『銀河漂流バイファム』の放送が始まって、早いモノで、本日で丁度40年となります。何だかここ最近「40周年」の記事がやたら多いですが、1983年はそれだけロボットアニメが熱い時代だったという事なのでしょう。何しろ、『グレメカ』の双葉社からも、『ダンバイン』や『ボトムズ』と共に取り上げた『1983年のロボットアニメ』というタイトルの本が出てる位ですからねぇ。
『ガンダム』の企画時と同様、『十五少年漂流記』をモチーフとした本作でしたが(故に、原案者に「富野由悠季」の不吉な名前があったりします…)、その『ガンダム』とは一線を画した、下は4歳から上は15歳までの13人の少年少女が織り成す青春群像劇が、同年代の少年少女のファンの間で共感を持たれて評判となり、とある地方局では視聴率の低迷を受けて放映打ち切りが検討されていたのを、ファンの署名活動によって放映が続行された程でした。そう、この『バイファム』は、アストロゲーター(ククトニアン)との戦いの他にも、常に打ち切りの恐怖とも戦っていたのでした。何しろ、金曜19:00というゴールデンタイムでの放送で、裏番組が『ドラえもん』や『ストップ!! ひばりくん!』でしたし(おかげで前半は飛び飛びでしか観れませんでした…)、後半からは放送時間の変更を余儀なくされました(仙台では関東と同じ金曜17:00でした。おかげで、ビデオなんて持ってなかった当時の私は、授業終了後はダッシュで帰宅するハメに…)。それでも、全46話の放送を完走した事は快挙であると言えるでしょう。
アニメの構成では、現在のアニメではポピュラーとなっているアバンタイトルが存在していたり、OPの歌詞が英語だったり(おかげでカラオケの時に苦労するハメに…)、後の『水星』と同様に次回予告がサブタイトルだけだったりと、今までに無い試みがなされていたのが斬新でした。
メカデザインでは、ラウンドバーニアン(RV)が、『ガンダム』のMSとはまた一味違う魅力を放っていました。特に主役機のバイファムは、後の『バーチャロン』のテムジンと同様に、量産機でありながらどことなくヒーロー性を有するデザインで、大河原氏自身もお気に入りのデザインでしたが、みのり書房刊『VIFAM PERFECT MEMORY』に掲載されている初期稿を見てみれば、その決定稿に至るまでの試行錯誤の形跡が窺えます。ちなみに、□が決定稿です。□のデザインは、ネオファムに流用されたのでしょう。
後半からは、舞台がククト星に移った事もあって、大気圏内飛行ユニット「スリング・パニア―」を装着する事になりました。当初、私は「えっ、ウィング・バーニア!?」と空耳してしまったのですが、意味的には間違ってませんよね(笑)。
これは番組のテコ入れの意味もあったのでしょうが、私にとってはお気に入りの装備でした。その際、ディルファムと同様に、大気圏内用に機体各部のラウンドバーニアを排したり(もはや「ラウンドバーニアン」でも何でも無いな)、頭部デザインにもヒーロー性を持たせるべく、ガンダムみたいなツインアイにする案もあったみたいです。結局は、キットの金型流用の都合もあってか、本体には手を加えられる事はありませんでしたが。個人的には、□の、いかにもバイファムの発展型という感じの頭部デザインが好みです。
バンダイによるキットの方は、1/144スケールで初めてポリキャップが内蔵された事が話題を呼びました。一方、1/100バイファムは、そのプロポーションや、脚部にスプリングを利用したサスを採用したり、ポリキャップの一部にボールジョイントを採用した事もあって、タカラの1/24スコープドッグと並ぶ傑作キットだと評価されています。個人的には、1/100でスリング・パニアー装着型のネオファムが発売されなかったのが心残りです…。ちなみに、メカデザイナーのエビちゃんは、ルザルガのキットをいまだに心待ちにしているそうで…。
後年、外伝作品の『バイファム13』が放映されましたが、何とした事か、当時私は東京に在住していながら、観る事が叶わなかったのです。もっとも、聞く所によれば、特に観るべき作品でも無いとの事ですが…。