キャップ | すくらんぶるアートヴィレッジ

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・・・ペットボトルのキャップには、ただならぬお世話になっています。「ムシムシ工作」の主役と言っても過言ではありません。

 

★ペットボトルとキャップを分別する本当の理由、プラスチックリサイクルの意外な真実/StoneWasher's Journalより

https://stonewashersjournal.com/2015/10/05/petbbottle/

材質が異なればリサイクルの方法は異なりますし、回収の方法や業者も変わってくるでしょう。しかし、日本のリサイクルではペットボトルだけが明確に区別されています。残りのプラスチック製品もある程度は区別されているものの、基本的にはまとめて収集されています。

実はペットボトル以外のプラスチック製品は回収後に更に細かく分別されています。そして、物によっては焼却して発電に利用されていたり、分解して化合物として使われたり、資源化してリサイクルされるようになっていて、ペットボトルとはまた違ったリサイクル過程を辿ります。

回収されたペットボトルは一旦運びやすいようにプレスされ(しないケースもある)、リサイクル工場に運ばれてから機械を使って金属片などの異物を除去します。その後にバラバラに破砕され、洗浄されます。

また、破砕洗浄に合わせてキャップとボトルの比重分離が行われ、キャップのプラスチックとボトルのプラスチックが分別された状態で集められ、プラスチック製品を作る工場へと送られます。

そうです。キャップとボトルは工場で分離できるのです。実は、キャップに使われているプラスチックであるポリプロピレン(PP)とポリエチレン(PE)は水より軽く、一方でボトルに使われているポリエチレンテレフタレート(PET)は水より重いのです。つまり、水に浮くか沈むかでキャップとボトルの素材は分離可能です。

キャップを外すとボトル側に残る開封確認リングはボトルから外せないことが多く、廃棄時にリングを完全に外してリサイクルするのは困難です。工場側でキャップ素材とボトル素材を分別するシステムがなければ結局のところキャップの素材が多少ボトルに混ざることになってしまうため、品質の高いプラスチック製品は作れません。

キャップとボトルが分類できると聞くと、「ペットボトルとキャップは素材が違うから分けて回収する」のだと思っていた方は少し驚くかもしれません。もちろん、それも間違いではありません。比重分離が行われると言っても100%完璧ではありませんし、キャップ素材が少なければ少ないほど作業の効率や品質は良くなります。

ボトルキャップを分別回収する理由には、「リサイクル製品の品質を高める」以外に回収業者側の事情がありました。まず、「中に液体が入っていると困る」と言う理由。中に液体が入ったまま廃棄されると、回収時に液体が漏れてきたり、回収に使っている車両や人員が無駄に汚れてしまうことがあります。また、リサイクル過程で用いられる機械に不具合が出る可能性もあるので厳禁です。

もう一つ厄介なのが「プレス時にペットボトルが破裂すること」です。空きペットボトルは中が空洞になっていてかなりかさばります。そのため、回収業者は回収したペットボトルをプレス機にかけてコンパクトにして回収することがあるのですが、蓋がきっちりしまったペットボトルは中の空気が抜けないのですぐには潰れません。風船を潰して割ろうとすると盛大に破裂するように、蓋の閉まったボトルも盛大に破裂することがあります。巨大な密閉型プレス機ならボトルごときが破裂しても問題ないので良いですが、小型のプレス機の中に多数の蓋が閉まったボトルがあると破裂したボトルの破片が飛散する可能性もあります。作業員が怪我をする可能性もあるのでキャップは外した方が良いでしょう。もちろん、蓋が閉まったまま捨てられることの多いコンビニなどのボトルはプレスせずに回収し、安全が確保できる工場でプレスします。

キャップをつけたままでリサイクル自体には問題がなかったとしても、ルールが守られず回収業者がボトル回収を敬遠するようになると自治体側の負担は重くなり、その負担は最終的には住民にのしかかることになります。小さな努力で後々の負担が軽減されていると考えると良いですね。

《参考》用途に合わせて違う素材を使う必要がある/「なぜなに」より

ペットボトルの本体はポリエチレンテレフタレート(PET)でできてる。キャップはポリプロピレン(PP)、ラベルはポリスチレン(PS)。キャップを本体と同じ素材にしないのは「しっかり締まるようにする」ため。PPはPETよりも柔らかいため、ネジ切りや滑り止めなどの加工がしやすい。またPPのキャップはPETの本体を締めるときにピタッと密着する。もしもキャップに本体と同じPETを使うと硬くなって密着させるのが難しい。ラベルもPETだと硬くて本体に巻けなくなる。

 

★PETボトルリサイクル推進協議会より

https://www.petbottle-rec.gr.jp/qanda/sec1.html#qa1_7

キャップの重要機能として、(1)容器の気密性保持(2)消費者の使い易さ(開栓性等)(3)再商品化適性等が求められます。PETは硬い素材のため、キャップは柔らかい素材であるPPやPEを使用しています。ボトルとキャップの両方に硬い素材を使用すると、気密性の保持に問題が生じたり、消費者がスムーズに開け閉めすることが出来なくなる懸念があります。その他、キャップをPETボトルのリサイクルルートに乗せるためには、再商品化製品の品質維持のため、キャップへの着色も出来なくなり、着色キャップによる識別性や遮光性が失われる等、新たな問題も発生します。このように、PET製キャップは★現状では技術的問題点も多くありますので、キャップのリサイクルに関しては、PETボトルとは異なる「リサイクル」によって対処するのが適切と考えています。再商品化工程でPETとPET以外のものを比重分離することが出来るので、PETボトル協議会の自主設計ガイドラインに、「(キャップは)PEまたはPPを主材とした比重1.0未満の材質を使用したプラスチックキャップを使用する。」と定めています。PETの比重は概ね1.4です。

・・・ところが「PET製キャップ」がとうとう登場? 私の早合点でした。PETボトルに表記されたリサイクルマークは、ボトルラベルがはずされても分別されるようにとの配慮でした。実際に、「ラベルレス」や「ボトルtoボトル」が推進されており、様々な努力や工夫が進行しているのです。

https://www.asahiinryo.co.jp/labelless/

 

《ボトルtoボトル(BtoB)》

https://www.petbottle-rec.gr.jp/more/introduction.html

食品用の使用済みPETボトルを原料化(リサイクル)し、新たな食品用PETボトルに再利用することをボトルtoボトルと言います。(注:同じボトルを再使用(リユース)する、いわゆるリターナブルPETボトルは含みません。)日本で実用化されているボトルtoボトルにはケミカルリサイクル(化学的再生法)とメカニカルリサイクル(物理的再生法)があります。どちらも、使用済みPETボトルから再生フレークをつくるまでは従来のマテリアルリサイクルと同じです。その後、2つの再生法に分かれます。

1. ケミカルリサイクル(化学的再生法)

化学分解により中間原料に戻した上で再重合する方法で、新たなPET樹脂をつくります。

2. メカニカルリサイクル(物理的再生法)

高洗浄による異物の除去や高温下での除染などの物理的処理を経てペレット化する方法で、食品用のPETボトルの原料をつくります。

《参考》2021.8.31

新開発のペットボトルラベル用粘着剤が「サントリー天然水」で採用/

東洋インキSCホールディングス~剥がしやすく糊残りしないホットメルト粘着剤でリサイクル工程の効率を向上~

https://www.toyo-chem.com/ja/index.html

トーヨーケム株式会社(代表取締役社長 町田 敏則、東京都中央区)は、サントリー食品インターナショナル株式会社と協働し、飲料ペットボトルに巻き付けるラベル(ロールラベル)の剥がしやすさを向上したホットメルト粘着剤を開発いたしました。トーヨーケムは、ロールラベル用のホットメルト粘着剤における国内トップシェアメーカーで、粘接着剤をはじめとしたポリマー・塗加工事業を展開しています。この度、ペットボトルとラベルの接着強度をそのままに、従来よりも剥がしやすく、ペットボトルに粘着剤が残らない★ホットメルト粘着剤を開発しました。ペットボトルを廃棄する際に★分別しやすく、またリサイクル工程での効率・品質が向上することにより、ペットボトルの★「ボトルtoボトル」水平リサイクルの推進に寄与します。7月下旬より<サントリー天然水北アルプス信濃の森工場>で製造している「サントリー天然水」から本製品が採用され、他工場の製品にも順次採用予定です。本開発品は、独自の配合技術と新規評価技術により従来トレードオフの関係にあった接着強度と剥離性の両立を実現しました。トーヨーケムは、本製品の開発で培った技術を活かし、ロールラベル以外の用途にも展開してまいります。加熱すれば液状になり、冷却すれば固化するホットメルトは、有機溶剤を使用せず、乾燥工程も要らないことから、環境意識の高まりと共に、改めて注目が集まっています。トーヨーケムはポリマー・テクノロジーから生まれた要素技術を、お客様のニーズとマッチングさせ、イノベーション製品を開発することで環境負荷を低減し、循環型社会の実現へ向けて貢献していきます。 TOYOCHEM、およびTOYOCHEMロゴは、東洋インキSCホールディングス株式会社の商標もしくは登録商標です。

・・・これからの時代にむけて、今まで以上に新たな造形を模索していかなければと、決意?する次第です。