平成二十二年一月度 宝生月並能 | 能楽師 辰巳満次郎様 ファンブログ

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平成二十二年一月十日(日) 於:宝生能楽堂

 

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やぁ~っと、キャッチアップできました。日曜日の1月月並能です。
毎年、お正月はこの月並能の「翁」で清清しく今年のお能ライフを始めたい、と思っておりまして、さらに他のもう二つの番組が極めて魅力的だったので、迅速にチケットを確保しました。
(しかし、この写真は去年と角度が違うだけ、ですねぇ~。)
今回は、特に「鞍馬天狗」が久々に花見児を揃えての登場なので、脇正面のイイ所を発売日に確保して気合十分で参りました。
(一度「翁」で3分遅刻して中に入れなかった事があるので…。)

 

 

 

  「翁(オキナ)」

  シテ  高橋亘
  千歳  佐野弘宜
  三番叟 野村祐丞
  面箱  炭哲男

 

 

 

  笛    寺井宏明
  小鼓  曽和正博 住駒充彦 曽和伊喜夫
  大鼓  安福光雄

 

 

  後見  宝生和英 武田孝史

 

 

  地謡  高橋章 三川淳雄 田崎隆三 大坪喜美雄
       佐野由於 金井雄資 東川光夫 大友順

 

 

 

  狂言 「文蔵(ブンゾウ)」

      野村萬  小笠原匡

 

  能 「胡蝶(コチョウ)」

  シテ  三川泉
  ワキ  工藤和哉
  アイ  荒井亮吉

 

 

 

  笛   一噌仙幸
  小鼓  大倉源次郎
  大鼓  柿原光博
  太鼓  金春國和

 

 

  後見  渡邊三郎 中村孝太郎 藤井雅之 

 

 

  地謡  今井泰男 近藤乾之助 小林与志郎 小倉敏克
       朝倉俊樹 山内崇生 野月聡 水上優

 

 

 

  能 「鞍馬天狗(クラマテング)」

  シテ  當山孝道
  子方  波吉敏信
  花見  植島幹登 山内晶生 高橋希 渡邊真之助 水上達 小倉寛之 和久凛太郎 鶴田航巳
  ワキ  野口敦弘 野口能弘 野口琢弘
  アイ  小笠原匡 野村太一郎

 

 

 

  笛   藤田次郎
  小鼓  鵜澤洋太郎
  大鼓  亀井実
  太鼓  観世元伯

 

 

  後見  本間英孝 水上輝和 佐野登

 

 

  地謡  亀井保夫 前田晴啓登坂武雄 渡邊荀之助
       今井泰之 辰巳満次郎 金森秀吉 小倉健太郎

 

 

今年の「翁」は金沢色が濃いな~、というのが第一の感想。狂言方のせいですね。しかし東京で演じるのは初めて?と思うぐらいに緊張してらっしゃいました。(→特に面箱)
緊張しているのはなにも面箱ばかりでなく、シテ(翁)も、千歳も、三番叟だって緊張してました。その緊張が伝わって、見所のこちらもちと緊張。
緊張していない(ように見える)のはただ一人?、小鼓の曽和伊喜夫クン。なんと彼はたぶん中学生にもなっていませんね。頭取の曽和正博師のご子息だそうですが、なかなかどうして肝が座ってる、というか自然体でしっかり打ってます。この舞台で一番スゴかった…、のは実はこの子ではないかと思いました。
で「翁」を拝見しながら、来年はどなたがなさるのカナ~、なんて考えてました。次が少し空くなら、金沢の方が来て演ってもいいのになぁ…、と。

「胡蝶」も楽しみにしていた演目です。若者が演じるのもフレッシュで良いけれど、老いてこういう佳曲を観せてくださるのも得がたい魅力です。
そりゃあ、年をとれば声量はなくなるし足も弱ってくるのは仕方のないこと。でもそれを補って余りある軽味というか、そんなもん超越してしまった境地というか、本当に冬の蝶がよわよわと初春の梅花に戯れる歓びが伝わってくるようで、なんだか納得の一番でした。
前シテは、金色?の地に蝶と(梅以外の)花模様の唐織、後シテは天冠に蝶の飾りをつけて濃紫(濃い小豆色?)の長絹に緋の大口。
ちなみに「胡蝶」の間狂言をマジメに聞いたんだけど、いつもは冬の寒さで死んじゃうけれど珍しく暖かい冬だったから生き延びたんだろう、みたいなことを語っていて、妙に納得したのでした。

「鞍馬天狗」は、実はワタシはフルバージョンで見るのは初めて♪
なんといっても子方デビューの花見児たちが揃わなければ出せないんですものね~。それでもって、牛若を筆頭に最初の4人はデビュー済でかなり重要な役もこなしていますが、そこから先は初舞台のお子様たちで、皆小学校未満!最年少は三歳! もう~、小ちゃいです。牛若の半分しかありません!
もうもういぢらしくって~。それでも全員、泣く子も転ぶ子もなく、無事にお花見遠足を終えたのでした。よくドラマなんかで、子供と動物には勝てないっていうけれど、鞍馬天狗もちょっとそれかもしれません。