フレンチ・コネクション2 [Blu-ray]
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フランスとニューヨークを結ぶ国際麻薬組織の捜査に執念を燃やす刑事「ポパイ」の活躍を描いた「フレンチ・コネクション」('71) の続編で、逃亡した国際的麻薬組織のボスを追って、フランス・マルセーユで組織の壊滅に挑む姿を描いたサスペンス映画です。主演はジーン・ハックマン、共演はフェルナンド・レイ、ベルナール・フレッソン、キャスリーン・ネスビット他。
前作の終わり方が、悪く言えば「中途半端」だったので、続編があるのは必然と言えますし、大掛かりなフランスロケなど、前作よりもかなり予算をかけているとか、主人公以外アメリカ人(という設定のキャラクター)が登場しない新鮮さとか、良いところはあるし、娯楽映画としては充分な出来だとは思うのですが、前作と比較してしまうとどうしても「劣化版」の印象は否めず。
前作もツッコミどころはいろいろありましたが、それらがフィクションとしては許容範囲だったのに対し、本作は「アメリカ人の警官がフランスで大活躍」というそもそもの設定に無理があって、「いくらなんでもそれはないだろ…」ということの連続で、ちょっとシラけちゃったんですよね…。薬物依存症を気合いと根性で治すみたいな前時代的な描写も、当時はともかく、今の時代には「誤った情報の流布」になりかねないですし。
そんなわけで、自分にとってはジーン・ハックマン以外に観るべきところのない映画でした…。
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あくまで実話から着想を得たフィクションと思って、余計なことを考えずに気楽な気持ちで観るべき映画でしょう (^^)
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好みの分かれる演出だとは思いますが、すぐに慣れますし、この物語に関して言えば、この凝った「分かりにくい」演出が良い効果を生んでいるように感じました。
ストーリーは、とにかく胸の痛む話。
2020年代の今となっては映画の題材としてはちょっと古臭くも感じますが、実際には決して過去の話ではなく、今も同様の悲劇が世界のどこかで起きていることは確か。こういった悲劇がなくなる日が来るのはまだまだ先の話なのかもしれませんが、だからこそ、様々な形で訴え続けていく必要があるのだと強く思わされました。
ジョージア出身のゲラ・バブルアニ監督が、自身の長編デビュー作であるフランス映画「13/ザメッティ」('05) を自らハリウッドリメイクした作品で、「集団ロシアンルーレット」に参加することになった青年の命懸けの苦闘を描いたサスペンス映画です。主演はサム・ライリー、共演はジェイソン・ステイサム、ミッキー・ローク、レイ・ウィンストン、カーティス・“50セント”・ジャクソン、マイケル・シャノン、ベン・ギャザラ、デヴィッド・ザヤス、アレクサンダー・スカルスガルド他。
→ Wikipedia「ロシアン・ルーレット (2010年の映画)」
何じゃこりゃ!?
これだけ充実したキャストを揃えて、この出来…。
オリジナルの「13/ザメッティ」('05) を観たことがないので判断が難しいのですが、ゲラ・バブルアニ監督はリメイクするに当たって、単なる「撮り直し」は嫌だったらしく、大幅な改変を加えたそうなので、それがダメだったのでしょうか…。
とにかく、そもそもの設定が現実離れしていて日本の青年漫画みたいなのはともかくとして、一貫して登場人物たちの言動が意味不明で、話に全く付いて行けず…。
ところで、クレジットにしろ、プロモーションにしろ、あたかもジェイソン・ステイサムが主演のように見せていますが、主人公を演じているのはサム・ライリーです。ジェイソン・ステイサムは確かに印象的な役ではありますが、この映画では完全に助演です。
村上龍さんの小説を三池崇史監督が映画化し、妻に先立たれた中年男性が若い女性と恋に落ちたことで見舞われる恐怖体験を描いたサイコサスペンスです。主演は石橋凌さん、共演は椎名英姫さん、松田美由紀さん、根岸季衣さん、大杉漣さん、石橋蓮司さん、國村隼さん他。
あまり期待していなかったのですが、予想外に楽しめました (^^)v
かなりグロテスクで生々しい残酷描写があるので、ホラー映画に耐性がある人以外にはお勧めしませんけどね (^^)
ただ、結末はあれで良かったのかなぁという疑問も。
伝統的なサイコスリラーとしては穏当な結末で悪くはないし、原作も脚本、監督も男性なので、こういう結末になるのは仕方ないと思うんですけど、この映画を「女を性的対象物としか思っていない身勝手な男たちへの復讐劇」と解釈すると、爽快感に欠けるし、救いのなさを感じちゃうんですよね…。まぁ、1999年の映画としては、これが限界なんでしょうけど。
復讐に燃える女ガンマンを描いた西部劇映画です。主演はシャロン・ストーン、共演はジーン・ハックマン、ラッセル・クロウ、レオナルド・ディカプリオ他。
復讐を題材にした昔ながらの伝統的な西部劇の主人公を女性にした、一種のパロディのような感じ。そのため、演出も音楽の使い方も敢えて古めかしくしていて、とても1990年代の映画とは思えないノリ。
女ガンマンを主人公にしたことで、ストーリーそのものは陳腐でも、かなり新鮮に観ることができ、確かに面白いことは面白かったのだけれど、その古臭すぎる演出や音楽の使い方、そしてホラー映画出身のサム・ライミ監督らしいグロ描写などが、微妙に「ノイズ」になってしまい、素直に楽しめなかったのがちょっと残念。
それでも、やはりジーン・ハックマンがいい。
こういう憎々しい、冷酷非情なサイコパス的悪役も全く違和感なくハマるんですよねぇ。観終わってみると、主演のシャロン・ストーンよりもジーン・ハックマンの憎たらしさの方が印象に残ってますもん (^^)v
フランスとニューヨークを結ぶ国際麻薬組織の捜査に執念を燃やす刑事「ポパイ」の活躍を描いたサスペンス映画です。主演はジーン・ハックマン、共演はロイ・シャイダー、フェルナンド・レイ、トニー・ロビアンコ、フレデリック・ド・パスカル、マルセル・ボズフィ、エディ・イーガン他。
30年以上前に一度観ていて「とても面白かった」のは覚えているものの、映画史に残る有名なカーアクションのシーン以外を完全に忘れ去ってしまっていたので、久しぶりに観てみました。
自分の記憶ではカーアクションのイメージがあまりに強いので、派手なアクション映画だと思っていたら、地味な張り込みや尾行のシーンが多かったのがちょっと意外でした (^^;;;
そして何と言っても、主演のジーン・ハックマンのカッコ良さ!!
昔から好きな役者ではあるのですが、代表作の1つである本作は彼の個性と魅力を存分に活かしていて![]()
ジーン・ハックマンの魅力を堪能するだけでも充分に価値のある映画です (^^)v
それにしても、目障りな主人公を暗殺するために、白昼堂々と、あんな派手な方法を使う殺し屋の無能さにはビックリ。その後の展開を考えると、むしろ主人公を放置しておいた方が良かったのにね (^^)
フランソワ・トリュフォー監督の遺作で、妻とその愛人殺しの容疑をかけられた雇い主の無実を証明しようと奔走する女性秘書を描いたミステリコメディです。主演はファニー・アルダン、共演はジャン=ルイ・トランティニャン、フィリップ・ローデンバック、カロリーヌ・シオル、フィリップ・モリエ=ジュヌー、グザヴィエ・サン=マカリー、ジャン=ピエール・カルフォン他。
ミステリとしてはそこそこ楽しめましたが、コメディとして笑わせようとしていることは分かるものの、全く笑えず (^^;;;
また、主人公が献身的に雇い主の無実を証明しようとするのは、かねてより彼に想いを寄せていたからという設定にどうしても納得が行かず。好意を寄せていることを示唆する描写がないので、彼女の行動は唐突にしか見えないし、そもそもこの男が優しいわけでも親切なわけでもない、容姿が(ジャン=ルイ・トランティニャンなので)女性にモテそうなだけで、人物として全く魅力がないので説得力がないのです。それに、殺された妻を愛していたと言いながら、あっさりと女性秘書に乗り換える節操のなさも![]()
ファニー・アルダンの魅力は活かされているので、彼女の「アイドル映画」だと割り切れば、それなりに満足はできますけどね。