八月 宝生夜能 | 能楽師 辰巳満次郎様 ファンブログ

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平成二十年八月二十六日(水) 於:宝生能楽堂

 

能「氷室」

 シテ 登坂武雄
 ツレ 高橋憲正
 天女 當山淳司
 ワキ 高井松男 梅村昌功 御厨誠吾
 アイ 吉住講

 

 

 笛  寺井宏明
 小鼓 鳥山直也
 大鼓 原岡一之
 太鼓 小寺佐七

 

 

 後見 中村孝太郎 金井雄資

 

 

 地謡 寺井良雄 當山孝道 田崎隆三 朝倉俊樹
     藤井雅之 大友順 和久荘太郎 東川尚史

 

 

 

狂言「蟹山伏」

    野村万蔵 野村扇丞 高部恭史

 

 

 

 

能「半蔀」

 シテ 渡邊茂人
 ワキ 野口敦弘
 アイ 小笠原匡

 

 

 

 笛  藤田朝太郎
 小鼓 鵜沢洋太郎
 大鼓 上条芳

 

 

 後見 渡邊荀之助 佐野由於

 

 

 地謡 近藤乾之助 宝生和英 前田晴啓 武田孝史
     佐野登 山内崇生 水上優 川瀬隆士

 

 

 

 

 

 

八月の夜能に行きました。
毎年、これで(ワタシの)お能シーズン開幕、という感じなんですが、来年からはどうなるんでしょう。

 

 

 

 

 

 

狂言はいつものように特にはコメントしませんけれど、とっても良かった(つまり面白かった)です。
特に山伏の強力を演った高部恭史さん(ワタシの中では笑点の山田隆夫クン似)が蟹の精に耳を挟まれて痛がるところなんて何とも言えずGoodでした。
⇒追記:マチガイでした。高部恭史さんではなく野村扇丞さんみたいです。スミマセン。

 

 

今日のお能二番はどちらもシーズン物ですね。
実はかなり寝不足なので、特に半蔀で起きていられるか心配だったのですが、ちょっと寝ちゃったのは、氷室、の方でした。

 

 

氷室は最近、人の舞囃子のお稽古をかなりしつこく見ていたのでちょっと馴染みがあったのですが、今日のシテに合わない演目ではと懸念がありました。
このシテで何年か前に藤戸を拝見したことがあるのですが、このシテの謡い方がある意味で藤戸の前ジテの雰囲気に妙に合っていました。何というか(身分の低い漁師の老母だから)ハッキリと抗議できないんだけど諦めきれずにグジグジと愚痴を言う、みたいな感じがアリかな、と。(渡邊荀之助師とは全然違う味ですけれど。)
しかし前回の春日龍神で感じたように、今回の氷室もやっぱりこのシテに合う演目ではありませんでした。
前ジテのツレとの同吟ではツレがかなり合わせてるなぁ~、と思ったし、ツレや地謡との掛け合いでも、相手がノって謡ってもシテはあくまでマイペースで「掛け合ってないじゃん!」と思うばかりです。
何かもっと合う演目をすればイイのに~。
で、中入り以降、トリップしてしまったのでした。m(_ _)m

 

 

 

今日の楽しみは何といっても半蔀です。
前回の「乱」以外の舞台は見損なっているので、かなり楽しみにしていました。
前ジテは唐織を着附けにして登場、この方も本当に姿が良いです。この立ち姿だけで充分って感じで、見所も空気が変わりました。それで本当に良く透る声です。面越しなのにそれをものともしない感じ。オペラで言えば、リリコ・スピントって感じの声でしょうか?
ただワタシの中のイメージの半蔀はもっとはかない透明な感じがあるので、どちらかと言えば芯の強い女、って感じを受けました。
後ジテも本当に美しかったです。
長絹は白でなく、緑がかったブルー(日本の色というHPで http://www.colordic.org/w/ で探すと新橋色というのが近いのかも)で新しいものなのかピンピンした感じでした。金箔で裾には露芝、胸・背中・袖には格子に花(夕顔なんでしょうかね~)です。
この色の長絹のせいか、後ジテも若くてモダンな感じ。しかし謡も良いし所作も美しいし袖の扱いも優雅で、うっとり。寝る暇はありませんでした。次回のシテも要チェックですね。楽しみです。
あと、今回地頭が近藤乾之助師でもっとシブい地謡かと勝手に想像していましたが、お家元が副地のせいか、割合と元気の良い?地謡だったように思いました。

 

 

 

 

さて、今は涼しいけれど来月は残暑もキビシイらしいです。
今日の能楽堂は冷房がひときわ効いて、足も冷え冷えでした。