今日は2月11日の祝日、建国記念の日、でございます。
なんと、初代天皇である神武天皇が即位した日を日本の建国の日としたという、昔は紀元節と言われた日であります。
『日本書紀』によれば、神武天皇の即位日は「辛酉年春正月、庚辰朔」で、すなわち1月1日となるそうです。
しかも『日本書紀』から逆算するとB.C.660年になるんですって!
)゚o゚(
すなわち今日は、プレイバック満次郎「翁」と「千歳」を記事にするのに相応しい日、なのです。
12日の七宝会でも最初に「翁」の素謡もでることですし、実は先月から引っ張りに引っ張った記事がやっと日の目を見る訳でございます。
さて辰巳満次郎様が「翁」を月並能で披かれたのは、確か一昨年前だったかと思います。
そして同じ年にあまり間を空けずに関西の、確か「至芸の会」だったと思いましたが、そちらでも「翁」をお務めになられてます。
関西での「翁」は観に行けませんでしたが、月並能はバッチリ観に参りましたよ。えっへん。
確か、正面の後ろの方の席でした。
なので全体が良く見えた記憶があります。
当然、満席でした♪
満次郎様はそりゃあ立派でしたよ~。
「雲林院」の時にも思ったけれど、狩衣&指貫姿がチョ~似合うんです。
「翁」の狩衣は蜀江文様というのだったか、色合いもシブく格調高い装束であります。
務める方の個性を反映してか、同じ「翁」でも、微妙に印象が違うのですが、辰巳満次郎様の「翁」は一言で言えば、
「謙虚」
そのものでした。
「謙虚」というと、なんとなく一歩退いている印象がありますが、満次郎様の「謙虚」は違います。
満次郎様の謙虚は「零」であります。
何もない「零」という意味ではなく、ニュートラルと言う意味の「零」…。
だから面を着けた瞬間に神が降りた、という感じを強く受けました。
神と一体となった満次郎様がゆっくりと舞台を回り、朗々と豊かに響く声が祝福を謡います。
静かで圧倒的なパワーで、能楽堂の隅々まであまねく祝福を与えた神は、満次郎様が面を外すと同時に消えました。
「翁」の翌年、福岡での宗家継承披露能では、満次郎様が今度は「千歳」を務められてます。
やはり「謙虚」に尽きる「千歳」…

「千歳」の役割は「翁」登場の為の露払いです。
場を浄め、神を迎える準備をする大切なお役…。
ここでもニュートラル満次郎様は、この大切なお役に徹します。
たとえばトラクターで、徹底的にその場を更地に変える印象の千歳…。
(モチロン、乗ってるトラクターは赤でしょう♪)
う~ん、鉄腕アトムだったら、ガロンのイメージ♪
ガテン系ではありますが、それがカッコイイんです~

トコトン謙虚にして忠実、それが満次郎の「翁」と「千歳」でありました。






