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あしひきの 山のしづくに 妹待つと われ立ちぬれぬ 山のしづくに巻2-107大津皇子

この歌は天武天皇の皇子で大津皇子が石川郎女に恋して山の中で逢う約束をしたのに、とうとう来なかった時の心境の歌です[私は山のしづくに濡れて待っていたよ、山のしずくに濡れてさ]と言うのです![山のしずく]と言う言葉は日本語として非常に素晴らしい言葉です。 というのは、真っ暗な夜、じっと彼女を待っている。すると木の葉にたまった夜露でしょうが、それがポタリポタリと落ちてくる感じと、胸の動悸まで伝わってくるような言葉、それが[山のしずく]なんですね!日本語はこんなにこまかいことを、こんな短い言葉で表せるのですね。日本人に生まれて良かったです! そこで石川郎女は何と答えたか! 吾を待つと 君が濡れけむ あしひきの 山のしずくに ならしものを 巻2-108 [私を待つというので、あなたはお濡れになったそうね。お濡れになったその山のしずくになりたかったわ]と言うのです!この歌は[山のしずく]をめぐって、お互いの愛を打ち出している見事な愛の唱和ですね。川端康成の作品にも日本語の美しさがあり読み返してみたいと思いました。なんちゃこちゃ遊ぼーよ-柳沢ななグラフィック0608028.jpg

信濃なる 千曲の川の 細石も 君し踏みてば 玉と拾はむ万葉集巻14ー3400

[信濃の千曲川の小石だっても、好きなあの方がお踏みになったのら、美しい玉だわ、玉と思って拾いましょう]石ころは石ころにすぎないのに、ただの石を宝石だと思って拾うというのは、本当に素晴らしい人間の愛情だと思います。1300年も昔から人間の愛情というものは、永遠なんですよね。千曲川と言えば五木ひろしの歌にも、心に響く歌がありましたよね。♪(水の流れに 花びらを そっと 浮かべて 泣いた人~♪なんちゃこちゃ遊ぼーよ-グラフィック1213021.jpg

田子の浦ゆ うち出でて見れば 真白にそ ふじの高嶺に 雪は降りける

田子の浦といいましても、今の田子の浦は富士川の東側にありますが、昔の田子の浦はその西側にあって、興津、由比、蒲原にかけての弓なりになった海、あれが田子の浦なんですね!即ち薩た峠の下なんです。いつか私も、生まれ故郷の、この舞台に立ってみたら素晴らしいと思ってます!東海道線興津で降りて、薩た峠を越えるのです。峠にかかると頂上をちょっと出た所で、あっと驚くように、真っ正面に富士山が目の前におどり出てきます。そして東の方のかなたに伊豆半島を見ることが出来るそうです。山部赤人が、この歌を詠んだ場所も、おそらくこの薩た峠ではないかとないかと思います。いつか私のふるさとで富士山を実感として味わいたいです。なんちゃこちゃ遊ぼーよ-090101_1325~0001.jpg
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