万休寺のブログ -4ページ目

万休寺のブログ

真宗大谷派万休寺のブログです

photo:01




散る桜
残る桜も
散る桜
良寛

NHKの子ども番組の「にほんごであそぼ」でたまたまみかけた
良寛さんの俳句です。

はやく散った桜も
今はまだ残って咲いている桜も
どの桜も例外なく散っていく

考えてみれば非常に当たり前のことを言っているようですが、

お釈迦様の説かれた教えの中に
諸行無常というのがあります。


世の中のすべての物事は常にうつりかわっていて同じ状態というのは続かないという教えです。

今咲いている桜もいつかは散っていかなければならない。

また、来年になれば桜が咲く


すべてのものが無常、うつりかわっています。

祖父の葬儀を終えたあとにこの俳句をみると
私より先に亡くなっていった祖父も
いま生かさせてもらっている私も
いつかは亡くなっていかなければいけない命をいただいている。


そんな言葉に感じられました。

前住職 田中正規が2012年4月18日に行年91歳で亡くなりました。

23日にお通夜、24日に葬儀が執り行われました。

たくさんの方にお参り、ご改葬、ご参列いただきまして、誠にありがとうございました。

また、たくさんの御香典ならびにご厚志をいただきまして、合わせて御礼申し上げます。

通夜、葬儀の慌ただしさの中であっというまに10日がすぎてしまいました。

おじいさまが亡くなった日には全く咲いてなかった桜がもう散り始めています。

穏やかなおじいさまに似合うような、穏やかな気候の中でおおくの方達に送られていったおじいさまは、大変幸せだったと思います。

一人の人が亡くなっていくということは、とても遠くへ行ってしまうという感覚とともに
こんどは一緒に生きていくというような、とても近くにいるような感覚が混在しているように感じました。

肉体としての別れは生と死の永遠にも近いような隔たりと
こんどは仏様として私に寄り添っていただく、見守ってくれるそんな感覚でしょうか。

ほんとうに皆様ありがとうございました。
photo:01


賜ったいのちに
お礼のいえる人生を
生きよう

これを今年度からの万休寺の教化テーマとさせていただきました。

私の好きな岡本太郎の言葉の中に
「太陽はすべてgive(ギブ)です。」
という言葉があります。

たしかに私たちは太陽になにも返すものはないけれども
すべての生きとし生けるものが
太陽の恵みをいただいていきていることに間違いがありません。

私たちが生きて行く時には
give&take(ギブアンドテイク)で
これをしてあげるかわりにこれをするということがほとんどだと思います。

しかし、私たち一人ひとりがいただいた「いのち」はすべていただきものであった、なにも返して行くことができない
いただきっぱなしの人生であった。
そのような考え方ができていく。

すべてのことにお礼がいえるということはそういうことでないでしょうか?


これから、このテーマを宗(むね)として仏法の教えを訪ねて行きたいと思います。