能楽現在形 劇場版@世田谷(その4) | 能楽師 辰巳満次郎様 ファンブログ

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こちらは、不休で普及に励む宝生流グレート能楽師の辰巳満次郎先生♥に「惚れてまったやないかぁ~!」なファン達が、辰巳満次郎先生♥と能楽の魅力をお伝えしたいな~、と休み休み、熱い思いをぶつけるブログです。

能「舎利」 

シテ 里人/足疾鬼 金井 雄資
ツレ 韋駄天     辰巳満次郎
ワキ 旅の僧    宝生 欣哉
アイ 寺の能力   野村 萬斎
笛  一噌 幸弘
小鼓 成田 達志
大鼓 亀井 弘忠
太鼓 観世 元伯

後見 宝生 和英 →舞台上にはいなかった?
    渡邊荀之助 →舞台上にはいなかった?

地謡 武田 孝史
    朝倉 俊樹
    佐野  登
    山内 崇生
    和久荘太郎
    亀井 雄二


実は舎利は初めて見るお能です。((o(^-^)o))
なんと言ってもこのシテとこのツレで期待するな、と言うほうが無理というもの。

今度は舞台の上に寺の伽藍を思わせる格子形状の屋根?が…。さらに(知らないので多分)正先に置く舎利が一番高い位置(スロープの頂上)にスポットライトが当たって置かれていて、そこが蔵の中、という想定。
アイはワキ僧の頼みを聞き入れ、正面に向かいガラガラと扉を開きます。スロープ頂上の舎利をワキ僧に示したらそのお宝を恭しく取りにゆき、正先に据えます。
アイの退場後、いつの間にかシテが…。ここまでは正面舞台(室内の設定なので割と暗い)以外は本当に暗いので、シテが急に現れたように見えて怪しさイッパイです。
ついにシテが正体を現わして舎利を抱えると、轟音と共に格子(橋掛リ部分以外)の天井が落ち、シテはスロープを駆け登ってから(かんらかんらと笑いながら?に見えた)下手に消えます。

ここでアイ再登場!
いにしえの足疾鬼の執念ならば再び韋駄天よ、いでさせ給えとワキ僧と共に祈ります。すると…

ホリゾントに時空が歪んだような映像が流れ、稲妻が光った瞬間…、おおおぉぉ、韋駄天@辰巳満次郎師のお姿がぁぁぁ!カッコイイィィィ~!祈りを聞き届けた韋駄天が現れたのでしたぁ~!
(ここでは姿を見せただけ。思わず絶叫しそうだったワタシ…。スミマセン。)

そこから先は人間の目には見えないので、ワキ・アイは静かに退場、天井も静かに撤収され、いよいよシテ足疾鬼VSツレ韋駄天の戦いです。
なんでも異次元に入る感じを出すために、お囃子も音響効果で揺らぐ感じを出してもらったのだとか。
また舞台も光の柱の壁のよう上段の橋掛リ沿いに照明が工夫されて、効果満点です。

シテ&ツレは縦横無尽に舞台を暴れまわります。あんな暗い段差&スロープでよくぞ動けるものだと感動!
その上、一畳台2段分の段差を飛び降りる~、飛び上がる~、スゴイです。

最後のポストトークで金井雄資師が、立ち回りの型を辰巳満次郎師といろいろ考えて作った、昔の能作者も同じように考えて作ったのかと思うと感慨深い、という趣旨のことをおっしゃってました。納得です。

とにかく純粋に楽しんだ次第。今回の演出はハマってました。
次回のこの企画が何を持ってくるのか、期待満々、次回もゼッタイ行きます。