1月22日発売のヤングジャンプの中から、レビュアー注目の作品をピックアップ!クロスレビューを試みます。
今回は『犬のジュース屋さんZ』と、『サムライソルジャー』を取り上げます。レビュアーは今週もナスギマサローと尾綿仁清ですよ!
今回は『犬のジュース屋さんZ』と、『サムライソルジャー』を取り上げます。レビュアーは今週もナスギマサローと尾綿仁清ですよ!
| 『犬のジュース屋さんZ』 おおひなたごう | 『サムライソルジャー』 山本隆一郎 | |
| ナスギマサロー | 「最後のハンサム」おおひなたごうは相も変わらず天才だ。回によって当たり外れは大きいけれど。『犬のジュース屋さん』は彼にしては《抑えてる》作品なのは間違いない。それを逃げと取るか、巧妙なマイナーチェンジと取るか・・・難しいところだが、間違いなく言えるのはコマ外の余白にタイトルコールが敷き詰まっていること。そう、まさに漫画の外側から『犬のジュース屋さん』は読むべき作品なのだ。「おいおいまたおおひなたごうが変なことやってるよ」と、作者と遊ぶような気持ちで読んでみるのが面白いのだと思う。彼の短編『遺伝子レベル剣』のように読者に対して「ついてこれるかな?」という遊び方だとほんとに置いてけぼりになることもあるので(笑)、やっぱりこの《抑え》は効果的な技だといえるだろう。 [8点] |
今号で表題の「サムライソルジャー」という単語が初めて口にされた。山本氏の前作のタイトルは『ゴールド』。「青春っちゅうのは・・・(中略)・・・多分 色は黄金色(ゴールド)やな」と、同じく作中で(というか第一話で)表題をナレーションに入れていた。別にこの手法をとやかく言う気はない。実際第一話目に表題を入れることでテーマを明確にする漫画は多いし、『サムライソルジャー』においてもこれから「サムライソルジャー」という言葉に対する謎解きが展開していくのだろう。だが僕はこの作者の創作法に、所々読者を過小評価しているふしがあるように感じられてならない。《分かりやすさ》に拘泥するよりも、各設定を《伸ばしきる》ことに力を注いでくれれば期待できるのだが。 [5点] |
| 尾綿仁清 | おおひなたごうはいまや現代日本のギャグマンガ界のリーダーであるといっても過言ではあるまい。『おやつ』の頃からの既存の枠組みに囚われない実験精神は止まるところを知らず、この『犬ジュー』において尚も貪欲な進化を続けている。 私は『犬ジュー』は新訳『ドラえもん』であると位置づける。基本構造において明らかに『ドラえもん』を下敷きにし、その上で彼一流のサイケデリックな作品世界を存分に展開しているのが『犬ジュー』だ。以前『ほがらかに!斎藤!』という短編で試みた実験に、ヤンジャンというメジャー誌で今一度挑んでいるということだろう。その意味でこの作品は日本ギャグマンガ界の記念碑であり、ラボでもある。特に今週は彼の狙いがケミストリーを起こした好例で、かなりの神回になっているので必読だ! [9点] |
サムソルは、ヤンキーを主題としたマンガである。しかしその価値観はあくまで相対的で、焦点は若者の友情・将来への不安・葛藤などにあてており、その点において所謂ヤンキーマンガとは一線を画している。従来のヤンキーマンガの持つ勢力図やら喧嘩シーンやらのワクワク要素ももちながら、クサすぎてちょっと赤面してしまうほどの感動要素も併せ持つ好感の持てる作品だ。 特に今週は、その表題にもなっている「さむらいそるじゃー」というキーワードに迫る重要回。いままで単なるサムいタイトルだと思っていただけに今週は不意打ちで、不覚にもちょっとグッときてしまった。今後加速を始めるであろうドラマに目が離せない。 [7点] |
総合評価
『犬のジュース屋さんZ』平均8.5点
『サムライソルジャー』平均6点