肌寒いぐらいの日々ともお別れ…。
再びギラギラ…

いろいろご報告したいことが準備中のまま溜まってはおりますが、まずは日曜日の待ちに(4ヶ月も!)待った、春の別会能<第1日>のご報告をしたいと思います。
三月だったら、春だし道成寺だし桜だし…、あのピンクの江戸小紋を着ていこうかな~、と当時は思っていたのですが、今回は夏だしアッサリと着物を諦めました。
でも、まる子はちゃんと一つ紋の絽の色無地…、えらいっ

さて、てっきり中正面の席だったと思い込んでいたまり子は、行きの地下鉄の中でチケットを確認してみて仰天!
なんと脇正面の席ではありませんか…。
そしてちょと遅刻しちゃって前シテがもう登場していた「頼政」…。中途入場はマズイ…。
でもまり子の席は橋掛リから2番目、隣の人が来ていなければすぐ座れる位置だった…のですが、当然その方(着物を着たご婦人)はもう来ていらっしゃいました。
ショ~ガネェ(←遅刻したクセに!)中入りで自分の席に座るか~、と一番橋掛リ寄りの一番後ろの席に暫定着席して「頼政」前半を鑑賞しながら、自分の座るべき席をチェックすると、なんとまり子の隣の席に座っていたのはまる子!でしたよ。
四ヶ月も経っちゃってたから、一緒に席を選んだのも忘れちゃってたんですね~。
中入りで間近におシテ様を拝見してから、席を移動…。
大阪以来ね~、まる子チャン!
さて、この日の狂言方はまり子の大好きな山本家!
だから間狂言だって、寝ないで聞きましたわよ~!
さて「頼政」の後半は、源三位と呼ばれた源頼政が打倒平家で挙兵したけど、武運つたなく、力尽きて討ち死にした様を幽霊となって出てきて語るもの。
この日のおシテ様の金森秀祥師は非常に姿の良い方です。
まり子の持論としては、姿の良い能楽師にハズレ無し!なのですが、今のところ例外ナッスィング!
「頼政」はシテが武将といえども老人なので、かなりの時間を床机に腰掛けての仕方話し(海人の懐中之舞や、熊坂の床几之型に通ずる)に費やします。
これがまた、イイ形なんだなぁ~。正面の席から観たかったなぁ。
そして辰巳満次郎様

狂言の「子盗人」は、博打ですってんてんになった男が金持ちの家に盗みに入ったところ、あまりに可愛い赤ちゃんがいて思わずあやして見つかっちゃうというお話。
山本東次郎師

「隅田川」は武田孝史師。
最初から分かっていたことではありましたが、泣けました…。
もともと可哀想なお話なので、船頭の語りだけで(だいたい)見所はシテの心情とシンクロします。
知らぬこととは言え、捜し求めた我が子の死の有様に絶句し涙する母に向かって「やさしいお心」と声を掛ける船頭の残酷さ…。
武田孝史師の謡は自在に梅若丸の母の心情を表現して、聞くだけで涙が止まりません。
かけている面(曲見?)の顔も涙で目がつぶれたかの如くに見えます。
(あ゙~、思い出しただけで泣けてしまいますよ…(ノ_・。)
亡くなった梅若丸が亡霊で現れる(子方)なのだけれど、この舞台だったら「子方」出さないバージョンはアリだな~、と本気で思いました。
そして母は、最後に小さな塚(子方サイズの作り物)をそっと抱いて塚のてっぺん(草の生えているトコロ)を優しくそっと撫でるのです。
そして、悲しみに胸つぶれた母は、うなだれたまま(モチロン留め拍子なんて無く)舞台から去ってゆきました。
橋掛リを歩む武田孝史師は、未だ梅若丸の母のまま…。
ソレナノニ!
ソレナノニ!
万雷?の拍手ってナニ!
誰だよ、最初に拍手したの!
まり子(まる子も?)怒りの鉄拳!を振り上げるのはちょっとがまんして、梅若丸のお母さんを静かに見送りました。
そしていくら子方が入ってるからって、小塚(作り物)への拍手には失笑…。
ああ~、辰巳満次郎様

それ見たら、なんか、まり子号泣するかもしれない…。
そして「道成寺」は…、次の記事にいたします。
まる子とも話してたんだけど、「道成寺」の直前の能が「隅田川」ってかなりヘヴィ~。
お腹イッパイ堪能した、春の別会能<第一日>の、ご報告(の一部)でございました。
