月の調べ(13) | すくらんぶるアートヴィレッジ

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これまでふれてこなかった★「調べ」について・・・
★古語辞典「しらべる」(古形は「しらぶ」)平安時代以前は「楽器を調律する」「楽器を鳴らす」と言う用法がほとんどで、「調査する」という意味での使用は、中世以降にならないと出てきません。「調ぶ」「調べ」は、「楽器の調子を整える」という意味だったようで「調子を整える」という意味から「いろいろなことを照らし合わせて吟味する」→「調査する」という意味になったようです。
★漢字「調」は、「しらべる」よりも「ととのう」「ととのえる」というニュアンスが強いようです。漢和辞典では、「ととのう」「全体のバランス」という意味、そこから派生した意味の方が多く掲載されています。「調」を含む熟語(調整・調理・調和・調度品…)など、「ととのう」「ととのえる」という意味です。「調査」と言う熟語では、「色々材料を吟味・判定する」という意味は、むしろ漢字「査」に由来するようです。大昔「調」という漢字に出会って★「調=ととのう」と言う意味が、ヤマトコトバの「しらぶ」「しらべ」に一致すると考え、「調」の訓読みに「しらぶ」「しらべ」を当てたようです。
★「整う」とは、「きちんとした状態になる」という意味の言葉です。望んだような、きれいに調和の取れた状態になることを指します。「引き出しの中身が整う」「足並みが整う」「列が美しく整う」のように使われます。「整える」は動詞形で、「きちんとした状態にする」「乱れたものをなおす」「整理する」という意味合いになります。この場合は、「陣形を整える」「部屋をきちんと整える」「服装を整える」のように使われます。「整う(整える)」の「整」という字は、「たきぎを束ねた」象形と「わける」を表す象形、「まっすぐ」を表す象形から成っています。ここから「(分けたり束ねたりして)ととのえる」を意味する漢字として成り立ちました。
★「調う」とは、「必要なものがそろう」もしくは「話し合いなどがまとまる」という意味の言葉です。「書類が調う」「日程が調う」「縁談が調う」「協議が調う」のように使われます。「調える」はこの動詞形で、「必要なものをそろえる」「話し合いなどをまとめる」という意味を持ちます。使い方は、「食事の用意を調える」「スケジュールを調える」のようになります。また、「調う(調える)」は演奏のリズムなどについても使われ、「拍子が調う」「呼吸を調える」のように用います。「調」の字は、「言う」と「ゆきわたる」を表す象形から成っています。そこから「(言葉に神経が)ゆきとどく」「ととのう」を意味する漢字として成り立ちました。