【 報告 】ルゥのこと 1 | 猫カフェ計画!-お家猫カフェ運営日記-

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自宅猫カフェを始めるまでの記録と、お店&にゃんずの日記です。

すっかり遅くなってしまったけど、

ルゥの報告をしようと思う。

 

 

今、ルゥのカルテを見ながら書いている。

書いていたら長くなってしまったので、

2回に分けることにする。

 

 

ルゥ。本名はルーファ。ボンベイと言う種類の黒猫だ。

ルゥが死んだのは、福が死んだ3週間後だった。

 

悪性リンパ腫。

 

そう診断されたのは、去年の12月。

 

 

ルゥは元々下痢体質で、胃腸トラブルが判り難い子なのね。

でも、この時は、かなりひどい下痢。

ゴハンもあまり食べなくなった。12月頭のことだ。

 

まず疑ったのは、寄生虫だ。

検査で虫は見つからなかったけど、

たまたま隠れていただけかもしれないので

(元気に動いている虫しか判らないそうだ)

駆虫薬を1週間分もらった。

 

 

改善しない。

 

 

それで、超音波で診てみたら

腸に大変なモノが見つかった。

 

獣医師が言うには、腸の途中で、腸管の周りに

「でっかい何か」がある。

イメージとしては、腸管を輪切りにしたら、

断面がドーナツ状になってるような状態、らしい。

真ん中の穴が腸の管で、

ドーナツ生地の部分が「何か」ね。

 

この「何か」が腸管を圧迫していて、

食べ物が通りにくくなっているんだろう、とのことだ。

 

 

ルゥはこの半年前に、腸管閉塞の手術をしていて

その時に腸の検査もしていて

その時点では、こんなモノ、影も形もなかったらしい。

それが、いつの間に。

 

 

そして、検査の結果。

 

「何か」はリンパ腫だった。

つまり、癌だ。

 

ここで、選択肢は3つ。

 

・除去手術で完治を目指す

・抗がん剤で延命する

・このまま、自然に任せる

 

獣医師が言うには、すでに転移している可能性が高いので

手術はしても意味がない、そうだ。

 

今の状態なら、あと2週間、もつかどうか、

ルゥはそういう段階らしく。

 

どこまでするか。

飼い主が、どこまでしたいか。

 

 

どうしよう。

 

 

強い副作用のある抗がん剤はやめよう。

それで意見が一致した。

同じく癌だった、てんは、

抗がん剤に負けて死んでしまった。

何のための薬なのか判らない。もうああいうのは嫌だった。

 

でも、副作用のない、少ない、弱い抗がん剤で

ルゥが機嫌よく延命できるのであれば

試してみる価値はある、と、思った。

 

 

結果。

 

 

価値はあった。

 

 

癌だった、豊太郎も、てんも、

診断を受けてから1ヶ月でお別れした。

 

でも、ルゥは、抗がん剤の反応がかなり良かった。

ルゥの腫瘍は、大きくなるのがそれほど早くないみたいで

抗がん剤で結構小さくなったのね。

 

で、大きくなって、薬で小さくして、

大きくなって、小さくして、の繰り返し。

 

抗がん剤は連続して投与するとすぐ効かなくなるそうだ。

でも、間隔を空けると、長期間使える。
ルゥはその点、ちょっと良い感じだった。

 

 

で、3ヶ月間で3段階くらい、やったかな。

副作用のないやつ、弱いやつ、ちょっとあるやつ。

その副作用も、

下痢・・・は前からだ。

食欲不振・・・も前からだ。

まあ、強制給餌がしにくかった時期もあったけど

最終的には割と食べてくれるようになった。

 

ただ、下痢があまりにひどいので(腸の癌だしね・・・)

店には出せなくなった。

オシリの栓が緩みっぱなしの猫を

ウロウロさせるわけにはいかないからね。

 

ルゥの大好きな大好きなオバアチャンのお部屋に

ルゥ専用のケージを入れて

夜はケージで、昼間はオバアチャンのベッドで

ルゥは過ごすことになった。

 

で。

 

オシリが緩い猫を部屋で放し飼いにすると

こう言う悲劇が起こるんだったわ、と言うアレやコレやが

オバアチャンの部屋の棚の奥とか、ベッドの下とか、

果てはベッドに敷いてるベッドパッドにも発生して

オバアチャンの部屋は大変なことになってしまったことも

こっそり報告しておく。

 

夜も、ルゥ、

ペットシーツで用を足すまでは良いんだけど

なぜその上で寝るんだ!

もっと自分を大事にしろーーー!!

 

移動がしんどい、とかではなく、

ルゥはそう言うの気にしない子なのだ・・・。

 

そういう意味では、ちょっと大変だった。

 

 

そんなこんなで、だましだましで

なんと今年3月になった。

恐らく発症から4ヶ月経っても、まだ、

オシリ以外大きな問題がないルゥ。

すごく頑張ってると感心した。

 

そして、3月16日だったかな、

それまでのお薬の効きが悪くなったから

強めの抗がん剤になったけど

これも反応が良くて、体がかなり楽になったらしい。

 

投与3日後の3月19日には

自分から出勤すると言って店に出た。

(カフェに通じる階段のドアの前で鳴くのね)

 

退勤した後は、大好きなオバアチャンのベッドに

ぴょいと飛び乗って、くつろいで、

撫でてもらってゴロゴロと喜んで、

とても、とってもゴキゲンだった。

 

この日が、ルゥの、最後の幸せな一日。

 

 

翌日、全く食べなくなり(強制給餌も受け付けない)

与えても吐くので与えられなくなった。

(嘔吐したもので窒息する危険があるから)

時間差で出た副作用だった。

投与3、4日で腸の絨毛がダメージを受けるらしい。

 

獣医師曰く、

抗がん剤は細胞分裂の活発な場所を攻撃する。

それが癌細胞なんだけど

にゃん体には他にも活発な場所があって

それが腸の絨毛と、血球を作る骨髄の細胞なのだそうだ。

 

つまり、抗がん剤を投与した時、癌細胞のとばっちりで、

生まれたばっかの絨毛も攻撃されて働けなくなる。

絨毛の寿命は3~4日なので、

抗がん剤投与3~4日後にとばっちり絨毛が現場に出て、

 

「オレら昔抗がん剤にやられてて、お仕事できません」

 

となるわけだ。

 

 

ルゥは体重をそこそこ保っていたから、

1日2日くらい食べなくても問題ない。

でも、腸がダメになると免疫低下で感染症のリスクが高いから

お薬で予防してもらった。

 

ルゥ、ごめん、しんどいね。

とにかく今だけ乗り切ったら大丈夫だよ、

そうやって、皆で優しく優しく優しくして。

ルゥは、元気ではないけど、機嫌は良かったように思う。

 

結果的には、この副作用自体は、

ルゥは、乗り越えられたんじゃないかと思う。

「思う」なのは、判らないからだ。

結果が出る前に、ルゥは死んでしまったから。


 

落とし穴は、別の所にあった。