ブルックナー3番・第2稿 |  ヒマジンノ国

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今日は、サントリーホールで、下野竜也指揮、日フィルで、シューベルトとブルックナーの交響曲3番を鑑賞してきました。ブルックナーの3番は第2稿で、初めて聴きます。エーザー版と似たようなものかと考えていたんですが、かなり違っていたように思います。

 

下野さんはブルックナーを良く演奏しているそうで、自分は今年2回目になります。前回はブルックナーの1番でした。前回は結構良かったんですけど、今回はそれほど感動はしませんでした。

 

ブルックナーについては、多分この3番の方が下野さんの本質を表した演奏なのかと感じました。急がない指揮で、丁寧で爽やかな響きでした。これはこれでそんなに悪くないのかもしれません。響きで聴かせるスタンスなんですね。一応正攻法の演奏を目指しているようにも聴こえます。

 

しかし、自分にはもう1つ何か足りない気がしました。全体に弛緩している気もして、やや「ただ演奏しているだけ」、という風にも聴こえます。優等生的で、ドライな演奏でした。

 

これはあくまで個人的な意見ですが、やはりブルックナーのスペシャリストなら、曲の持つ抽象概念をちゃんと理解して、曲の意味から導き出された抑揚をもっと付けて良いと思います。ツッコミがもっと欲しいというか。

 

以前も書きましたけど、ただ正確に音にして出しているだけでいい、という演奏がコンサートに行っても多い気がします。自分はそれだけだと飽きてしまう方です。また日本人の演奏家に多いスタンスだとも感じています。

 

来日する外国の演奏家は、良くも悪くも個性が強くて面白いことが多いですね。日本の演奏家は可もなく不可もなくという感じになる印象が、あくまで個人の意見ですが、強い気がします。

 

生意気なことを書いてスイマセン、お許しください。多くの方は、今回の下野さんのブルックナーには肯定的な意見のようです。

 

自分にとってみると、前座のシューベルトの方がソリッドに良くまとまって、美しかったです。

 

蛇足ですが、今回、自分の隣に座った年配の人物が、何と楽譜を開きながら鑑賞を始めました。当然楽譜をめくるたびに、頁をめくる音がします。初めは我慢しようかと思いましたが、さすがにあり得ないと思って注意して止めさせました。

 

実は最近のコンサートは出かけると、マナーを守らない人が多くて困っています。去年のメサイアでは、中国人が聴きに来ていて、アーメン・コーラスの直前まで周りに人に聞こえるような声で、喋っていました。ブレハッチのコンサートでは、英語を喋るアジア系の人らが、子供を連れてきていて、子供が退屈して、持ってきていたペットボトルのお茶を手で回したりしています。また、ブレハッチのアンコール中には、目の前の年配の方が、自分のカバンのジッパーを音を立てて閉めたりして、演奏をマスキングします。

 

聴きに来てはいけないような人たちが聴きに来ているんですよね。本当に弱ります。今日も自分は、隣の人を注意したせいで、ブルックナーは、第1楽章後半から、第2楽章全体まで、集中力が切れて、ちゃんと聴けませんでした。

 

他にも色々あると思うんですが、聴衆のマナー問題はあると思います。何とかなりませんかね。結構つらいですよね。