それでは「道成寺」レポまいります…、と考えてふとWEBを検索してみたところ、
なんと東京新聞にも記事があったのですねぇ。
全文(と言ってもちょっとしかないけど)をそのまま引用させていただきますと…
大曲「道成寺」に高橋憲正が挑む 2011年7月23日
能楽・シテ方宝生流の若手、高橋憲正(35)が、二十四日正午から東京・宝生能楽堂で大曲「道成寺」の初シテに挑む。三月「春の別会能」で上演予定だったが、東日本大震災で延期になっていた。
「“加賀宝生”の血を大事にしたい」という金沢市生まれ。父親は同地で活躍する高橋右任(ゆたか)。東京芸大を卒業して宝生宗家内弟子となり、三年前に独立した。
お笑いタレントのはんにゃ金田そっくりの色白面長。「震災で待たされましたが、その分けいこを積みました」と顔を引き締める。「レンズを通して見る舞台が大きく、筋がいい」と同流の亀田邦平カメラマンは期待する。
きゃ~、ここでも「はんにゃ金田」だぁ~!
しかし「道成寺」の初シテに挑むってのもナンダカ…。
まあ、東京新聞のことはさておき、「道成寺」レポ、まいりましょうか。
まり子が今回なんで正面にしなかったのか…。
それは正面の良さそうな席がナカッタからなのですよ。出足早かったですね~、
この別会チケットは…。
でもイロイロ見える脇正面で、ばっちり楽しみました。
「道成寺」では、囃子方が舞台に入ると続いて地謡が、そして鐘を吊るオトコ達
(鐘後見)が入ってまいります。
いつも地謡が8人座るところに、10人(地謡6+鐘後見4)が座ってぎゅうぎゅ
うな感じがこれまたステキ



鐘後見筆頭は宝生和英家元ですが、筆頭は笛のちょっと後ろあたりに着座するので、
まり子の席からは見えません。
辰巳満次郎様

きゃ~、前日お見かけしたばかりだけど、やっぱりステキ~!
全員着座すると狂言方が鐘を舞台に運びいれます。(前後二人&サポートに左右二人)
直径10センチぐらい(もっと?)ありそうな太い竹(これに鐘がぶら下がってる)
を両手でアタマの上に持ち上げ、さらには背伸びまでして、ほとんどよちよち歩きで
重い鐘(100キロ近くあるらしい)を揚幕から舞台中央まで運ぶんです。
(背伸びは敢えてするらしいけど…)
舞台中央に鐘が置かれると、重たい鐘を運んできた狂言方(後ろ側)は、今度は鐘に
巻きつけてある鐘を吊る縄(鐘の布と同じ布でくるまれている)を解いて、縄の先の
輪になっているところを竹竿の先に挟んで、縄をぐるぐる竹竿に巻きつけます。
これがホントに蛇が巻き付くように見えます。
そういえば鐘を吊る縄も竜頭に巻きつけてあるし、すでにこの時点から鐘は蛇に巻き付かれているんですね~。(今まで全然気づかなかったけど…、確かにヘビだわ…)
竹竿に縄を巻きつけたらわざわざ座って、今度はこのためだけに使う天井の輪に竹竿で
縄の先の輪を通し、もう一人の狂言方(前側)がやっぱり座って、引っ掛ける金具が付
いている竹竿で縄の先の輪をとらえて、縄を引っ張り下ろします。
さあ、ここからが鐘を吊るオトコ達(特に満次郎様

笛座のすぐそばにある輪に縄を通したら、満次郎様

ふんっと、両足ひらいてかなり腰を落として踏ん張り、その後ろから水上優師が袴と
帯の間を手をぐいっと入れて満次郎様

縄をはさんで反対側では野月聡師が満次郎様

要は、鐘と綱引きをする要領です。
全力で引いてます、引いてます。
満次郎様

オーエス、オーエス、…なんぞとおちゃらけられません!(←アタリマエ)
こうして鐘は見事に上がり、お家元と小倉伸二郎師が必死こいて笛座のすぐそばにある輪に縄をくくりつけて安定させている間、満次郎様

「道成寺」があるたびにこの光景を見るんだけど、何度見てもドキドキです。
ラブ

さ、こうしてやっと「道成寺」が始まります…って、すでにかなり長くなっち
ゃったので、いったん「前編」として締めたいと思います。
それにつけても、鐘を引っ張りあげる満次郎様

ぜひ一度は見ておくべきよ~!
