能楽師 満次郎のメルマガ「能にみる日本人の文化」 その22 能の様式その4 | 能楽師 辰巳満次郎様 ファンブログ

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こちらは、不休で普及に励む宝生流グレート能楽師の辰巳満次郎先生♥に「惚れてまったやないかぁ~!」なファン達が、辰巳満次郎先生♥と能楽の魅力をお伝えしたいな~、と休み休み、熱い思いをぶつけるブログです。

みなさま、こんにちは。西 久美子です。

辰巳満次郎先生のメルマガ・アーカイブ、第22弾をお届けいたします。
この号は、平成22年5月22日に配信いたしました。
どうぞ、お楽しみください。


相変わらず、寒いのか暑いのか不順な気候です。
「さわやかな」皐月は殆どなかったような感じでございます。

世界でもっとも季節に敏感な日本人も、このままでは、言葉のみの24季節になる危機を感じます。
古来、季節が日本人の文化に、大きな影響を及ぼして来たのですから…。

能の世界では、舞台上で歩み出す場合、法則があります。

まず、両足が揃っていて、両手も常の状態で、いわゆる基本の構えの場合は、左方優先法則、左足からスタートします。
どちらかの手、例えば右手が上がっていれば右足から出ます。

右手が上がっている状態では、身体をまっすぐに保つ為に反対側の左足に重心があるので、軽くなっている右足から出るのですね。

止まるときも同様、常の構えならば左足止まり、右手が上がったままなら右止まり、これは右側に引かれる状態では右足で踏ん張る必要があるからです。

両足が揃っていない状態、つまりどちらか一方の足が前に飛び出ている場合、その足から必ず動きます。

ほんの一例をご紹介致しましたが、まだまだ運動力学上の身体が納得できる法則がたくさんあり、決して崩すことのない事は、実は伝承の世界には大切であり、伝えやすい事であります。

ひとつの「様式」を生み出す「運動力学」のお話でした。

辰巳満次郎



kumiko

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