昨晩、会社帰りに神田明神に寄ってみました。
屋台とかはもう店じまいする時間帯でしたが、仕事始めのあとに新年会したとおぼしきサラリーマンが大勢、神田明神境内にお酒のニオイをぷんぷんさせながらたむろしておりました…。オイオイ…。
プレイバック満次郎、第2弾は「東北」です。
これ「トウボク」と読みますのよ。
なんで濁音になるのかは不明なんですが…。
実は辰巳満次郎様の「東北」については、ポッドキャスト上で散々放談しております。
色っぽい~、とかセクシー、とか…。
敢えて記事に取り上げなくてもいいかな~、とは思ったんですが、一月の月並能でも出るし、二月に今年最初の七宝会定期能でも出るし、なので取り上げてみることにしました。
「東北」のあらすじはこうです。
東国より上京した僧が、東北院の庭で今を盛りと咲く梅を眺めて、
「これが有名な和泉式部の梅かぁ」
と独り言を言うと、どこからともなく美しい女が現れて、
「梅はね、好文木、あるいは鴬宿梅っていうのよ。和泉式部の梅と言い方は正しくないわね。言うなら軒端の梅と言って欲しいわ。」
と言います。
イナカモノの僧はちょっとビビりますが、女に、
「この梅はね、和泉式部が植えて軒端の梅と名付けたの。毎日飽きること無く眺めていたのよ。アナタもこの梅を眺めてる…。梅の花の縁たと思って読経したら、何かイイコトあるんじゃなぁい。」 (チョ~チョ~歪訳)
と言われると、僧はちょっと安心しました。
すると女は、実は自分が梅の主なのよ、と言い残して姿を消します。(中入)
トコロの者に詳しい話を聞いた
僧は、梅の木陰に坐って一所懸命に和泉式部を供養していると…。
朧月夜の闇の中から在りし日の姿で和泉式部の霊が現れ、和歌の功徳を説き、舞を舞い、静かに消えたのでした、というもの。
この記事を書くにあたり、ネットをイロイロ探してみると、こんなページがありました。
http://www.hi-ho.ne.jp/kyoto/nokiba.html
東北院の軒端の梅って、白梅だったんですね~(゚o゚)
まり子は、和泉式部のイメージ、辰巳満次郎様のおシテの印象、その両方から、てっきり紅梅だとばかり思っていました。
紅天女と重ねてたのかも…。
いやいや、後シテの長絹の色(概ね紫色系統)からのイメージか…。
実はまり子は、この曲、一度お勉強しております。
謡と、そして舞囃子と…。
なので国立能楽堂にも記録映像を2本!観に行きました。
おシテは、故松本恵雄師と高橋章師。
そういえば、松本恵雄師は白い長絹だったような…。
高橋章師は鮮やかな紫色の長絹でした。
辰巳満次郎様の長絹は…、実は全く記憶にないんです。
紫色系統だったようにも思うし…、そうじゃなかったようにも思うし…。
「半蔀」の時の後シテはハッキリ映像として記憶に残っているのに、「東北」の後シテに関しての記憶は映像ではないんですよ。ん?梅の香…?
春の夜の闇はあやなし梅の花
色こそ見えね香やは隠るる
この凡河内躬恒の歌が、今は歌舞の菩薩となった和泉式部が静かに静かに舞う、序ノ舞の前後で謡われると、このあたりから、空気の密度がぐっと増したようになって…。
そう、フェロモンよ、フェロモン!
梅の名は満次郎、又は満祝梅などとこそ申すべけれ。キャ~♪
ああ~、まり子は当時勉強が足りて無かったから、映像として記憶に残らなかったのかもしれません。
それとも色香満次郎様のイロカに惑わされてシマッタとか…。
くそ~、もう一回、と言わずに何回でもまた観たい~!!!
ちなみに、東北院は桓武天皇の平安遷都の時に、平安京の守護として、表鬼門(艮(ウシトラ)=東北の方角)に弁財天を祀って建立されたそうです。
このことは、クセの歌詞に盛り込まれています。
そうか、弁財天×和泉式部×辰巳満次郎、だったらクラクラきて当然ですわいなぁ。
