今日の東京は、素晴らしい陽気でした。
秋ですが、まだ紅葉もしていない緑地の木々は、陽光に輝いています。そして、街の至る所の緑と花々がかぐわしい香りを放ち、通りを行く人々を楽しませます。
イヴ・ナット(1890-1956)の演奏で聴いてきた、ベートーヴェンのソナタ全集が残り3曲となりました。
連続して聴いてみると、力強さに欠く、ということではありませんが、ナットの弾き方は、マッチョでも、哲学的でもなく、柔らかい、ソフトな印象があるようです。
ベートーヴェンそのもの・・・という感じではなく、ベートーヴェンのソナタにフランス風の優しさを加えたような、不思議な感じでした。そんな、ナットの全集について、ロンペッシュの本には次のようにあります。
「この全集はLPレコードに録音された最初の1枚になる。・・・(中略)・・・≪月光≫≪悲愴≫≪熱情≫ソナタをセットで最初に録音したのも、他ならぬ彼だった。マルセル・メイエやリリー・クラウスと同様にレコードファン向けに録音を行った。彼のレコードはほとんどフランス以外で販売されなかったのにもかかわらず、これらの録音シリーズは音楽愛好家やセーヌからはるか遠くに住む音楽家たちが共有する至上の秘密になった。」(アラン・ロンペッシュ著「偉大なるピアニストたち」、訳、東川愛。ヤマハ・ミュージック・メディア・コーポレイション。)
最近、全集とか選集とか、または単に数曲だったりしますが・・・ベートーヴェンのピアノ・ソナタをいくつか聴きました。スヴェトラロフ・リヒテル、アルフレッド・ブレンデル、ソロモン、マリア・ユーディナ、ヴラド・ペルルミュテール、マリア・ジョアン・ピリス、ウラディミール・ホロヴィッツ・・・。
これらの多くはベートーヴェン弾きではないんでしょうが、それにしても、感動する、ということになると、中々難しいものがあります。
演奏が難しい、「新約聖書」だと改めて思いました。
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今日のコーン・インセンスは「ブルー・オーシャン」です。爽やかさと酸味が効いた、海辺の香りを思わせます。
では皆様の幸福を願って。今日はこれぐらいにします。


