『エルガイム』、40周年。 | 有栖川まおの愛が止まらないR

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「有栖川まお」のガンダムで倉木麻衣な日々の出来事を綴ったブログです。

 『重戦機エルガイム』の放送が始まって、早いモノで、本日で丁度40年となります。

 この作品で何が驚かされたかというと、新進デザイナーの永野 護氏が、メカとキャラの両方を手掛けていた事です。以前からバイファムや『ゴーグ(諸事情で放送はエルガイムより後になってしまいました…)』においてゲストメカデザインを手掛けて、その実力の片鱗を見せていた永野氏でしたが(バザムが元々永野デザインだったって知った時は驚きましたよ)、その才能を見抜いていた富野監督が、この『エルガイム』の斬新で独特な永野メカにマッチするキャラを描けるデザイナーがなかなか見つからずに、「お前がキャラも描けたらなぁ」と呟いたところ、永野氏が「描けますよ」と即答したので、「よし、任せる!」とばかりに双方のデザインを任されたとの事です。もっとも、こうした制作方針は、「番組を若い連中の教育に利用している。それは作品作りではない」との批判をも浴びる事になってしまいましたが…。

 放送終了後、富野監督は後番組の『Zガンダム』で忙しかった事もあって、この『エルガイム』の舞台世界である「ペンタゴナ・ワールド」を永野氏に譲る事になり、後にこの世界観をベースにした上で大幅に改変した『Five Star Stories』が生まれるワケですが、その一方で、永野氏は「ペンタゴナ・ワールドはダンバインジャコバ・アオンが持つ水晶玉の中にある世界である」とも発言しており、富野氏に対して一定の敬意を払っている様子です。

 そのメカニック「ヘビーメタル(HM)」は、外部装甲と内部構造を分離させて、人間と同様の広い関節可動範囲を持たせる為に、ムーバブル・フレーム(ムーバルフレーム)という、それまでに無かった画期的な構造(ホントはダグラムで一足先に再現されてはいたのですが)を有しており、

それは『Zガンダム』以降のMSにも継承され、以降のメカデザインに多大な影響を与える事になりました。

 そしてそのネーミングも、音楽好きの永野氏の趣味により、海外アーティストの名称から取った物が多いというのも特徴的でした(荒木飛呂彦先生の『ジョジョ』のキャラやスタンドのネーミングにも同様の傾向が見られますね)。ただ、登場キャラの名前が、日本人を始めとするアジア人や、ハンガリー人と同じ「姓・名」の順番で、主人公のダバ・マイロードだけが苗字で呼ばれてるってえのが違和感がありましたが。

 

 主役機のエルガイム(Mk.I)は、ガンダムで実現できなかったと言われている白一色のカラーリングでした(後にガンダムでもユニコーンで実現しました。『水星』のキャリバーンもそうでしたが)が、その関節から覗くムーバルフレームや細密なディテールが織り成すメカメカしさにより、単調に見えなかったのが流石だと思いました。

 そして後半の主役機となったエルガイムMk.IIは、

基本的にブラッドテンプルNo.3の頭部をアモンデュール・スタックに移植しただけあって(もっとも、ネットで拾ってきた上の画像は、単なるコラらしいのですが、違和感が無いな…)、マジンガーZ以来主役メカからは排されていた「」が復活してたり、まるでフランケンシュタインの如き継ぎ目があったりと、とても主役機とは思えない凶悪な面構えとなりましたが、これがまた格好良いから困ったモンです。

 もっとも、永野氏自身、この恒例となった主役メカ交代やHMの変形には否定的だった事もあってか、プローラーへの変形機構は簡素極まる物で、よく「寝そべり変形」などと揶揄されてましたが(苦笑)。そのプローラーの機首は、HM形態においても、背部にギグバッグの如くそびえ立ってました。これは、『Z』においてもメタス等に継承されてましたが、艦載時に天井につっかえたりしないか心配(汗)。

 また、「物干し竿」と俗称された巨大な手持ち兵装バスターランチャーも、『Z』においてハイパー・メガ・ランチャーとして継承されましたが、まるで只のデカいビーム・ライフルといった扱いで、バスターランチャー程の大威力を持った兵装としての演出はされませんでした…。

 バスターランチャーと言えば、最終回においてエルガイム(Mk.I)が、「オレこそが真の主役メカだ」と言わんばかりに、オージとの戦闘で大破していたMk.IIに代わって、バスターランチャーでギワザ艦隊を葬っていたのが印象的でした。その際、ダバがアムと搭乗を交代する時、ビュイに搭乗したままでキスをするのですが、

ホントだったら顔をぶつけかねないぞ…