カネラキス、アリス=紗良・オット |  ヒマジンノ国

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7月5日、日本沈没の日に聴く、サントリー・ホールでのコンサート。指揮者はカリーナ・カネラキス、ピアノ、アリス=紗良・オット。

 

今回も席は1階席後方。いつもながら席を取るのが遅いので、大体後方か、前方の両翼のどちらかになるのが、自分の通常運転です。しかも今回は指揮者が女性とは知らずにチケットをゲット。大分後になって知りました。でも写真を見ると、見たことある人です。多分ネットか何かで見たことがある人なんだと思います。

 

 

しかし、カネラキス、アリス共に美人で、最近のクラシック業界の商魂を見る思いがあります。グラモフォンなんか美人ばっかりデビューさせてないかね?

 

アリスは日本でも世界でも有名なので、あれなんですが、ドイツ人と日本人のハーフですかね。基本はドイツ語圏の人間なんだと思うんですが、こうやってコンサートなんか聴くと、表現とか音色とか、アジアっぽい感じが強い人なんだと思います。

 

音色は角が取れていて、ナチュラル。良く欧米の女性演奏家にある、ピアノの音色の厚みとか、異常なまでの理知的なフォルムとか、そういうのがないんですね。そのかわり、オーガニックでインスピレーションのある表現は、我々日本人にも馴染みやすいと思います。

 

ラヴェルのコンチェルトは意欲的に弾いていらっしゃいました。個人的には想像した通りの演奏だという感じです。名演だと思います。

 

 

他には、演奏する姿を見ていると、結構微妙なバランスで生きている人なのかという感じがしました。変わった世界観を持っていそうです。まあ、自分でも良く分からないですが、そんなどうでも良いことばかり気になりました。アンコールはペルトでなく、サティでした。

 

後半はカネラキスのマーラー、交響曲1番「巨人」です。こちらは前日、酷評が多く不安でしたが、実際に聴いてみて、個人的には結構良かったと思います。

 

カネラキスは音楽の運動性が少なめで、旋律を主体とした演奏だったように思いました。今年聴いた、他の女性指揮者リーニフは、非常に運動神経が良くて、反射速度も速く、前のめり的な演奏でしたが、カネラキスは真逆といって良いような演奏。

 

おかげでメロディが生きます。今回も第1楽章は良くなかった、という方が多かったようですが、自分は良かったと思いました。ああいうやり方だと、第1楽章の持っている「交響詩」的な内容が強調されて、面白いと思いました。

 

第1楽章といえば、「朝霧の中の森」、「鳥のさえずり」、「巨人の気配」、というようなキーワードが浮かびますが、それらが正攻法の演奏で、じっくり聴かせる感じで演奏されたので、映像のように聴こえる部分も多数ありました。しかも旋律の歌わせ方が優美で、女性独特の優しさを感じさせる部分もあったと思います。エレガントな感じでしょうかね。こうなってくると、力強いマーラー像とは一線を画し、鋭さも少ないので、好みは分かれるのかもしれません。

 

確かにリズムを必要とする、第2楽章のスケルツォなど、少し隙間風も吹くかな、と感じたりもしました。第3楽章は響きが薄く感じられる瞬間もありました。

 

ただ全体の感銘を壊すほどでもなかったと思います。フィナーレは迫力も充分加味した名演で、彼女の丁寧なアプローチが生きた楽章だったように思います。この曲のフィナーレは燦然とした強音部の輝きと、行進曲風の迫力が欲しいですが、かなり満足のできる感じで再現していたんじゃないでしょうか?音は大きく強音ですが、鋭くないので、聴きやすかったです。中間部の詩情も、しっとりと歌い、強音部とソフトな部分の描き分けも良くできていました。

 

個人的には第1楽章と、第4楽章が素晴らしく、中間の2つの楽章はちょっと落ちるかな、とは感じましたが、充分感銘を受ける演奏だと思いました。

 

ということで満足したコンサートでした。

 

今月は他にアラン・ギルバートのブラームスを、1度ですが、聴く予定があります。