因縁のドイツ×イングランド。

試合前から騒がれていた上に、今後、世紀の誤審と騒がれ

そうなプレーもあったけど、終わってみれば終始ドイツペース

の試合だった。


これはドイツ、一気に優勝候補に挙がってきそうな勢いか。


逆にイングランドは大会前からのゴタゴタを払拭しきれずに

期待のルーニーも結局いなかったのと同じくらいの内容に

終始。結局爪痕すらも残せないまま大会を去ることになった。


しかし決勝Tに入ってから、一気にW杯だなと思える

締まった試合が多くなってきた。

今大会のグループリーグはあまり燃える内容の試合が

少なかっただけに、少々物足りなさを感じていたのだが、

さすがに一戦必勝になってくると違うのだろうか。

それとも見る側のテンションにも左右されているのか。


ともあれ楽しくなってきた。

そこに日本代表が加わっているのが嬉しい。

本田、松井、大久保。

日本の躍進はこの3人の先発があったからだという事に

異論を挟む人はいないだろう。


岡田監督が紆余曲折を経て辿り着いた、自らへの原点回帰

によってもたらされた守備への自信。

しかしどうやって攻撃を構築するのかという部分に関しては

ほとんどアイディアを有していない監督の戦術は、この

3人に委ねられた。


この3人に当てはまるのは、

「気が強く、自力突破が出来る」こと。

要は攻撃の上で自己完結出来るということだ。


その上3人とも海外経験があったことも大きかっただろう。

海外選手に対し、必要以上の怖さを抱いていない。

相手の力量を素直に計れるから、見極めた上でどんどん

仕掛けられる。


オシムさんが大久保のことを「独善的プレーばかり」と批判

しているが、この独善的プレーをする選手がいなければ

この結果はついてこなかっただろう。

なんせ、しっかり作り上げてきたチームではなく、たまたま

ハマったチームなのだから。


岡田監督の守備戦術に、世界基準の突破力を有す

アタッカー3人が見事にハマり、この結果が出ている。


日本が守備的に臨むことで結果が出ていることは確かだが、

攻撃陣にも改めて着目すべきだろう。

この3人は確実に世界に通用している。


実はこの3人、岡田ジャパンでは結構冷遇されてきたの

だが、その理由は独善的プレーをすることがある為だったり、

守備をサボることがあるからだったり。その辺だろう。

だがその独善的プレーに今は助けられている。


日本人は元々真面目だ。

少しくらい独善的なほうが、攻撃要員としては頼もしい。

そういう意味でも、この3人がW杯という大舞台で活躍して

くれるのは、これを見た子供への影響を考えると相当

大きいなぁと、ふと考えた。


大久保と松井に得点取らせてあげたい。

今後の日本の子供達のためにも。

そこも岡ちゃんの運でなんとか宜しくお願いします。

もう岡ちゃんの勝ち運に脱帽という感じ。

本当によくやった!


こういう試合でFK2発であっさり先制とか、ねぇ。

本田の無回転はCLで見せた場所とほぼ同じところから。


2点目のは、本田が蹴ると思ってるだろうし、遠藤がいい所

蹴ったら入るぞこれ、と思ってたら本当にそうなった。

あの大舞台でそこに蹴れる遠藤素晴らしい。


とにかく相手GKには心中お察し申し上げます。。。


こうなると元々1点とらなければならないプレシャーと戦って

いたデンマークが、3点取らなければならないという状況に

なり、自分達の戦い方を変更しなければならなくなったことが

より試合を楽にした。


逆に日本は2点取ったことで余裕を持って戦えるようになり、

全員が自信を持って伸び伸びプレーしていたのが印象的だった。


結局日本は岡崎の追加点でトドメを刺し、3-1で勝利。

デンマークの大チャンスも少なくなかったが、運に助け

られた場面も多く、本当に助かった。



グループリーグを突破出来たのも、全ては開幕戦の

カメルーン戦でのあの本田の1点が生まれ、勝利できた

ことからであることは、間違いないだろう。

あの勝利で選手が自信を持ち、1試合ごとにチーム全体の

動きや約束事が明確になってきている感がある。

化け始めたと言っていいだろうか。

特に第一戦めではほとんど攻撃に人数を割けなかった

のに、この試合はカウンターで攻撃にかける人数も

増えていた。

こういう動きが常に出来る様になってくれば、

守っていてもチャンスが作れる状況になってきたと

言っていい。


次はパラグアイ。

強いがもうここまできたら怖いモノなんてないだろう。

思い切ってやって欲しい。



岡田監督は本田に足向けて寝れないねこりゃ。

運命のデンマーク戦。


守備的な戦術でどこまで耐えられるのか。

日本は1失点も許してはならないというプレッシャーと。

デンマークは得点を挙げなければならないというプレッシャーと。

双方プレッシャーの度合いは同じだ。

あとは運がどちらに微笑むか。


守備的に行くと見せかけて開始早々に攻勢をたたみかけ・・・

なんて奇襲をやれる監督じゃないわけで、どこまでも

日本人的な岡田監督がどこまで世界に通用するのか。

この1戦にかかる重みは凄い。


僕としては、何よりも選手が悔いのない戦いが出来ること

だけを願っている。

ドイツ大会の時は、間違いなく全員悔いの残る大会

だったと思う。

自分達のやってきたことを貫くという目的を失わされた

選手達が、悔いの残らない試合にするのは難しいことも

はらんでいるのだろうが、とにかく全力を出し切れる試合に

なってくれることを祈ろう。



勿論、引き分け以上の結果が出たら最高だ。

ブラジル強いっすね。

ブラジル×コートジボワールは、やっとW杯だなと

思わせてくれる試合だった。


もっとも、スカパー解説陣も幾度も言っていたが、審判の

コントロールが上手く行かずにカカが報復行為で退場。

なんともまぁ、後味の悪い結末になってしまった。


今大会はやたらレッドカードが横行しているように思う。

ジャッジ基準も辛いものが目立つ。

はっきり言ってJリーグを見ているかのようだ。

世界の舞台でJ基準の笛を吹けば、こういうことになるのだ

というのがよくわかった。

そしてこういう辛い基準だと、本当に危険だったプレーを

見逃されたときの心理ギャップが激しくなるだろう。

「あれとって、あれとらないのかよ!」みたいな。

選手のフラストレーションが溜まって、逆にラフプレーも

多くなる。悪循環この上ない。


話がそれた。


今回は強豪と言われる国の苦戦が目立つ。

優勝候補筆頭と言われているスペインが初戦でコケたのも

驚いたが、まぁここはある程度修正してくるだろう。

問題はイングランドだったり、フランスだったり、イタリア

だったりといったあたり。

開催前から色々とスキャンダルのあった国々だが、今回

ダメなんじゃないかと言われてはいても、腐っても鯛となる

チームが出てくると思っていたのだが、ここまでなんとも

酷い状態が続いている。


決勝トーナメントに向けてコンディション調整をしているに

しても、あまりにお粗末な状態だ。

おかげでこれぞW杯!という試合が今のところ少ない。

逆にジャイアントキリングとまではいかなくても、強豪国に

対して弱小国が引き分けに持っていく試合が増え、

そういった意味での盛り上がりはしているが、そればかり

というのも最終的な盛り上がりには欠けそうだ。


フランスなんかは早くも敗退濃厚+内紛悪化で大変な

ことになっているが、最終戦は逆にこれで発憤して大勝

なんてことになる可能性も出てきた。

時すでに遅し、という感が非常に大きいのだが・・・。


イングランドはとにかくコンディションが最悪。

イングランド大好き解説、粕谷がぐぅの音も出ない状況

なのは見ていて「ざまーみろ」と思うが、イングランド自体は

嫌いじゃないので残念。

(アーセナル早く負けねーかなとか解説で言いやがった

時から粕谷は嫌い。まぁサッカー感も真逆だし。)


イタリアは故障者が多いのが可愛そうだけど、まぁそれ

差し引いても見所の少ないチームであることは確か。

やっぱイタリアはガチガチの労働者と絶対的なファンタ

ジスタで構成されてこそなのだろうか。

どうにも非力感が否めない。どのポジション見ても、

違いの作り出せる選手があまり見いだせない感じがする。

とりあえずピルロが入ったところを見たいな。



決勝トーナメントに入れば、改善されるチームも出てくるの

だろうが、本当にそうなるかな・・・という不安も拭えない

のが悲しいところ。


強豪国の逆襲に期待。