン・ペイン、共演はテア・ギル、デレク・ジェームズ、グレイス・ヴコヴィッチ他。

 

Wikipedia「Mulligans (film)」

 

長男の友人を演じたチャーリー・デイヴィッドが執筆した同名小説を自ら脚本を務めて映画化した本作。ゴルフでティーショットをペナルティーなしで打ち直すことを意味する用語「マリガン」から「セカンドチャンス」の意味で付けられたタイトルや、一見完璧に見える家族の脆さといったテーマは実に興味深い。特に、真面目な夫が妻にも隠し続けて来た秘密は、その年代の男性として説得力のあるもので、演じるダン・ペインも役に合っていてグッド!

 

が、物語は結局ただの陳腐なメロドラマに堕していて、ただただ退屈。

 

ストーリーのまとめ方も安易で現実味はなく、ただの綺麗事。

 

もっと深みのある人間ドラマにすることもできたはずの題材を料理し切れなかった作り手の力不足が際立つだけの残念な映画でした。