鎌倉能舞台四十周年記念特別公演 「乱能(ランノウ) 」 その3 | 能楽師 辰巳満次郎様 ファンブログ

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こちらは、不休で普及に励む宝生流グレート能楽師の辰巳満次郎先生♥に「惚れてまったやないかぁ~!」なファン達が、辰巳満次郎先生♥と能楽の魅力をお伝えしたいな~、と休み休み、熱い思いをぶつけるブログです。

 その2で、当日の感動っちゅうか楽しさが少しでも伝わっていたらば良いんですが、難しゅうございます。
 

 能「土蜘蛛」

 シテ  善竹十郎 
 頼光  佃良勝
 ツレ  善竹富太郎 善竹大二郎
 ワキ  安福建雄 柿原光博 大倉栄太郎 ????
 アイ  高野彰

 

 笛   野村小三郎
 小鼓  五木田三郎
 大鼓  佐久間二郎
 太鼓  中森健之介

 

 

 後見  山本則孝 ???? 
 地謡  國川純 大江照夫 吉谷潔 殿田謙吉 
      桜井均 梶谷英樹 山本則重 栗林祐輔 
     
これは特に楽しみにしてましたっ♪ 番組自体がハデで見せ場の多い「土蜘蛛」。さらにワタシに好きな善竹十郎師がシテで、高野彰師がアイ!
はじまる前から顔がニヤついてしまいました~。f(~-~;)
ちなみにワキヅレの立衆の予定だった佃良太郎師はインフルエンザでお休みだそうで、代役は鉢巻で眉が隠れているのでまったく顔がわかりませんでした…。

ちなみに今回の大鼓はプロ並の腕前、でお人柄もマジメそう。小鼓の方がお茶目で、懐からおもむろにアンチョコ本を取り出し、それをメモホルダーみたいなもので小鼓に付けて堂々と見ながら打ち始めます。もう~っ(> <)、イイ味だしてますッ♪

頼光が従者を連れて登場し、ワキ座におかれた一畳台の床机によりかかり唐織をかけて病に付している様子になります。ここへ侍女の胡蝶が見舞いにやってきます。この胡蝶はデカいですよ~。でもちゃんとツレの謡です。
従者と胡蝶が退場し、前ジテの僧侶登場♪ ああ~ん、善竹十郎師、スバラシイです。なんともいえない飄々とした味わい!
そして頼光と切組があって見事に蜘蛛の糸を投げて、前半が終了。さてここまでは全く普通でしたが…。

前ジテが退場しかかると同時にワキ(独り武者)が登場して、橋掛リですれ違うんですが、両方で警戒しあう振りがあってここでまた蜘蛛の糸を投げるの。
う~ん、なんて書いたらいいのか難しいんだけど、まるで小学生どうしが「イ~だ」ってやってるみたいなの。笑わせてもらいました~。

そもそもこのワキの独り武者がまたイイ♪
舞台に登場すると中央で頼光に礼をし、まず挨拶を述べるんですが最後に、
「どうしました?」
と普通に言うのがあまりにさりげないんで、虚をつかれた見所は大爆笑。そして事の次第を説明する頼光に、土蜘蛛退治を約束して再び、
「わかりました!」
味わい深いです。この方…♪

続いてアイ語りの(ワタシの好きな♪)高野彰師。これはお茶目なしの大真面目。ちょっと詰まって裏からヘルプが来たけれど、よくぞあんな長いセリフを覚えたもんです♪ 

さて、いよいよ後半。土蜘蛛の潜んでいる作り物(凝ったことにこれにももうイッパイ蜘蛛の巣がかかってる)が出されて、ワキの独り武者とワキヅレの立ち衆が登場。いよいよ切組が始まります。
引廻しが下ろされると、蜘蛛の巣で覆われた中にシテが平臥しています。
が、アレレなんだか蜘蛛の巣の中に朱色の糸があるぞ…?
実はワタシは気づかなかったんですが、友人曰く、この蜘蛛の巣の朱色の糸は「十ロー(十郎)」だったんだって~!!!!!
ひえ~、すご~い。

さてその後は、これまたハデに、蜘蛛の糸を投げるわ投げるわ、最後には着替え終わったツレ二人の息子さんたちが出てきて、バスーカ風のクラッカーから、金やら朱やらの蜘蛛の糸を大放出。十郎師はソフトに仏倒れして息子さん二人に抱えられて無事退場。老獪?なシテ&ワキにハートを鷲掴みされて、感動的な「土蜘蛛」も万雷の拍手で終わったのでした。
(この後は若手が総動員で舞台をお掃除…)

 

 

ちょっと力尽きました。まだ続く…。