プレイバック満次郎「高砂」 | 能楽師 辰巳満次郎様 ファンブログ

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こちらは、不休で普及に励む宝生流グレート能楽師の辰巳満次郎先生♥に「惚れてまったやないかぁ~!」なファン達が、辰巳満次郎先生♥と能楽の魅力をお伝えしたいな~、と休み休み、熱い思いをぶつけるブログです。

まり子です。

今日は1月4日、仕事始めです。
実質、2011年は今日から始動と言っても過言ではないでしょう。
まり子も、初日からガチでございます。
しかし、今日までお休みの方も多く、職場は静かでかえって仕事がはかどるというものです。

しかし、暦の上ではまだ松の内、なのでブログの記事もちょっと松の内っぽくしようかなぁ、と思いまして…。
そして、過去に拝見した辰巳満次郎様の舞台の記憶を振り返る「プレイバック満次郎」…、シリーズなのにまだ第1弾、記事がたった1件なのに意気込みだけでシリーズにしてしまったこの無計画さよ…。
と、ちょっと反省しつつも、1月は正月、正す月のうちに、続きを三連発アップしようと思います。

まず、振り返るのは「高砂」ですよ。

「高砂」といえばアナタ、お能の中でもあまりに有名、誰もが何となく知っているけれど詳しくはよく知らないという、非常に格の高い不思議な脇能であります。

 高砂やこの浦船に帆をあげて
 月諸共に出で汐の
 波の淡路の嶋陰や
 遠く鳴尾の沖すぎて
 はや住之江に着きにけり

この結婚式によく登場する部分は、実は前半と後半の間にワキによって謡われるものです。
で、なんで結婚式で謡われるのかというと…、それが「高砂」の前半のお話に由来するのですが…。

「高砂」とは地名でございます。
現在の兵庫県高砂市の高砂神社に、相生(アイオイ)の松と言う松があるそうです。
相生の松とは、黒松(♂)と赤松(♀)が1つの根から生え出た松のことで、常緑樹の松は永遠や長寿を象徴するし、さらに相生となると縁結びや夫婦の和合の象徴とされそうです。

比翼連理と言うけれど、根っこが一緒なんだから、相生の方が絆は強いに決まってますね。
高砂神社の境内に1つの根から生えた雌雄2本の幹をもつ松は、尉(イザナギ)と姥(イザナミ)の2神が宿る松と言われています。


春うららかなある日、九州は阿蘇から上京の途中の神官御一行(ワキ)様は、この相生の松の周囲を掃き清める不思議な尉(シテ)と姥(ツレ)と出会います。
なんとこの二人は夫婦!
それも姥は高砂の人、尉は住吉の人だとか。
え~、別居結婚~?
それも海を隔てての遠距離ぃ?
大いに訝るワキに対して、シテとツレは、
「ウチらずう~っとこの松みたいにラブラブやで~」
と、イロイロな故事を引いて説明し、最後には自分達こそ高砂住吉の相生の松の精であることを明かして、
「一足先に行っとるから、後からお船に乗って住吉に来なはれ~」と小舟に乗って沖に消えてしまいます。(中入り)

ワキは、高砂の浦の住人(狂言方)に話を聞き、住吉まで船も出してもらいます。
あの謡は、高砂の浦から船に乗って住吉に着くまでの景色を謡ったものなんですよ。


まり子の記憶に残っている比較的最近の辰巳満次郎様の「高砂」は、東京大薪能で観た短縮版と、確か数年前の五雲会。
前半は尉(お爺ちゃん)で登場するんですが、まあ~堂々たる体躯の神々しいまでの立派なお爺ちゃん!
よく透る若々しく力強い声が、軽やかに能楽堂に響いて、それがまたヨロシクってよ~♪
(コレは五雲会ね)
もう登場時から、ほとんど正体?隠してないじゃん、ってくらい、タダモノではない尉の満次郎様♪
居グセで舞台中央にいる姿は、なんだか後光が射しているようで…、うっとり。

そして後ジテ♪
住吉明神は若い男神の姿で登場です。
黒垂(黒髪のつやつやストレートロングヘア)に邯鄲男の面が微かに眉をしかめてる顔がまたカッコイ~イ♪

「高砂」では後ジテが登場してから、太鼓がモーレツな勢いで、
テンテンテンテンテンテンテンテン…
と息もつかせぬぐらいに打つのです。
そしてたいていのシテはこの部分で太鼓に負けます。
謡う声が見所まで届きません。

しかし、満次郎様は…、満次郎様は…、
届くんですよ~♪
太鼓に負けないんですよ~♪
激しく打つ太鼓をバックに、スパ~ンと届く正に住吉明神の声♪

 春なれや。残んの雪の朝香潟。

キャ~、o(>_<)o ステキ~っ♪

神舞もスゴかったです~(^o^)v
神舞ってどんなに速くてもイイらしいんだけど、満次郎様にとてはまだまだスピードアップできる感じ。
(だって能舞台を3歩で横切るオトコ♪)
キリの仕舞を終えた満次郎様に、思わず二礼二拍手一拝したくなったまり子でした。

う~ん、寝屋川市新ホール柿落とし、見に行きたくなっちまいましたよ。


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