まり子、新作能「六条」を推理する…2 | 能楽師 辰巳満次郎様 ファンブログ

能楽師 辰巳満次郎様 ファンブログ

こちらは、不休で普及に励む宝生流グレート能楽師の辰巳満次郎先生♥に「惚れてまったやないかぁ~!」なファン達が、辰巳満次郎先生♥と能楽の魅力をお伝えしたいな~、と休み休み、熱い思いをぶつけるブログです。

次のヒントはお役です。

 シテ:六条の御息所の霊/辰巳満次郎
 ツレ:或る女/和久荘太郎
 笛/杉 市和
 小鼓/吉阪 一郎
 大鼓/河村 大
 地/金井 雄資ほか



5月26日の「ルールをおぼえよう」という記事で書いたのですが、
ここに太鼓がありませんひらめき電球
ということは人間(か人間の幽霊)が主役であって、神や菩薩、草木や花の精
ましてや化け物なんぞではない、ということになりますね!

シテ=六条御息所の霊、と書いてありますが、太鼓がないので化け物にはならず
六条御息所の霊のまま、なんですね、きっと。ひらめき電球
そうすると、写真を見てやけに着込んでるみたいだから、変身!があるかも
と書きましたが、何となくなさそうな気がしてきました。

次に気付くのはワキがいない、ということです。

ワキの役割というのは、シテがこの世ならざるものの場合は、見所の我々の代わりに、
シテの話を聞き、物語をリードするというものです。
そして、お能が成立した時代背景から、成仏への取り次ぎをしてくれる「僧」として
登場する場合が圧倒的に多いです。

それがいない、ということは「六条」では「僧」は必要なかった、
別に成仏を願って六条御息所は登場する訳ではない、ということだと思います。

すると、今度気になるのは「或る女」のツレの存在です。
このツレがワキの役割も兼ねるのではないか、と思います。

また、わざとらしく「或る女」としているのは意味アリではないかと、
まり子は考えましたひらめき電球

六条御息所に対比させる為の人材…、考えてみたんだけれど、源氏物語の中の女君
だったら、御息所は多くを語らないのではないかしら?
身近な人よりも、意外と全くの他人に悩みを話し易かったりするように…。

そうすると、「或る女」で思い当たるのは…有島武郎の小説!
或る女 (新潮文庫)/有島 武郎

¥700
Amazon.co.jp
あちゃ~、まり子はタイトル&作者名しか知らない~ショック!

しかし今はネットでイロイロ調べられます合格
小説の内容は、美貌で気丈で、才気溢るるエエとこの嬢さんが自我の芽生えを自覚、
旧弊な社会に反発し、自らの情念に忠実に生きようとしたが押し潰されてしまった、
という話、らしい。

小説の一部を引用すると、

恋の始めにはいつでも女性が祭り上げられていて、ある機会を絶頂に男性が突然
女性を踏み躙るという事を直覚のように知っていた葉子は、どの男に対しても
自分との関係の絶頂が何処にあるかを見ぬいていて、そこに来かかると情容赦
もなくその男を振捨ててしまった。

おおお、コレよ!
御息所と見事な対比になるではありませんかアップ

ということで、整いました~♪

つづきます!

完結の前に、明日は宝生女流の「文月能」!
辰巳満次郎様ドキドキのお顔は見られないかもしれないけど、留めの演目に「葵上」が
あるので、じっくり拝見しようと、思います音譜