能楽師 満次郎のメルマガ「能にみる日本人の文化」 その15 能の前衛性 『空』 | 能楽師 辰巳満次郎様 ファンブログ

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こちらは、不休で普及に励む宝生流グレート能楽師の辰巳満次郎先生♥に「惚れてまったやないかぁ~!」なファン達が、辰巳満次郎先生♥と能楽の魅力をお伝えしたいな~、と休み休み、熱い思いをぶつけるブログです。

みなさま、こんにちは。西 久美子です。

辰巳満次郎先生のメルマガ・アーカイブ、第15弾をお送りいたします。
この号は、平成22年4月2日に配信いたしました。
どうぞ、お楽しみください。


早くも新年度、4月に入りました。
桜も見頃を迎えましたが、花雨、花冷えにお気をつけ下さいませ。

さてさて、「能の前衛性」でございます。

能をご覧になった方は御承知の事ですが、未だ観ぬ御仁であられても、このメルマガを読んで来られた方なら既に、
「能舞台ってほとんど何もない空間」
である事はおわかりでしょう。

そう、舞台は「空」であります。

演者が誰も居ない場合には「空(から)」であっても、
演能中は「空(くう)」であります。

はい、「色即是空」の「空」であります。

つまり「無」ではない「空」は「空間」として成り立ち、小宇宙空間をも感じさせているのが能舞台での能の実演であります。

観客に想像力を必然とさせ、想像のヒントを与えたあとは、最終的に観客にお任せするのです。

「あれ、ご覧ぜよ、天も花に酔えりや」と何のセットもないところで言い放し、舞台上に見えない建物や部屋が幾つもあり、1メートルしか離れていない役者同士がお互い違う空間に存在して知らんぷりしてたり。

もっとわかりにくいシチュエーションもありますが、それが当然の如くに能はマイペースな態度で貫いております。

セットを使えばわかりやすいが、見たまんまで、結局は楽しみは制約されるのではないか。

「空」の中には無限の「有」があるという発想 …

お客様にはそれを観ていただきたいのです。

辰巳満次郎



kumiko

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