ずっと、しつこくも(笑)、試し続けている、
ミッチェル308,408のベールスプリングの自作。
↓この試みについては、過去ブログもご参照ください。
今回は、市販のループワイアープライアーを使って、作ってみることに。
Amazonでポチって、1800円(送料込み)くらいで入手したのが、下の物。
これなら、スプリングだけじゃなくて、ワイアーガイドや
スピナーやミノーのシャフト部分なんかも、きれいに作れそうな感じ。
これ、1本で、6種類の、異なる内径のループが作れる。
これで、針金を挟み込んで、円柱に沿って、少しづつ曲げていけば
キレイな円形のループが作れる。
そして、問題になるのが、このプライアーの先端の、
太さの異なる、各円柱のうちで、
直径が、何ミリのところを使えばよいのか、というところ。
いろいろ試してみたところ、
直径6mmの部分が、適当と判断。
↓赤くマジックで塗ったところが、直径6mmの所。
白いテープを貼った部分は、直径7mmで、
ここは、既製品のベール・スプリングが丁度良く、スムーズに入るが、
今回もスプリングの材料として使う、ステンレスのシャフトは、
普通の針金より、数段に強度が高いので、
7mmの部分に、シャフトを巻き付けてループを作っても、
素材の反発力、復元力で、ループが、外側に膨らむので、
実際にできるものは、内径7mmにならず、
もっと広い内径になってしまうようなので、
6mmの円柱に巻き付けて、作ってみることにした。
まずは、ベール・スプリングの材料として、
ステンレス製の、「押しバネ」を用意。
バネのシャフトの太さは、0.65mm。
ミッチェルのベール・スプリングは、らせんのループが、
『進行方向で、反時計回り』なので、
既製のバネの「進行方法で時計回り」のままでは、使えないため、
まずは、らせんループを、丁寧にゆっくり伸ばして、ほどく必要がある。
この作業は、意外と大事で、これをいい加減にやると、
あとでプライヤーに巻き付けた時に、キレイな「円形」にならないし、
スプリングの作動にも影響する。
↓ここまで、ほどいて、やっと、プライアーに巻くことが出来る。
まずは、試しに「4回巻き」のスプリングを作ってみることに。
巻き始めで、注意することは、
また「時計回り」で巻いてしまうと、もとの木阿弥、なので、
キチンと「反時計回り」で巻くように気を付ける。
巻き始めてみると、これが、意外とスムーズにいかず、
力も必要で、思ったより簡単ではない。
ステンレスのシャフトは強いので、直径6mmの円柱に巻き付けても、
余程つよい力で巻き付けない限り、素材の反発力で、外側に広がり、
内径6mmのループにはならない。
6mmの円柱に、きつい力で、シャフトを巻き付けてから、
その後、手を緩めて、広がったループの内径が、
ちょうど7mmになるような、目安で巻いていく。
一気に巻かないで、時折、収納する予定の、
ミッチェルのローターの、スプリングの収納溝にハメてみて、
スプリングの直径が、ちょうど良い出来か、確認しながら、ゆっくり作る。
目安としては、収納溝の、内側のシャフトよりは、
溝の外壁側にできるだけ近い直径で、スプリングがはまる様に、ループを作る。
スプリングは、作動時に、内側に、回転しながら収縮するので、
内側のシャフトに近いように狭い内径で作ると、
つっかえてうまく作動しない。
また、直径7mmの円柱部分にも、時々、ハメてみて具合を見る。
既製品のスプリングは、円柱の直径7mmの所に、
引っかかりなくスムーズに入って、スルリと収まる感じだが、
シャフト直径0.65mmの自作の場合、入れるときに、
ちょっと摩擦と抵抗があるぐらいの具合に巻いた方が、
ローターのスプリング溝に組み込んだときに、ちょうどよい感じ。
これは既製品のシャフトと、自作のシャフトの、
微妙な直径の違いによるもの、と思う。
段々出来てきた‥
らせんのループが、なるたけ、揃う様に巻くのは、
意外と難しい。
キチンとそろわないと、ローターに組み込んで作動するときに、
ループが、隣のループの内側や外側にずれ込んで、
スプリングの作動に支障をきたすので、
キチンと外周が揃う様に、
時々、別のペンチで曲げて、微調整が必要。
ほぼ、らせんループが、出来たので、
次の、最も、ムズカシイ部分を作る。
↓まずは、ローターの、スプリング収納溝に、引っ掛ける部分をつくり
針金をカット。
↓次は、ベールスプリングを、ベールアームの穴に引っかけるフックを作る。
なにげに、これが、一番面倒。
しかも、そのベールアームに引っかかるフックと、
ローターの収納溝に引っかけるフックとの、間隔がすごく大事で、
この間隔が、広すぎても、狭すぎても良くなくて、
これはオリジナルのスプリングと比べながら、
極力オリジナルの間隔に合わせるように作った方がいいと思う。
また、ベールアーム用に垂直に立てるフックは、
これが長すぎると、スプリングがつっかえるし、
短すぎると、ベールアームからすぐ外れてしまうので、
その長さの加減もむずかしい。
そして、針金の、余分な部分をカットして、4回巻きの完成。
今回は、らせんのループ同士の間隔が狭く、密集した感じになった。
↓下左の、オリジナルの「5回巻き」と比較すると、
やっぱり、自作してみました感は、いなめないが、
らせんの各ループは、今までの試みのなかで、一番きれいな円形に出来た。
ローターの収納溝に納めてみると、フックの位置は、こんな感じ。
さて、では、本体にセットしますか。
ドキドキしながら、ミッチェルに組み込んでみると、
動作に、問題なし。
調子に乗って、「5回巻き」も作って、これも成功。
1本の押しバネから、4回巻きと、5回巻きの、2本が作れて、
その押しバネが、2本で170円前後なのだから、
安いもんじゃないか。
しかし、自作の5回巻きは、4回巻きと違って、
スプリング収納溝のなかで、溝の中の外壁などと、こすれる面積が広いのか、
4回巻きの方が、ベールの動きはスムーズで軽い。
5回巻きを、組み込んで作動させると、
収納溝の中で、スプリングが、
こすれて動いている抵抗感が感じられる。
スプリングを上から押さえるベールアームとの接触感も、
4回巻きより多い感じ。
それで長い時間、現場の釣りで使い、スプリングがヘタれてくると、
ベールの戻りが、悪くなる恐れもあるので、
5回巻きに、こだわり過ぎなくとも、良いかも知れない。
もともと、既製品の5回巻きスプリングより、
若干太目のシャフトを使っていて、
素材もたぶん、メイドインジャパンで、丈夫だろうから、
ムリに、オリジナルの5回巻きに合わせずに、
4回巻きでも、十分なのかも。
ミッチェルのローターのスプリング収納溝は、作られた年代によって
その深さが、異なるものがあるので、それに合わせて
4回巻きか、5回巻きかを、選べばいいのかな。
さて、今回の試みも、なんとか、成功。
市販のループワイアープライアーは、
確かに、キレイな円形のループができるが、
ステンレス製の、反発や復元力の高い素材のシャフトだと、
作るのに、意外と手の握力が必要で、期待したほど簡単ではなかった。
以前、自分の作った改造ペンチで作った時の方が、
作業がスピーディーだった気もするが、
まあ、どっちの道具も、一長一短ありなので、
これから何本も作って、慣れてみるしかないかなあ。
とりあえず、ミッチェルの部品のなかで、
最重要のひとつと言える、ベールスプリングだが、
直径0.65mmの、ステンレス製の「押しバネ」の素材さえ手に入れば、
市販のベール・スプリングを買わなくても、
自作でいつでもカバーできるので、
いざ、スプリングが折れても、
あまりヘコまなくて良くなった、と思えるだけでも、
今回は、十分な収穫でありましたww