ピーター・ジャクソン監督による「ロード・オブ・ザ・リング」の3部作。
原作はJ・R・R・トールキンの邦題「指輪物語」。
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映像化不可能といわれていた原作の映画化。
当初一部完結の予定が三部構成となり、原作の巨大な世界観をかなりまで忠実に映像化することに成功し、アカデミー賞では「ベン・ハー」や「タイタニック」と並び史上最多、11部門を獲得。
ファンタジーやSFなどの空想世界を描いた映画としても快挙であり、大ヒットした。
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僕も初めて指輪物語を映画化すると聞いたときは耳を疑ったものだった。
まあ・・・一本の映画に何とかまとめてお茶を濁すのかな・・・ぐらいの印象だった。
だが色々と情報が流れてくるにつれ、ちゃんと3部作にすることが分かったとき、映画会社も中々の賭けに出たと思った。
しかし・・・第一部の「旅の仲間」の上映を映画館で観終わったとき、僕はこの企画と監督は本気なのだと感じる。
とにかく映画は「模範的」ともいえる出来で、アラン・リーの美しい水彩画をもとにした映像美もファンなら納得の出来栄えといえると思う。
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<旅の仲間>
小説版ではフロド達がホビット庄を出た当初、古森で迷い、木の根に挟まれて動けなくなったところを半神のマイアールである、トム・ボンバディルに助けられるシーンがある。
さらに後には霧の塚の山丘陵でもちょっとした冒険があるが、こうした物語は実際物語の主要な部分とは一切関係がない。
僕はその部分を読んでいるとき、「何て面白くない小説なんだ・・・。」と思ったことがある。
しかし、小説版ではそうした面白くない部分があるからこそ、知らない間に物語の中に引き込まれていき、気付かないうちにその物語が大きくなっているという効果があった。
だが、映画版では物語を分かりやすくするため、そうした部分は削られ、いきなりアイゼンガルドの塔が登場する。ただこうした変更点は映画を観る前から大筋で予想されたことではあった。
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<あらすじ>
映画では冒頭、物語の原因となった、太陽の第二紀の終わりに行われたダゴルラドの戦いが描かれる。
ここで人間とエルフ達は復讐のため最後の同盟を結び、サウロンの軍団と戦うのである。
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この作品全体を通してテーマになるのは、サウロンといわれる魔王が創りだした支配の指輪をいかにして葬るか、という問題である。
この指輪は人間の権力の悪用や卑怯さを現しており、それを使用する度にその指輪の所有者が堕落していくという恐ろしい力を秘めている。
そしてこの指輪こそ魔王サウロンの本質であり、この指輪を葬ることが世界を救うことに繋がっていくのである。
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物語はその支配の指輪がホビット族のすむ村にあることが知られることによってはじまる。
かつて指輪の所有者であった、ホビット族のビルボ・バギンズが未だにその指輪を隠し持っていたのだった。
・・・太陽の第二期の末、ダルゴラドでマイアールの一人である、指輪の王サウロンの手から支配の指輪を奪ったのは、ゴンドールとアルノールの統一王国の上級王、イシルドゥアという人間族だった。しかし、人間族は物語内の他の種族に比べ欲望に弱く、堕落しがちであった。そのため、人間とエルフの同盟軍がサウロンに勝利したと思ったもの束の間、指輪を奪ったイシルドゥアは指輪の誘惑に負け、指輪の破壊を放棄してしまうのである。
そしてさらに悪いことが重なる。
ダルゴラドの戦いの後、指輪を我が物としたイシルドゥア。
しかしアンドゥインの谷でイシルドゥアはオーク達に奪われ、その指輪をアンドゥイン川へと落としてしまったのだ。
こうして一つの指輪はその姿を隠してしまい、長く復活のときを待つ・・・。
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これが原因となりヌメノールたるドゥネダインは、第三紀にいたり長く苦しい人間の時代への複線を張ってしまったのである。
そして物語は太陽の第三期に入り、中つ国の多くの人種を巻き込みながら、世界の滅亡と闘わなければならないという切実な問題に直面していく。
その原因こそかの失われたはずの指輪であり、その持ち主のサウロンであった。
・・・しかし隠されていた指輪は、平和に暮らす中つ国の人々の幸せな思いをよそにその姿を現し、ホビット族の元を点々とし始める。初めは愚かなスメアゴルの元へ、そして次は勇敢なビルボの元へ・・・そしてそれはやがて指輪を破壊する運命を担ったフロドの元へと・・・。
こうして偶然ビルボから指輪を譲り受けてしまうフロド・バギンズ。
当初はそれほど問題とも思えない小さなその指輪が彼を恐ろしい体験へと導いてゆく。それは信じられないような冒険の始まりであると同時に、常人では理解できないこの必滅の世界への深い理解への旅でもあった。
こうして指輪の持ち主になったホビット族のフロドは八人の仲間を携え、指輪の激しい誘惑と戦いながら、時には仲間に助けられ、あるいは裏切られながらも指輪を破壊するため、モルドールにある滅びの山を目指すことを誓うのだった。
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「旅の仲間」は中つ国の色んな名所をめぐることができる切実だが、楽しい作品である。裂け谷やモリアの坑道、あるいはロスロリアンなどの美しい映像はこの「準世界」の情報を我々にふんだんに与えてくれるだろう。


