当サイト所属レビュアーの一覧(現時点で寄稿したレビュアーのみ記載)

  • 尾綿 仁清

 いい年こいて毎日その週のジャンプを読まないと夜寝られない。得意分野はジャンプ・ヤンジャン。売れ線王道作品と、不遇だが好感の持てる作品の両方を鮮明なコントラストで楽しめるのが魅力とのこと。

 「私には夢がある。いつの日か、すべての売れっ子マンガ家と、すべての不遇なマンガ家が、迎合主義にとらわれず描きたいマンガでメシが食えることを」

  • 鶯志摩 チカ太

いつも何かに巻き込まれているチョココロネのチョコ野朗。ねーねー、チョココロネってどっちから食べる?ってそんなことはどーでもいいんじゃ!ジャンル的には、マイノリティ後期青年型モラトリアム。漫画をいい年した人間が読むなんて嘆かわしい事ですよ、ってトミノ的発言の裏に潜む誠の心を知るは馬場の精、中2達だけ。
「紙破れて漫画あり 誌春にして新作多し
時に感じては 駄作にも涙を濺ぎ
打ち切りを恨んでは 不景気にも心を驚かす
金欠三月に連なり 古書万金に抵る
頁 数えりゃ更に短く
退屈潰しに堪えざらんと欲す」


  • ナスギ マサロー

 念能力に目覚めた場合とスタンドが発現した場合とARMSに寄生された場合でそれぞれどんな能力が欲しいかは既に決まっているくらいに能力バトル物が好き。読む漫画は多岐に渡るが、もはやどのジャンルにも拘泥できないはぐれ者。

 「バトルがギャグを挟んでも、あまり上手くはオチないが、

オチる4コマはバトルのように、印税をおおくはもらえない。

バトルが萌えを匂わせても、いやらしい気持ちはうまれないけど、
あのエロい十八禁はバトルのように敵(エロス)のインフレはできないよ。

十八禁と、4コマと、それからバトル、みんなちがって、みんないい。 」




  • テンプラー黒川

 【人名】黒川の通り名。本名不明。

 【属性】エロ・グロ・ナンセンス(主に男性向け成年コミック)

 【趣味】エロ&ミリタリー&ストリップ(森川いづみ親衛隊)

 【弱点】フランダースの犬、忠犬ハチ公物語を観て泣く

「やっぱ、時代は宇宙スペイス№1だな。新たな可能性があるよ、宇宙には!

うん、エロマンガも新時代。そう、21性器世紀に向けて進化しねーと生き残れない!」



  • カッチャキ号

黒字を量産する合理的ギャンブラー。近麻を愛読。

非常に多趣味で豊富な実体験から漫画においてもリアリズムを追求し、物語の背景や詳細な設定にtripする。特に「ハイリスクもの」。しかしその反面、単純なギャグ漫画にコロッと殺られることも!(´Д`;)

「俺は神じゃない、俺の主観は他人(ヒト)の主観には成り得ない、だが!!俺は俺の見たままにリアルを伝えたいんだ」





1月22日発売のヤングジャンプの中から、レビュアー注目の作品をピックアップ!クロスレビューを試みます。
今回は『犬のジュース屋さんZ』と、『サムライソルジャー』を取り上げます。レビュアーは今週もナスギマサローと尾綿仁清ですよ!

『犬のジュース屋さんZ』 おおひなたごう 『サムライソルジャー』 山本隆一郎
ナスギマサロー

「最後のハンサム」おおひなたごうは相も変わらず天才だ。回によって当たり外れは大きいけれど。『犬のジュース屋さん』は彼にしては《抑えてる》作品なのは間違いない。それを逃げと取るか、巧妙なマイナーチェンジと取るか・・・難しいところだが、間違いなく言えるのはコマ外の余白にタイトルコールが敷き詰まっていること。そう、まさに漫画の外側から『犬のジュース屋さん』は読むべき作品なのだ。「おいおいまたおおひなたごうが変なことやってるよ」と、作者と遊ぶような気持ちで読んでみるのが面白いのだと思う。彼の短編『遺伝子レベル剣』のように読者に対して「ついてこれるかな?」という遊び方だとほんとに置いてけぼりになることもあるので(笑)、やっぱりこの《抑え》は効果的な技だといえるだろう。

[8点]


今号で表題の「サムライソルジャー」という単語が初めて口にされた。山本氏の前作のタイトルは『ゴールド』。「青春っちゅうのは・・・(中略)・・・多分 色は黄金色(ゴールド)やな」と、同じく作中で(というか第一話で)表題をナレーションに入れていた。別にこの手法をとやかく言う気はない。実際第一話目に表題を入れることでテーマを明確にする漫画は多いし、『サムライソルジャー』においてもこれから「サムライソルジャー」という言葉に対する謎解きが展開していくのだろう。だが僕はこの作者の創作法に、所々読者を過小評価しているふしがあるように感じられてならない。《分かりやすさ》に拘泥するよりも、各設定を《伸ばしきる》ことに力を注いでくれれば期待できるのだが。

[5点]

尾綿仁清 おおひなたごうはいまや現代日本のギャグマンガ界のリーダーであるといっても過言ではあるまい。『おやつ』の頃からの既存の枠組みに囚われない実験精神は止まるところを知らず、この『犬ジュー』において尚も貪欲な進化を続けている。
私は『犬ジュー』は新訳『ドラえもん』であると位置づける。基本構造において明らかに『ドラえもん』を下敷きにし、その上で彼一流のサイケデリックな作品世界を存分に展開しているのが『犬ジュー』だ。以前『ほがらかに!斎藤!』という短編で試みた実験に、ヤンジャンというメジャー誌で今一度挑んでいるということだろう。その意味でこの作品は日本ギャグマンガ界の記念碑であり、ラボでもある。特に今週は彼の狙いがケミストリーを起こした好例で、かなりの神回になっているので必読だ!
[9点]
サムソルは、ヤンキーを主題としたマンガである。しかしその価値観はあくまで相対的で、焦点は若者の友情・将来への不安・葛藤などにあてており、その点において所謂ヤンキーマンガとは一線を画している。従来のヤンキーマンガの持つ勢力図やら喧嘩シーンやらのワクワク要素ももちながら、クサすぎてちょっと赤面してしまうほどの感動要素も併せ持つ好感の持てる作品だ。
特に今週は、その表題にもなっている「さむらいそるじゃー」というキーワードに迫る重要回。いままで単なるサムいタイトルだと思っていただけに今週は不意打ちで、不覚にもちょっとグッときてしまった。今後加速を始めるであろうドラマに目が離せない。
[7点]

総合評価
犬のジュース屋さんZ』平均8.5点
サムライソルジャー』平均6点

 ひとつの作品を選んでレビューしよう・・・と思い立ったのはいいけど、どの作品を選んだものか。

自分がレビューを書きたい作品はいずれ全部書けばいい話なのだけど、記念すべき《ひとつめ》をどうしようか?という気持ちが出てきてしまってひとつに選べない。

 書きたい作品はいっぱいあるのだが・・・例えば『センチメントの季節』もやりたいし『ちくちくウニウニ』も書きたい。『青い春』も外せない。『ダイの大冒険』は避けて通れないし『漫画道』ってのも面白いかもしれない。嗚呼、何を書けばいいのか。

 と小一時間ほど悩んでから、とりあえずまずは『おれはキャプテン』をレビューしてみよう、と思った。

おれはキャプテン 1 (1) (少年マガジンコミックス) おれはキャプテン 1 (1) (少年マガジンコミックス)
コージィ城倉

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 (どうでもいいことかもしれないけど)一応理由を記しておくと、まず僕が好きな作品で、②現在連載している作品で、③既存の枠組みの中からほんの少しはみ出ている作品という基準をクリアするものを選んでみたのだ。

 ①は言わずもがな、かもしれないけど、今後は逆に嫌いな作品や惜しいなーと思う作品も取り上げたいので、当たり前というわけではない。楽をしたかっただけだ。褒めるほうが楽だからね。

 ②は漫画読者たちが《これから読んでいきたい》作品を選べるようにである。当サイトのクロスレビューが雑誌連載作品を対象にしている理由と同じで、《将来性》を重んじるからだ。今後は連載終了作品も扱っていくけどね。

 ③も楽をしたいから、かな。王道だとか既存の枠組みの中で勝負しつつ、しかしはみ出た部分が優れている作品というのは、ある意味批評すべき部分が浮き彫りになっていると見ることができる。


 さて前置きが長くなったが、コージィ城倉作『おれはキャプテン』である。

 もう言っちゃったけど、僕これ好きです。面白いです。はい。実はこの作品、連載初期はマガジンに掲載されていたのだが、読者の人気がなかったのかマガジンスペシャルに移転したという経歴を持っている。しかし今でも連載が続いているのだからどう転ぶかわからないものだ。僕は個人的にスポーツ漫画の中では三本の指に入る面白さだと思う。もちろんその理由もこれから書くから安心してね。

 とりあえずマガジンに連載されていた頃の「中学生編」だけ簡単に概要を説明すると、主人公の中学生霧隠主将(キリガクレカズマサ)は大人しい性格でやる気のない野球部員だったが、それを憂慮した顧問の先生が彼を野球部のキャプテンに指名してしまう。「環境は人を変える」。カズマサは権力を手に入れたことによって独裁者のように振る舞い、そして野球部を改造してゆく・・・というような内容だ。

 この「改造」が面白い。「守備が命、ノックが基本」と言われる野球で守備練習をすっぱり切り捨て、攻撃重視のチーム作りをしてゆくという展開。一見、漫画においては平凡な奇策(なんじゃそりゃ)に思えないでもないが、その成果の出方が面白い。「ここ一週間雨が降らなかったからグラウンドはカチンコチンだ。球がよく転がるはずだから内野ゴロを打とう」などと眉唾なことをカズマサが言い出す。独裁的なカズマサに反発している部員たちはその言葉に疑問を持ちながらもしぶしぶ実行していく。まぁそれが上手くいったのかどうかは実際読んでもらうとして。

 僕も小学校時代野球をやっていたし、中学時代は剣道部だったが運動部には所属していたから分かるのだが、中学生の部活動なんてものは結構先生に言われた練習をそのまま実行するものだ。既存の練習法、昔から言われているセオリー、そういったものに疑問を持つことはあっても、わざわざ新理論を提唱して実行する中学生は少ない。中学生時代、「そんなもんかな」と自分を納得させて、流されるように部活動生活を過ごしたひとは多いはずだ。

 それが『おれはキャプテン』ではカズマサが好き勝手言って!実行して!させて!しかも試合で結構上手いことハマっている!

 これってちょっとしたエクスタシーだ。

 個々の《作戦》は単純なものなのにキャラクターたちが「これでほんとに大丈夫なのかよ」「あれ」「おいおい、わりかし上手くいってるぞ?」などと中学生らしく悩んでいるところなんか、《中学生の頃の自分》を見るかのようで苦笑してしまう。超人的なプレイをしたり、ツラい練習に耐えて友情が深まったり、なんてことは決して起こっていないのに、なんだか面白いのだ。


 強力な魔球もなく、熱いドラマもない、平々凡々な中学生たちの、それでも《中学生の頃の自分》とはちょっと違う漫画。

 エキサイティングとは言い難い作品だが、僕はいつも続刊が出るのが待ち遠しい。