2回目・・・今回は『インドネシアでの仕事』をお届けします。



鉄骨総重量は約1万トン。いつもの我々では考えられない重量

ですがこの量を加工するため4社の工場に分散させて製作して

います。このプロジェクトでの主な仕事は・・・・


1.図面のチェック

2.ファブの製作管理

3.工程管理    

の3つになります。



1.図面のチェックは工場からの一般図と単品図のチェックです。

しかしこの図面、描き方が日本と違いとても解りずらい・・・・。ご

ちゃごちゃし過ぎていて、どこから寸法を追っているのかも全く

解らない・・・。はっきり言ってブラケットの位置や板の位置なん

て図面から確認できないものもしばしばでした。



2.ファブの製作管理ですが、ここインドネシアに限ったことではな

いと思いますが、日本と鉄骨の文化が違うので、組立溶接、エン

ドタブ、裏当、開先加工など基本的なところから確認していくよう

にしてきました。今までエンドタブや裏当なんて付けたことがない

そうで、つけ方や組立溶接の方法など毎日毎日直してもらってま

した。その甲斐あって今では非常に上手くなってきて・・・・なあん

てことはなく未だに注意してます。自分の努力不足です。(ホント

にそうかと疑いつつ・・・)




手作りのエンドタブ




ファブ内での搬入スケジュール管理板


皆様、ゴールデンウィークはいかが過ごされましたでしょうか?私は長男が中学

生になるのを機に家の中の大レイアウト変更を行いました。こんな時会社で5S

活動をしていたことが役に立ちます。5S活動の本質は1S(捨てる)にあり!!

とばかり、おおいに捨てまくりました!!家の中がすっきりし、気分がいい!!

なんだかやる気も出てきました!!それにしてもリサイクルショップってたくさ

んあるものですね。本や服など家族で一回外食できるくらいの金額になりました。

 

「捨てまくりました!!」と書きましたが、本当は結構心理的な抵抗がありまし

た。物にはすべて価値がある。それを捨てることは非常に心苦しいものですよね。

いわゆる”もったいない”という気持ちです。小さなころから「モノを大切にし

なさい。」と教わってきたのに、使えるものを捨てるなんて・・と。

  ~~~~~~~


 『胴縁ピース君物語』(ある胴縁ピースの一生)

 

ある新潟県の鉄工所に、胴縁ピース君がいました。ピース君は10年前にこの工場

に夢を持ってやってきました。「鉄骨になって、安心安全な建物になるのだ!」と。

しかし、待てど暮らせど出番はやってきません。そのうち埃がかぶって誰からも

相手にされなくなりました。「俺の人生(鉄生)って何なんだ?!!」

3年たったある日、会社の社長さんが言いました。「5S活動をするので、いらない

モノは捨ててしまえ!!」と。「いらないモノって何なんだ!バカにしやがって!

あのバカ社長!!」

 

ピース君は捨てられて、トラックに乗せられ旅に出ました。ドナドナドーナ・・。

ついたところはスクラップ置き場。捨てられた仲間がいっぱいです。かわいそう

な人生(鉄生)。

ある日他の仲間と一緒にクレーンに吊るされました。「とうとう俺もおしまいか?」

熱い炉の中に入れられ溶かされ、押し込められ・・・・。なんとピース君はH形鋼

になりました。「なんだ?なんだ?」

そしてまたトラックの旅。工場で切られ溶接され、またトラックの旅・・。

そしてなんと!!ピース君は東京スカイツリーになりました♪♪

今ではスカイツリーの一部として充実した毎日を過ごしています。

 

めでたし♪めでたし♪

 ~~~~~~~

 

・・・なんてことがあるかもしれません。

『モノを大切にする。』とは、「捨てない」ということではなく、そのモノに意を注

ぐこと。そのモノに感謝すること。そしてモノに感謝したとき「捨てる」というこ

とも大切な選択肢の一つといえるのではないでしょうか?

 モノ余りの時代だからこそ、『モノを大切にする。』ということを真剣に考えていき

たいですね♪

続いて生活の拠点、寮についてですが、こんな感じのところで過

ごしてました。結構きれいな家です。




ここはジャカルタから車で1時間くらいの郊外にあってまだまだ

自然豊かなところですが、集合住宅が各所に点在しています。こ

のような集合住宅はどこも周りを柵で囲ってあり、入り口にはガ

ードマンが24時間常駐しています。(日本ではあまりお目にか

かったことがない)やはりまだまだ治安は良くないのだと思いま

す。ちなみに家のグレードは様々あり、月々の家賃は10万円から

20万円くらいだったと思います。家ではメイドさんを雇ってあり、

洗濯や料理、昼のお弁当まで作ってくれます。日本食を作れる人

達なので特に食事に困ることはありません。特に印象に残ってい

るのがそばで、とても美味しいと思いました。



寮から現場までは車で移動しますが、専用の運転手さんが付いて、

いつでも何時でも、どこにでも連れて行ってくれます。確かにバ

スやタクシーも日本人にとって安全とはいえず、鉄道はまだまだ

普及してません。駐在員には専用車がつくのが一般的なのでしょ

う。また、インドネシアは毎日渋滞してます。予定時間なんてあ

ってないようなものです。1時間は余裕をもって行動しないとい

けません。(ここは日本ではないのだと思い知らされる一つです)



インドネシア人はみんな明るい人たちであいさつすると笑顔で返

てくれました。すぐにだれとでも友達になれる人ばかりですね。

写真は2人の運転手さんです。このような感じで、毎日暑いなが

らも快適なインドネシアライフを送ってます。


来月はインドネシアの仕事編をお送りする予定です。
それではまた!

     ・・・・・・・つづく・・・・・・・・