風邪ひいた? 鵜ノ段~後の真ん中ぐらいまで。 | 能楽師 辰巳満次郎様 ファンブログ

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謡のお稽古もあと1回(後半の半分ぐらい)を残すのみとなりました。
この分だと9月中におさらいも含めて「鵜飼」が終わりそうです。

 

今回は「鵜飼」のクライマックスの「鵜ノ段」の地謡のところから、後半の真ん中ぐらいまで進みました。

 

 

後半は「閻魔大王」でバリバリ強吟なので、きばって大きな声(&閻魔大王らしい?ドスの効いた芝居がかった声)を出そうとちょい無理をして謡ったら、とたんにノドに来てしまいました。(ノドがあまり強くないので…)
そういえば、深夜の半身浴稽古で大声が出せない(←普通は誰も出しません)ので小声でしかおさらいできず、最初は謡うのに声が出づらい違和感があったので一層無理しちゃったんですね。
かなりガマンはしたのですが、途中からやっぱり、ンン、エヘンからゴホッ、ときまして、一度こういう咳がでちゃうともうダメで、途中から先生のお手本の時にコンコン、と咳き込んでしまいました。

 

 

お稽古が終わってから「風邪ひいた?」と先生。

 

 

 

強吟は未だに苦手でありまして、なかなかサマになりません。
それでも、こういう閻魔大王みたいな 「強いぞッ!」って感じのわかりやすい強吟 はまだ良いのですが、前回やった「芦刈」のクセみたいな語る感じの強吟は本当に苦手で、一句謡う毎に自分の首を傾げてしまいます。
プロのを聞くと、こう、うねるようなアナログな感じがあっていいな~と思うんですが、自分が謡うとモロにデジタル化されてしまい、情けなさ満点です。

 

 

 

ところで、宝生流の謡って(他のをほとんど知らないので何とも言えないのですが)なぜか悲惨な場面とか怨みまくる場面とかで、以外にも弱吟になりますね。
前々回にお稽古した「熊坂」も途中で義経に思いがけず斬られてから絶命するまでは弱吟になるし、「善知鳥」なんかも地獄で責め苦にあっているところは弱吟です。
見所で聞いていると、弱吟のメロディーが劇的効果を高めているようにも聞こえます。悲惨さや怨みの恐ろしさの裏にある哀れさなんかを表現するためなのかな~。

 

 

「鵜ノ段」は弱吟です。そして弱吟の花形は「ウキ」!
(ワタシが勝手にそう思ってるだけですが…。)
「ウキ」とは簡単に言えば「♯(半音上ガル)」って感じで、謡を最初に習った時にも真っ先に憶えた節です。

 

 

しかし、未だに感覚的にしか長さを掴めない「ヤヲハ(フェルマータかな?)」とかで「ウキ」が来る時の謡い方がうまくできません。

 

 

たとえば「鵜ノ段」で

 

 

    隙ァなくぅ魚を食ふ時は~~~~アぁア。  

 

 

って箇所は、最後の「は」を一定時間伸ばしてから、最後に母音の「あ」で半音上げて一度緩めてからまた上げて終わる、って謡い方をするんですが、この緩め方が微妙で、ワタシが謡うとめちゃくちゃマヌケな感じがするのです。はぁ~。

 

 

なんとかしたいものです。