★アート思考で育成する非認知能力、主体性や他者理解を促進/末永幸歩(美術教師・アーティスト)
https://www.sentankyo.jp/articles/5bd0d0a2-9899-4213-810c-b2d5bd1ccfe1
16万部以上の売り上げを誇り話題となった★『13歳からのアート思考』。著者の末永幸歩氏は、美術教師として教壇に立つ中で、既存の美術の授業に違和感を持つようになったという。学校の美術教育で一般的に行われてきた、「絵を描く」「ものをつくる」「アート作品の知識を得る」という授業スタイルは、一見、創造性を育むものに見えるが、かえって個人の創造性を奪うと感じるようになったのだ。自分なりのものの見方や考え方とはほど遠いところで、物事の表面だけを撫でてわかった気になり、大事なことを素通りしてしまっているのではないか、と考えたという。事実、中学生が嫌いになる教科 No.1は美術だという。「技術や知識」偏重型の授業スタイルは、多くの生徒が美術に対して苦手意識を持つ要因に・・・
https://diamond.jp/list/series-books/suenaga
★★大人がいま最優先で学ぶべき教科は「美術」★★
★アートで非認知スキルを伸ばす!週に一度、10分間を親子の対話型鑑賞に捧げよう/三重野一
https://kodomo-manabi-labo.net/hajime-mieno-vts-03
「観察力」「推論する力」「他者を受容して理解する力」「再考する力」「表現力」、そして「自ら学ぶ力」と「コミュニケーション能力」。これらの7つの力を育ててくれるのが、アメリカ発の新しい美術鑑賞教育法★「対話型鑑賞」です。鑑賞を通した対話の積み重ねによって、子どもの論理的思考力を引き出し、促していきましょう。論理的思考の芽生えを見守ってあげることが、子どもの非認知スキル、自立的に学ぶ力、メタ認知能力、コミュニケーション・スキルを培うことにつながっていきます。
★クリエイティビティと子育て、日本で注目されている非認知能力を育む/バンクーバー在住ブリティッシュ・コロンビア州公認臨床心理療法士(RCC)・表現アートセラピスト:加藤夕貴
http://v-shinpo.com/maple/5156-maple180614
「触覚、視覚、味覚、聴覚、嗅覚といった5感を使ったクリエイティブ・プロセスを通したアート表現や遊びの中で非認知能力を育むことができる」と加藤さんは言う。「小さい頃に感覚を通して、外の世界を学ぶと、脳内の情報を伝達する細胞の道を増やすことができ、結果として表現力と学びの幅を増やすことができる。それが言語力や感情表現であったり、社会性、想像力、集中力、リラックス効果であったりする」。例えば、外で裸足になって砂のザラザラやさらさらした感覚を感じたり、音楽を聴きながら感じた通りに絵を描いたり、子どもと一緒にお料理をしたりと、日々の生活のなかで子どもが感じたまま表現したことを、親子間などの人間関係を通して受け入れられることで、「人との繋がりの土台」と「自分はこれでいいんだという肯定感」を育むことができる。また、表現アーツセラピーでも使われる、五感をふんだんに使ったクリエイティブ・プロセスに重点をおいたクラスも(英語ではクリエイティブ・アーツと呼ばれる)カナダ国内で提供されている。一般的な美術のクラスでは、スキルやテクニックを学ぶことに焦点を当てているが、クリエイティブ・プロセス中心のクラスでは、自分が感じたことを表現する過程、すなわち表現のプロセス自体にまずは焦点を当てている。
★子どもたちにとって、なぜアートが重要なのか?/福島わかば幼稚園
それは、非認知能力を伸ばすためです。これまでのアート教育では、画力を均一に伸ばすこと、空間認知が正常に行われることなどを念頭に指導されていましたが、本来アートで行うべき教育は違うところにありました。アートを経験することで、今までとは違う視点を持つことができるようになります。さらにオリジナルを制作するためには、独自の視点による、より多くの制作プロセスの解明が必要になります。つまり、目には見えない非認知的な情報がたくさん必要になり、それを得ようと様々な視点から物事を考えようとします。制作の中でこれらを繰り返すことで、目には見えない非認知的情報をより多く獲得できるようになること=非認知能力を伸ばすこと、を念頭に教育すべきだったのです。アート教育は非認知能力を伸ばしていくために必要不可欠です。非認知能力は、子どもたちがこれから生きる上での「行動」「選択」の原動力となるものです。変わりゆく現代をより良く生き抜くための土台なのです。新たな教育方針としての★「STEAM教育」を取り入れており、より時代のニーズに合う幼児教育の提供に繋がっています。
《STEAM教育》/Wikiより
Science(科学)、 Technology(技術)、 Engineering(工学)、Mathematics(数学)を統合的に学習する「STEM教育(ステムきょういく)」に、 さらに★Arts(リベラル・アーツ)を統合する教育手法である。STEAM教育という用語を最初(2006年から2008年)に用いたのはヤークマン(G. Yakman)であり、STEMとリベラルアーツとの統合の枠組みをピラミッドで表したものが知られている。Artsとして人文科学、社会、言語、芸術を加えたSTEAM教育は、2007年にはNPO 法人オハイオ芸術教育同盟 (Ohio Alliance for Arts Education) のプラッツ(J. Platz)が“STEM into STEAM”という表現でArts を加えたSTEAM を強調している。また,RISD(Rhode Island School of Design)の学長であったマエダ (J. Maeda)が2008年から2015年まで“STEM to STEAM”の教育プログラムを主導したとされる。2010年にSTEAM の順番を入れ替えたTEAMSという表現も提案されている。STEAM教育では、生徒児童の数学的、科学的な基礎を育成しながら、彼らが批判的に考え(批判的思考)、技術や工学を応用して、想像的・創造的なアプローチで、現実社会に存在する問題に取り組むように指導する。またSTEAM教育の具体的な手法としては、デザインの原則を活用したり、創造的な問題解決を奨励することなどが挙げられる。高等学校化学教師の経験を持つ脳科学のスーザ(D. A. Sousa)と芸術教師であるピレッキ(T. J. Pilecki)は、共著の中でSTEMは収束思考に陥りがちだが、それにArts(人文科学や芸術を含めたリベラルアーツ)を加えると拡散思考が加わり創造的な発想が生まれることを強調している。
《参考》致命的な誤解。リベラルアーツとは「教養を広げること」ではありません/神田房枝:法人教育コンサルタント/美術史学者
https://diamond.jp/articles/-/251552
人間の知的生産は「知覚・思考・実行」という3つのステージから成り立っていますが、リベラルアーツの基盤である3学は、この3ステージに見事に対応しています。本来のリベラルアーツは、知覚を起点とした知的生産のためにデザインされたトレーニングなのです。ダ・ヴィンチはフォーマルな学校教育は受けていませんでしたが、それだけにルネッサンスの教育トレンドに敏感でした。当時ヨーロッパで再発見されたプラトン哲学に心酔していた彼は、プラトンの『国家』に書かれたリベラルアーツの原型(これは理想的な哲人王になるための教育的基礎でした)も独学していたはずです。そのうえ、ラテン語辞書の編纂にまで乗り出し、文法学も極めていたわけですから、やはりダ・ヴィンチは「(本来的な意味での)リベラルアーツ的知識人」であることに変わりはないでしょう。
・・・いろいろな解説や図式がある中で、「ART」と「ARTS」の2つの表記が見られます。
《参考》日本人の的外れな「リベラルアーツ論」リベラルアーツとは何か/東洋経済より
https://toyokeizai.net/articles/-/13697?page=5
●アートとサイエンスの違い/文:山田順ジャーナリスト
日本と欧米との学問体系の違い。もっと平たく言うと、科目の違いに私が気がついたのは、娘がインターに通う中で、「おや、なにか変だ」と思うことが多かったからだ。たとえば★リベラルアーツのアーツは「arts」である。単数だとアート「art」だ。日本でアートと言うと、私たちはすぐに「芸術」を思い浮かべる。そして、学校の科目としては「美術」や「音楽」を思い浮かべる。ところが★「歴史」も「地理」も「文学」もみんなアートなのである。アメリカの大学や大学院を卒業して授与される学位(degree)には2種類ある。「A」がつくものと「S」がつくものだ。「A」はアート(art)の略で、「S」はサイエンス(science)の略である。たとえば、大学を卒業すると「学士」(Bachelor:バチェラー)がもらえるから、学位はメジャーにした科目により「BA」(Bachelor of art)か「BS」(Bachelor of science)のどちらかになる。そこで、たとえば歴史を専攻したとしよう。この場合、大学卒業時にもらえる学位は「BA」である。では、心理学を専攻したとして、もらえる学位は何だろうか?「BS」である。歴史を専攻すると美術や音楽などと同じアートの学位がもらえるが、心理学を専攻するとサイエンスの学位になってしまうのだ。日本の感覚からいくと、心理学は文系だから、アートのほうではないと変だ。しかも、サイエンスといえば、日本の感覚からすると「理科」とか「科学」である。とすると、なんで心理学が理科と同じなのだろうか?私も最初は、このことを理解できなかった。しかし、ここでこんがらがってしまうと、欧米の学問体系は理解できない。私がこんがらがりながらも、「そうか」と思い当たったのは、アートもサイエンスも、その言葉から私たち日本人が思い浮かべることと、アメリカ人が思い浮かべることは違うではないかと気がついたからだ。どうやら、アートは芸術ではない。サイエンスも理科や科学ではないということに、私は、あるとき気がついた。私の娘は3歳から英語で教育を受けているので、アートと言えばそのままアート、サイエンスと言えばそのままサイエンスと受け取る。アートを日本語に訳して「芸術」「美術」、サイエンスを「理科」「科学」とは受け取らない。この当たり前のことに気がついて、ようやく私の疑問は解けた。つまり、そもそもアートやサイエンスの日本語訳が違うのだ。訳が違うというのは、その言葉が持つ概念が違うということである。
★それでは、アートとは何なのだろうか?それは、あえて日本語に置き換えれば「人工」ではないだろうか? つまり★人間がつくり出したものすべてがアートである。実際、英英辞典を見ると、「art」はたいてい「human effort to imitate, supplement, alter, or counteract the work of nature.」のように説明されている。芸術や美術はアートであることは間違いないが、本来のアートはもっと広い意味を持った言葉なのだ。これは、アートの反対語は何か?と考えると、より理解できる。★アートの反対語は「nature、ネイチャー」(自然)である。自然は、人の手が加えられていないものだからだ。ではネイチャーとは何だろうか? 日本人なら、「自然」と聞けば、空や海、山や森をすぐに思い浮かべる。『広辞苑第五版』(岩波書店)によると、「おのずからそうなっているさま。天然のままで人為が加わらないさま。あるがままのさま」とあるから、このイメージで間違いない。ところが、英語を話す子供たちは、ネイチャーを海や空、山や森などとは答えず、「things God made」と答える。これは★「神がつくったもの」という意味だ。同じく、アートは「things humans made」(★人間がつくったもの)である。このことがわかって、私は初めて、日本語の世界と英語の世界が根本的に違うのだと知った。
《参考》ゆるアーツジャーナルより
https://jazzandarts.hatenablog.com/entry/2018/03/08/001435
アートは、人間の創造力や想像力によって表現・活用されたもの。主に絵画や彫刻など目に見えるもので、その美や感情的な訴えを感じてもらうことを目的としたもの。アーツは、創造的な活動がそれぞれの分野に枝分かれしたもの。絵画・音楽・文学作品・ダンスなど。その他にも定義については色々な議論が行われていますが、★アートは美術の授業で作るような作品で、★アーツは音楽やダンスなど様々なジャンルの芸術を含む時に使われると認識しておくのが良いと思います。
・・・今、必要とされているのはまさしく「アート」ではなく「アーツ」だということを強調しておきたいと思います。したがって「美術」の授業も当然変わらなければならない、しかし残念ながら現状の教育体系・体制の中ではそれも難しいと言わざるをえません。
《参考》ARTS&SCIENCE
●これまでのこと
「好きなものを集めてお店を開きます」。アーツ&サイエンスのオーナー兼クリエイティブディレクターのソニア パークが、東京・代官山の路地裏に小さな店をスタートさせたときの知らせは、このひと言でした。鏡やショーケース、シャンデリアなどヨーロッパから運んだアンティークの什器を店内に配し、日本では手に入りにくかった日常品などを並べた店を始めたのが2003年。スタートしてみると、扱う商品はアンティークの一点ものや日常品にとどまることはありませんでした。納得のいくパジャマやタオルになかなか出会えない。だったら作ろうと、試行錯誤を重ね、肌触りや着心地のよいものを作り上げました。1点ものの古着も販売していましたが、古着からインスパイアされたオリジナルの洋服作りもスタート。「店には好きなものを置きたい。★ほしいものがないなら作る」。アーツ&サイエンスのすべてを貫く考えです。
・・・この「ほしいものがないなら作る」が求められていると思います。
《参考》「アーツ・アンド・クラフツ」運動
★日常生活をとりまく、あらゆるものをめぐるデザイン運動「アーツ・アンド・クラフツ」。この運動の論理的基盤は★ウィリアム・モリス(1834-1896)によってつくられました。彼は、機械による量産を否定、★無名の職人たちによる中世の手工芸を理想とし、★自ら商会を設立して、ステンドグラス、壁紙、家具、ファブリック、金工など室内装飾に関わる★全てを手がけました。イギリスの新たな世代の建築家や芸術家に引き継がれたこのモリスの姿勢は、やがてアーツ・アンド・クラフツ運動と呼ばれる新潮流を興し、ヨーロッパ大陸やアメリカ、日本にまで影響を及ぼして、新しい動向と様式を生み出したのです。
http://www.interior-joho.com/interview/detail.php?id=1560
https://www.momak.go.jp/Japanese/exhibitionArchive/2008/368.html
・・・まさしく「自らつくる」ことしかないと、確信しています。