スタンダールの小説、「赤と黒」。小林正、訳。新潮文庫。
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スタンダールは19世紀のフランスの文豪で、本名をアンリ・ベールと言う。
このスタンダールの「赤と黒」は彼の代表作で、出世に燃える青年ジュリヤン・ソレルの生涯を描いた作品だ。
そしてこの作品の中には作者の当時のフランスにおける政治的信条が表れており、作品の核の一部をなしている。
しかしながら、この小説はそんなフランスの政治的な成り行きを知らなくても充分に面白く読めるのが良いところだろう。
何でもイタリアに憧れていたフランス人のスタンダールの墓には、「ミラノ人アッリゴ・ベイレ、生きた、書いた、愛した」とあるらしく、実際、この小説の基礎になっているのは主人公ジュリヤンの激しい恋愛体験であり、その点が万人にも楽しめるポイントになっていると思われる。
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激しい情熱は時に身を滅ぼしてしうが、それは結局、人間の本性に由来するからであって、どんなに理性的であろうとしても結局は人間的な情熱のほうが大事なのかもしれない。
なかなか熱烈な内容で、現代人にも充分面白いと思われる、フランス文学の傑作だ。
