参議院選挙の公示 |  ヒマジンノ国

 ヒマジンノ国

ブログの説明を入力します。

参議院選挙が公示されました。開票日は7月10日です。

 

物価高対策、安保、改憲などが争点になります。この参議院選挙後3年ほど国政選挙がないというので、かなり重要な選挙かも知れません。

 

改憲が争点だといっても、自民党案での改憲か、あるいは現行憲法で維持かという2択になります。改憲には議会の3分の2以上の発議がまずは必要で、今回は改憲賛成派が82議席以上取れるか否かが焦点になります(発議後に国民投票があります)。戦争の放棄をうたった憲法9条が問題視されますが、実際今回の自民党の改憲案で問題になるのは次の2点です。

 

緊急事態条項の創設と、天賦人権の排除です。

 

緊急事態条項とは内閣の独断で、緊急事態を発令し、そこに関わる予算や法律を「緊急」という目的で内閣が一手に引き受けてしまうことになり、反対するものもその命令に従わなくてはならなくなる、というもの。法律や財政に関する権利が議会から内閣に移ります。これは100日ごとに延期でき、その際は議会の同意が必要になります。しかし与党が過半数の議席を占めるのなら、必要であれば「緊急事態」を100日ごとに無期限に延期できることにもなり、事実上の政権内閣による独裁が可能になります。

 

東日本大震災時、あるいは今あるコロナ危機時は間違いなく「緊急事態」とみなされるでしょう。ワクチン接種も今は任意ですが、緊急事態条項が設置され、緊急事態が発令されれば、内閣の命令で一律の接種が義務づけられてもおかしくありません。

 

この「緊急事態条項」は自民党改憲案の本丸といわれており、非常に危険です。テレビやマスコミは一切この事案について報道しませんが、そこがまた怪しさを一段と増加させます。これは止めるべきなんですが、一般の人たちにどれぐらい理解があるかどうかです。自分は個人的に、今回自民党の改憲案に賛成する党はちょっと怖いと思っています。

 

 

次は人権の問題になります。「基本的人権」とは何でしょう?自民党草案にも「国民は、全ての基本的人権を享有する。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利である。」として基本的人権は明記してあります。

 
しかし他方、自民党案には次のようにもあります。
 
全て国民は、人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公益及び公の秩序に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大限に尊重されなければならない。」
 
現行憲法では以下の通り。
 

「すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。」

 

一番大きな変化は「個人として」という表現を「人として」という表現に変えたことです。明治憲法においても「臣民権利義務」において基本的人権は存在しましたが、しかし明治憲法では、その基本的人権の保障については「法律ノ定ムル所ニ従ヒ…」、「法律ノ範囲内ニ於テ…」、「法律ニ依ルニ非スシテ…」あるいは「臣民タルノ義務ニ背カサル限ニ於テ」などと、法律や臣民義務の留保が付けられており、また「天皇大権ノ施行ヲ妨クルコトナシ」とすることで戦争等が発生した場合は、天皇の名において自由に基本的人権の制限が可能なものとされていました。

 

これは、明治憲法における人権が「天皇によって臣民に与えられるもの」に過ぎないと考えられていたからです。

 

そして、戦争に負けたことによって、より強固な人権を保障したのが、今ある「日本国憲法」だといえます。つまり「天皇から賦与された人権」ではなく、人間が生まれた時から持つ権利(これを天賦人権といいます、人権を人類普遍のあり方まで広げよういう考え)、として定めました。

 

つまり「基本的人権」という同じ言葉を使いながら、「人権」の内容が変わっているということになります。

 

「天賦人権」であれば、明治憲法のように「法律の範囲において」という制限が付きません。つまり憲法に規定された内容だけで、個人の自由の程度を決めることができません。犯罪を犯した人間(公共の福祉に反した人間)でも最低限の人権は認められます。しかし、明治憲法のように「憲法」の範囲内で決められた人権では、「犯罪を犯した」時点で、人権がストップしても何ら不思議ではありません。

 

そういう意味では「天賦人権」は憲法より上位の判断ができるときがある内容ですが、自民党案はこれを「無くす」といっています。西洋の神を元にした考えだというのが理由(西洋流の個人主義にもなりうる)です。

 

しかし普遍的人権という意味で考えるのならば、どの国でも「宗教」という物さえあれば、これは自然権として、「天賦人権」は充分成り立ちうるものである、と自分は考えています。

 

そして、初めに書いたように自民党案で「個人として」という表現を「人として」という表現に変えたのは、この「天賦人権」を排除したからだ、という考えが透けて見えるということになります。こうなると自民党の「人権」の考えはどこにあるのか、ということになります。「天皇」によって与えられたものでもなく、自然権としての「天賦人権」でもない。

 

彼らが勝手に考えた「人権」(おそらく憲法に書かれた内容にとどまる)に我々が縛られることになります。

 

しかし、この改憲案で「基本的人権」の制限を行う、という主権者は一体誰なのか?という問いが同時に出てきます。たとえば明治憲法であればそれは「天皇」ということになります。逆に、「天賦人権」であれば人権の行き着く先は「神」ということになります(これらは、明治憲法でさえ、「人権」をより普遍的な価値観と結びつけようとする意図がある)。ところが自民党案で、人権の制限するのは、緊急事態宣言中であれば「内閣」ということにもなりえます。しかし、この「内閣」なるものを構成するのは、我々と同じ「人間」であり、そのような上位観念を判断できる位置にいるということ自体、非常に危ない考えです。一般人が一般人の権利を制限するということになります。

 

自民党案での人権は、「普遍的な価値観」を無視した、人工的な考えのようにしか見えません。

 

同じ「基本的人権」という言葉でも中身を吟味すると、その「内容」が違うということを、肝に銘じなければなりません。

 

「緊急事態条項」の発令と「天賦人権」の削除が行われれば、第2次世界大戦中のような独裁体制を確立でき、我々の人権も失われる可能性があるのが、いまある「自民党案」による改憲案であるといえるでしょう。

 

人権とは? |  ヒマジンノ国 (ameblo.jp)

 

↑、同じことを書いてますが、過去記事です。

 

自分は元々改憲には反対ではありません。しかし自民党案には反対します。非常に危ない内容になっているということを、理解してほしいと思います。