2月29日。この日も朝一番に病院に行った。
点滴を入れ過ぎたんです!
250cc入れてしまった!
私は焦っていたのだけど、獣医師は、大丈夫、と。
福の状態(脱水の程度等)だと、問題ないらしい。
ほっとした。
そして夕方。福を迎えに行くと、
通院での半日入院は今日で終わりだと言われた。
発作が落ち着いたので、
病院で必要な処置は、もうないそうだ。
あとは、予防のためにお薬を飲ませる。
強制給餌も点滴も自宅で飼い主が可能だった。
と、言われても、
ぐったりした福を見ていると不安だった。
福はこのままなんだろうか。
少しでも回復して・・・意識が戻る可能性があるんだろうか。
「ここ数日、発作止めで意識レベルを下げていた。
その間に、認知症が進行している可能性がある。」
「飼い主を認識できないままのことも、ある」
福は、もともと、痴呆の症状が少しあった。
(だからベッドから落ちたのだ)
もう、私のことは、判らないのだろうか。
でも、生きていてくれた。それだけでいい。
そう思いながら、でも悲しかった。
※※※※※※※※※※※※
帰宅して福をケージから出すと
『にゃっ』
福は小さい声で鳴いた。
驚いた。
福は、ほとんど鳴かない猫だ。
大抵の意思疎通は、視線や仕草で済ませる。
体が動かないから、代わりに鳴いたのか。
ともかく、私に向かって鳴いたのだ。
慌てて抱き上げた。
もう、呼びかけても、撫でても良いと言われていたので
抱っこして、名前を呼んで、撫でた。
福は私をはっきりを認識していて
見えない目で、私の方を真っすぐ見ていた。
福が帰って来てくれたと思った。