能楽師 満次郎のメルマガ「能にみる日本人の文化」 その23 能の様式その5 | 能楽師 辰巳満次郎様 ファンブログ

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こちらは、不休で普及に励む宝生流グレート能楽師の辰巳満次郎先生♥に「惚れてまったやないかぁ~!」なファン達が、辰巳満次郎先生♥と能楽の魅力をお伝えしたいな~、と休み休み、熱い思いをぶつけるブログです。

みなさま、こんにちは。西 久美子です。

辰巳満次郎先生のメルマガ・アーカイブ、第23弾をお届けいたします。
この号は、平成22年5月29日に配信いたしました。
どうぞ、お楽しみください。


不安定なのは気候ばかりでなく、「罷免」だの「辞職」だの、政情にも…。
株価にも、景気にも作用するとなると、いい迷惑です。

我々の世界には幸か不幸か、よっぽどの事がないと「辞職」も「リストラ」もなく、自己管理が大きなウェイトを占めます。
勿論、「ぬるま湯」に浸かりっぱなしで成り立つ程、甘くはありませんが…。

危機感をやたら煽る訳ではありませんが、危機管理が無さすぎるのが日本国全般かと心配です。
抽象的ですが日本文化が一つの砦になるかと思っております。

能の様式美のひとつに「扮装」があります。

能では衣装のことを装束と言います。
古典・現代含めて芸能ジャンルで唯一、能が「装束」と呼ぶのは何故か?
神職、相撲の行司、刀匠などの正装も装束と言うように、能の原型が祭祀的なものであったことが由来していると思われます。

今回から装束について、ご紹介してまいりましょう。

五番立て(神男女狂鬼)の順に色々な扮装の様式をお伝えする事にしましょう。

「神」は若い姿が通常です。

前半(前シテ)で老人に化身していても、本体は何百歳であろうとも、若き神体です。

男神の場合は、
 面は基本的に邯鄲男(かんたんおとこ)を使い、
 紅入り厚板(いろいりあついた)
 白大口(しろおおくち)
 袷狩衣(あわせかりぎぬ)を着用、
 隙冠(すきかんむり)を被ります。

「紅入り」は「色入り」とも書きますが、赤色が使われている、という意味で「若さ」を表します。
「厚板」とは厚い生地に男性的な文様を用いた着付のこと。
「大口」とは普通の袴と違い、後ろ側が大きく膨らんだ袴です。
「袷狩衣」は紺色地に金糸で鳳凰や桐など吉祥模様を施したものが基本です。
「隙冠」とは黒漆地の冠で文様型にくり貫き、透けて見える為にこの名があります。

男体神の扮装は様式化され、例えば
「高砂」「養老」「弓八幡」「志賀」「松尾」
など皆同じ格好です。
 ※ここからジャンプして、能楽夜話「神々の装束」の写真1をご覧ください。

他に人間の形をしない男神に「龍神」があります。

どの龍神も、
面は黒髭、赤頭に龍台を被り、紅入り厚板、半切、法被です。

黒髭は龍神の顔ですが、更に龍台という龍の被り物をつけます。
半切とは大口に色や文様がついたもので人間には使いません。
法被は厚板の上に上着として着用します。
 ※ここからジャンプして、能楽夜話「神々の装束」の写真7をご覧ください。


次回は女神です。

辰巳満次郎



kumiko

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