オカルトと現実のはざま12 |  ヒマジンノ国

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もう少し他の著作なども見ながら、この問題を考えてみたいと思います。

 

 

エマニュエル・トッド著、「『ドイツ帝国が』世界を破滅させる」、堀茂樹訳。

 

3年前の本です。ヨーロッパから世界情勢を見ている本です。鋭い批評で面白いです。

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フランスの学者エマニュエル・トッドは次のようにいいます。

 

<グローバリゼーションによるストレスと苦しみの結果、何が起こっているか?先進諸国の社会は、いっそう開放的になって互いに一致していくどころか、むしろ反対に、それぞれの内部に、それぞれの伝統の内に、それぞれの人類学的基底の底に、グローバリゼーションに対処して自らを再建する力を見出しつつあります。

 

たとえば日本は、日本回帰の時期を迎えています。日本人は、ヨーロッパのあずかり知らぬところで自律的な発展を遂げた江戸時代を懐かしんでいます。

 

これと同じ力が、アメリカでバーニー・サンダースやドナルド・トランプのような大統領候補の出現を可能にしたのです。その力は、ネイションとしてのアメリカの再建を夢見て、「ワシントン・コンセンサス」やグローバル化の言説からの脱却を要求しています。>

 

そしてまた次のようになります。つまり、ネオリベラリズムは先にいう「議定書的」な傾向を持つものといえますが。

 

<今日の世界の危機は『国家の問題』として捉えなければなりません。中東を始めとして、いま真の脅威になっているのは、『国家の過剰』ではなく『国家の崩壊』です。喫緊に必要なのは、ネオリベラリズムに対抗し、国家を再評価することです。>

 

今日的な日本で右翼の台頭は仕方ないことだと思います。日本人がどう「日本」を捉えるか、その意識が希薄なためにある一群の人々は、かつての旧態依然とした価値観を持ち出してきました。しかしそれは、かなりの程度全体主義への傾向を含むもので、硬直した思想です。「国家を再評価する」ということがどういうことなのか、もう一度よく考える必要があるはずです。

 

たとえば日本会議の話があります。「日本会議」は必ずしも大きな組織ではなく、政治への影響力は少ないという人もいます。しかし、自民党の憲法草案へ彼らのブレーンが介入していることは間違いがないでしょう。

 

 

樋口陽一、小林節著、「憲法改正」の真実。

 

初期の自民党改憲案に対する批判の書です。憲法9条改正が改憲論において議論されていますが、実際問題になっているのはそれ以外の部分で多いということを教えてくれます。また9条の改正についても小林節氏のいう通り、自民党案でもなくやれるということ。もっとアメリカからの影響を排除して、日本の軍事の整備も可能だということを教えてくれます。今、最大の問題のなのは殆ど自民党の改憲案に賛成か否か、ということで改憲論が進んでいることだと思います。野党もちゃんと整理して、別案をだすべきでしょう。

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以下に引用します。

 

<小林 日本会議というのは、第一次安倍政権が大はしゃぎでやった教育基本法の改革などを支援してきた。山谷議員のジェンダーフリー反対論とか、有村治子前女性活躍担当大臣の閣僚靖国参拝支持論など保守強硬路線の人々が、みんなそこでつながっているという団体です。その前身のひとつに「日本を守る会」というのがあって、これは生長の家などの宗教団体の連合体だった。靖国神社や国柱会も入ってますよ。神社本庁、後は石原慎太郎の指示団体だった霊友会とかね。

 

樋口 戦前の道徳への回帰を目指すというのも、日本会議のテーゼですか。

 

小林 ええ、そうでしょうね。「かつての崇高な倫理観」を取り戻すと言ってます。>

 

本来、このような旧態依然とした宗教団体を含む圧力団体の思想と、ネオリベラリズムという、グローバリゼーションの思想は相いれないものです。現在トランプが大統領とはいえ、日本会議のような組織に日本が引っ張られていけば、リベラリズムの根源のひとつともいうべきアメリカとどう付き合っていくかという、問題に突き当たっていくはずです。その際、思想的な柔軟性がなければ、選択肢は「従う」か「反抗する」かの二択しかなく、どちらに流れても日本の一般国民には不幸だと思います。

 

その為にはやはり、論陣を張る陣営同士が「敵愾心」のみでやり合うのではなく、必要な場合に合わせてケース・バイ・ケースで政策を出し合うべきかと思います。