クラウディオ・アバド |  ヒマジンノ国

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先日、イタリアの世界的指揮者、クラウディオ・アバド(1933-2014)が亡くなりました。享年80歳。僕はそれほどファンでもなかったのですが、ニュースで訃報が伝えられたときは驚きました。


80歳だったといいますから、決して若くはなかったのですが、正直、もうそんな歳だったのかと驚きました。


彼の経歴は非常に輝かしいものなので、世界的な彼の死は一般的なニュースになっていました。特に、クラシック・ファンでは話題にはなったようです。僕も熱心なファンのブログなどを読んでみて、そんな風に聴いているのか・・・という思いでいます。


さて、今回は少し遅れましたが、最近聴いたものから二種類、個人的に良かったと思った、アバドの演奏を簡単にとりあげます。



モーツアルト、「大ミサ曲」。クラウディオ・アバド指揮、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団、ベルリン放送合唱団。ソプラノ、バーバラ・ボニー、アーリン・オジェー、テノール、ハンス・ペーター・ブロホヴィッツ、バス、ロベルト・ホル。

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カラヤン亡き後、世界ナンバーワンの楽団であるベルリン・フィルの音楽監督に誰がなるかはファンの間ではちょっとした話題でした。1990年、後任にこのクラウディオ・アバドが決定したとき、驚いた人、喜んだ人、色々だったと思います。


ヨーロッパの楽団の歴史を見るとイタリア系の指揮者が主導権を握ることが珍しくありません。ベルリン・フィルにしても、カラヤンが没して、自国の指揮者にめぼしい存在がいない以上、イタリアのトップに白羽の矢が立つのは一種の見識だったのかもしれません。


これは、そのアバドのベルリン・フィルに就任して間もない、1990年の録音です。アバドのキャリアの中でもそんなに有名な録音というわけでもないんですが、ソニーの合唱曲のボックスの中の一枚でして、今回聴いてみて結構良い演奏だと思いました。


モーツアルトの大ミサ曲は未完成の作品で、短調作品ながら、暗くない音楽です。キリエ、グローリア、サンクトゥス、べネディクトゥスだけしか完成されておらず、全曲としてみると、補筆もされてないため、音楽は途中で終わります。しかし、クレドなどは補筆したものが演奏されます。


これはモーツアルトらしい、女性の声を生かした、華やかな香りがあるミサ曲で、完成部分だけ聴いていても美しいです。


アバドはゆっくりとしたテンポで、ニュアンスの多い指揮をしています。ソプラノ独唱の色気のある響きも良く、モーツアルトの美しさを堪能できました。




ジョアキーノ・ロッシーニ、「チェネレントラ」。クラウディオ・アバド指揮、ロンドン交響楽団、スコティッシュ・オペラ合唱団。メゾ・ソプラノ、テレサ・ベルガンサ、テノール、ルイジ・アルヴァ、バリトン、ロナード・カペッキ、バス、パオロ・モンタルソ。

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クラウディオ・アバドによる、ロッシーニのオペラ「チェネレントラ」の録音です。1971年の録音になります。


「チェネレントラ」とは「シンデレラ」のことです。そう、あの有名な「シンデレラ」のオペラになります。有名なアバドのロッシーニの演奏として、僕は「セビリアの理髪師」より、この「チェネレントラ」に魅力を感じます。


アバドは割と大人なしめの演奏が多いと思うのですが、激しいリズムとテンポ感の多い「セビリア」よりは、このしっとりとした「チェネレントラ」のほうがアバドの良さが発揮されているように思いました。


この作品を「上品」・・・といって良いのかは分かりませんが、笑いを誘う作品としては最低限の品格は備えているかと思います。アバドの場合もあまりにグロテスクだったりするよりは、こういった、可愛らしい作品のほうが、僕には美しさを発揮するのだと思えます。


やや下卑た笑いと、ロココ風の上品さが交じり合う、ほのぼのとした楽しいオペラ・ブッファで、喜劇ゆえ聴後の印象もさっぱりします。オーケストラも生き生きしていて、これはアバドの代表盤の一つでしょう。