
昨日は横浜にいました。特に何てことはないんですが・・・開放的な涼しさを感じながら、ぼんやりしていました。

きれいな街ですね。ちゃんと横浜に来たことはないので新鮮でした。

本を読みました。新書でエマニュエル・トッドの<「ドイツ帝国」が世界を破滅させる>という本です。EUの中で独り勝ちのドイツですが、その背後にある、富裕層達の寡頭支配やそのやり方に対する不満などを述べています。
当初はEUに必ずしも好意的でなかったドイツですが、堅実な経済力と、冷戦の崩壊後力を失いつつあるアメリカのせいで、力を得たとしています。関税のないユーロという単一通貨のせいで富がドイツに集中することになりましたが、それが現在世界を支配しているグローバリズムと結びつくことで、銀行や富裕層、あるいはドイツの寡頭政治をEUに招いたといいます。
うまくいっているドイツがやや傲慢になりつつあること、同時にEUの中央とは離れた国々、ギリシアやスペイン、イタリアなどとの格差が広がっていることなどが問題視されます。確かにヨーロッパではドイツが力を持つと戦争がはじまる傾向が多かったので、現在の欧州連合のドイツの権力集中化は不気味ではあります。
またグローバリズムという言葉の裏にある資本家による新しい支配体制がここまで来たのかという残念さもありました。個人的にはマルキシズムは肯定しませんで、マルクスの言説はむしろ今の資本家に無限のわがままを解放したとして見ています。
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20世紀初頭、世界で1番のお金持ちはハプスブルグ家とロマノフ王朝という王家でした。しかしこれらは第1次世界大戦とロシア革命で姿を消してしまいます。すると、ここまで抑圧されていた金持ち達は新たにグローバリズムという美名のもと、自らが世界のリーダーたるべく富の蓄積を始めます。
ところがこれに公然と反旗を翻したのがアドルフ・ヒトラーをはじめとする枢軸と呼ばれる、国粋国家でした。ここに第2次世界大戦が勃発し、その後の世界の覇権を争いました。
そして、第2次世界大戦での決着はその後の世界の方向性を決めたといえます。「国家」よりも「資産家」が世界を支配する世界への道を切り開いてしまいました。現在人々は知らず知らずのうちに新しいヒエラルキーに組み込まれて行っています。
富裕層達と、それを牽引するさらに富を持った、世間にはめったに姿を見せない人達をトップとしたヒエラルキーです。セレブと呼ばれる人達は現代の貴族を気取っていますが、それらはすべてこれらの構成に組み込まれています。
彼等には政治家と警察組織、そして軍隊が追随することになっていくでしょう。こうした世界の行く末を人々は指をくわえたまま見ているようです。
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音楽批評家の宇野功芳氏が亡くなられました。享年86歳。
批評家としては難しい人でした。この歳になってみると、特にそう感じます。時に自身の批評の論理などを語りましたが、彼がそれに厳密に従うときは実際あまりありませんでした。そういう意味では「批評家」といえたかどうかは怪しいと思います。
ただ自分も若い時は彼の批評の持っている「おかしさ」に気付くことなく、推薦したレコードを漁っていました。正直、この時代がクラシックを聴いてきた人生の中で一番楽しかったです。
だからかもしれませんが・・・訃報を聞いて思っていたよりもずっとショックです。
ヨーロッパのローカルなクナッパーツブッシュやシューリヒトを熱心に日本に紹介し続けたのは彼です。あるいは埋もれていても才能があると見込んだ朝比奈隆などの演奏家は熱心に応援していました。
死んでしまった人にこんなことをいうのは何ですが、正直、熱心ですが理性は弱い人で、マヌケですらありましたが、訃報を聞くと・・・その分その幼さが涙を誘います。自分の人生を好きなことに奉げた人生だったのでしょう。やりたいことはやりきったんじゃないでしょうか。
そういう意味では羨ましい生き方だったと思います。ご冥福をお祈りいたします。