・・・「和歌山」気持ち的には遠いが、振り返ると結構何度も来てる「和歌山近美」。「黒川建築」大阪にも多く現存しており、それが私を呼ぶのだろうか?
和歌山県立近代美術館の★個性的な外観は、和歌山城の天守閣を間近に望む緑豊かな環境のなかで、和歌山城と美しいコントラストをなしています。建物の正面には巨大な灯籠が建ち並び、特徴的な庇(ひさし)を数多く設けるなど、近代的な中にも日本の伝統を感じさせます。池や滝が配されている広々とした敷地には熊野古道をイメージした散策路がめぐらされ、館を訪れる人々がゆったりとくつろぎ、楽しんでもらえるような場となっています。また池の中には、天然記念物である根上がり松を背景にした野外ステージを設けて、三年坂をへだてた和歌山城との歴史のつながり、熊野をイメージした自然とのつながりを念頭に置いた★「共生の思想」(黒川紀章)が反映された施設となっています。
★黒川紀章建築都市設計事務所(創立1962)
https://www.kisho.co.jp/page/316.html
黒川紀章は、唯識思想の研究・共生の思想の提唱を50年間一貫して進めてきた思想家であり、建築家である。1958年、彼は「機械の時代から生命の時代への転換」を予言し、メタボリズム(新陳代謝、リサイクル)、エコロジー、★サステナビリティ、共生、中間領域(両義性)、花数寄(両義性の美)等の生命の原理のキーワードを駆使して、常に新しいライフスタイルを社会へ発信しつづけている。国立新美術館は、黒川紀章の最新作として昨年6月に竣工した。「黒川紀章建築展」―機械の時代から生命の時代へ―は、国立新美術館開館記念展の1つとして国立新美術館と黒川紀章展実行委員会(委員長:サントリー株式会社 代表取締役社長 佐治信忠)との共催で開催される。「黒川紀章回顧展」―機械の時代から生命の時代へ―は既に1990年代に英国王立建築家協会(RIBA)の企画・立催で開催され、パリ日本文化会館、ベルリン世界文化会館、シカゴ美術館等世界各国を巡回し、日本各地でも帰国展が開催された。
《参考》「メディア・モンスター:誰が「黒川紀章」を殺したのか?」著:曲沼美恵/草思社2015
黒川紀章という建築家には、過小な評価と過剰な評価が共存する。ある特定の世代には、2007年の都知事選へ出馬した際の泡沫ぶりが印象深いことだろう。またある世代においては、日本初の建築運動「メタボリズム」を颯爽と牽引した先進性が記憶に残っているかもしれない。いずれにしても彼には、★毀誉褒貶(きよほうへん)という言葉がよく似合う。だが彼が打ち出した「共生」という概念を今一度振り返れば、その不安定さの中に彼の居場所があったのではないかと感じる。★「共生とは対立、矛盾を含みつつ競争、緊張の中から生まれる新しい創造的な関係をいう」と語った彼ならば、浮き沈みの激しい状態こそを、平穏なひと時と感じていたかのもしれない。本書は、そんな黒川紀章の人生を600ページを越える分量で描き出した評伝的ノンフィクションである。彼の手掛けた建築物の一つ一つを中心に据えるのではなく、その思想や出来事を連ねて一つの創作物に見立てたらどのように見えるかといった趣きで構成されている。「メディア型建築家」としての異名を取り、「饒舌過ぎる男」として数々のメディアに露出し、高度成長期を時代とともに駆け抜けた建築家の思想や生涯とはどのようなものだったのか?彼の思想は、生命原理の基本コンセプトに殉じるという点において一貫性を持つ。有名な「メタボリズム運動」の語源も、元は生物用語で「新陳代謝」を意味する言葉である。1959年に黒川紀章や菊竹清訓によって構成された日本の若手建築家・都市計画家グループは、西洋的な価値観に基づく永久建築を否定し、社会の変化や人口の成長に合わせて有機的に成長する都市や建築を提案した。黒川自身も、新陳代謝という時間の流れの中で、古いものと新しいものが共存する一瞬のひと時を、建築物という形でシャッターに収めていった。その代表的なものが、奇抜なデザインとして知られる銀座の中銀カプセルタワービルである。この建設に先立って、彼が唱えたカプセル宣言(1969年)は、今読んでも非常に興味深い内容となっている。
・・・「黒川建築」大阪にも多く現存しており、それが私を呼ぶのだろうか?先日訪問をした名古屋市美術館も。
460-0008名古屋市中区栄二丁目17番25号(芸術と科学の杜・白川公園内)052-212-0001
http://www.art-museum.city.nagoya.jp/
名古屋市美術館は★2021年1月5日(火)に再開します。再開後は、延期していた常設展及び特別展を以下のスケジュールにて開催します。詳細は今後、当サイトにてお知らせします。
http://www.art-museum.city.nagoya.jp/blog/
《NEWS》2020.12.7和歌山経済新聞より
開館50周年記念展「美術館を展示する和歌山県立近代美術館の★サステイナビリティ」が現在、和歌山県立近代美術館(和歌山市吹上1、TEL 073-436-8690)で開催されている。1963(昭和38)年、和歌山城(一番丁)内に創設した和歌山県立美術館が前身の同施設。1970(昭和45)年に和歌山県民文化会館(小松原通1)1階に県立近代美術館が開館し、1994(平成6)年に現在の場所へ新築移転した。今回の展覧会では、同館の活動の積み重ねと取り組みを紹介する。同展は7章構成。1章は、ポスターや刊行物を展示し、展覧会の歴史やコレクションの変遷を紹介する。2章は、同館と併設する県立博物館の建築に着目し、建築家★黒川紀章と工事の映像資料、模型などを紹介。3章は、調査研究・収集活動を取り上げ、学芸員が用いる道具や報告書などを作品と共に展示する。4章は寄贈作品のエピソードを紹介。5章は作品を展示する作業など、展覧会の裏側を見せる。6章は支える仕組みをテーマに地域の人々とのつながりを紹介。7章は未来に目を向け、来場者の意見を募る。 学芸員の青木加苗さんは「今回の展示で当館自体に関心を持ってもらえたらうれしい。同じ作品でも、展覧会ごとの切り口や人の意見を聞くことで見え方が変わる。作品で過去を感じるだけでなく、地域の人たちと一緒に今や未来を考えていきたい」と話す。開催時間は9時30分~17時、月曜休館。入場料は、一般=350円、大学生=240円。高校生以下・65歳以上・障がい者・県内在学の外国人留学生無料。「和歌山県立近代美術館 コレクションの50年」のチケットで入場可能(当日のみ)。20日まで。
《和歌山県立近代美術館》
640-8137和歌山市吹上1-4-14/073-436-8690
★開館50周年記念「コレクションの50年」
2020年9月19日(土)~2020年12月20日(日)
1963年和歌山城内開館の和歌山県立美術館を前身とし、★1970年和歌山県民文化会館1階にて23年間の活動後、1994年に現在の場所へ新築移転、今年開館50年を迎えた。それを記念して開催する今展は、和歌山県立美術館時代の収蔵作品83点を引き継ぎ、半世紀にわたり約13,000点の作品を収蔵するまでになった。多くの人に支えられながら築かれたコレクションを観覧しよう。
★開館50周年記念「美術館を展示する」
和歌山県立近代美術館のサステイナビリティ
2020年12月1日(火)~12月20日(日)
http://www.momaw.jp/exhibit/now/2020sustainability.php
美術館や博物館は、長く時間を積み重ねることを前提としています。「コレクションの50年」展で紹介する「収集」活動に加え、作品をより良い状態で次の世代に引き継ぐ「保存」のほか、それらを支える「調査研究」は、活動が蓄積されることによって意味を成します。「展示」や「展覧会」は、より多くの人に美術や美術作品の価値を伝え、また社会に多様な視点や議論を生み出す場としての役割を担っていますが、それはつまり講演会やワークショップなどの特別な機会でなくとも、展覧会自体が「教育普及」的側面を持っているということです。★こうした場が常に地域にあることが、誰しもに開かれた学びの場を保証することにつながっています。ではどのようにして美術館はその活動を続けていけるのでしょうか。もちろん運営という面では財政的課題がありますが、コロナ禍によって極端な集客を求められなくなったいま、都会や地方の隔てなく、多くの美術館が活動のあり方を探っています。当館もまた例外ではありません。しかしすでに50年という活動を続けてきたなかにはヒントがあるはずです。地域社会とのつながりに目を向けながら美術館活動を継続すること、そして当館がこの地にこれからも根を張っていくことを★「サステイナビリティ(持続可能性)」と捉え、これまでの活動とこれからの課題を検討します。
《参考》「和歌山県民文化会館」
640-8269和歌山市小松原通り一丁目1番地/和歌山県庁正門前
http://www.wacaf.or.jp/index.html
2020年11月、和歌山県民文化会館は開館50周年を迎え、「奏でる50周年」と題して皆様への感謝と新たな未来にむけたコンサートを開催致します。本県を代表するアーティストを特別ゲストに迎え、一層優雅な彩を添えていただきます。50年の歳月と新たな未来に思いを馳せながら演奏会をお楽しみください。
《NEWS》2018.5.23和歌山経済新聞より
和歌山県立近代美術館のスタンプラリーが3周年/50点を超える手作りグッズ
和歌山県立近代美術館(和歌山市吹上1、TEL 073-436-8690)のスタンプラリー企画が4月、3周年を迎えた。国内外の版画収集で知られる同館は、来館者に繰り返し通ってもらう工夫として2015年4月から「消しゴムはんこ」のスタンプラリーを始めた。来館者に配布する台紙に展示ごとに新しいスタンプを押し、数に応じて小・中・大の缶バッジを贈呈する。スタンプの図案や彫刻から、台紙デザイン、缶バッジの制作まで、すべて美術館スタッフの手作りだ。2017年度までにスタンプ30点以上、缶バッジ40点以上、他にも手ぬぐいやトートバッグなどオリジナルグッズも製作した。スタンプラリーは、学芸員の青木加苗さんと受付スタッフの橋詰友里さんが考案。青木さんがコンセプト作りと台紙・缶バッジのデザインを担当し、橋詰さんがスタンプ図案を描き、はんこを製作した。2015年6月に開催した展示 「くりかえしの美」で、スタンプ製作に精密な加工が必要になったところ、受付スタッフの栗生恵里さんがデザインカッターの技術を使って、消しゴムにミリ単位で精巧なスタンプを彫ったという。それ以降は3人でスタンプラリーを運営する。栗生さんは「製作時間は難しい図案で4時間ほど。スタンプが台紙に並んだ時、面白い動きや形になるように彫り方を工夫する。スタンプラリーはあくまでも展示のオマケだが、来館者がコレクションしたくなるオマケにしたい。最近では学芸員さんや受付の同僚もアイデアを出してくれる。美術館全体で運営できて楽しい」と話す。橋詰さんは「図案作りは展示作品の中から1つを選び、作品のどの部分を切り取るかがポイント。展示作品はカラーでも、はんこは台紙に黒の一色で写る。この時に見栄えよく、かつ展示を象徴する図柄を考えることが難しい」と話す。「高校生カップルがスタンプの完全収集のために通ってくれたり、記念バッジを選ぶ大人が『どれもすてきで決められない!』と悩んだり、世代を問わず美術館を楽しんでもらえてうれしい。今後も当館ならではの『来てみてのお楽しみ』で来館者を迎えたい」とも。開館時間は9時30分~17時、月曜休館。常設展の観覧料は、一般=340円、大学生=230円。高校生以下及び65歳以上無料。
《NEWS》2020.11.28ニュースわかやまより
もはや版画/消しゴムはんこ、近代美術館知らない世界と出合う機会に
手作りと思えない完成度の消しゴムはんこ。和歌山県立近代美術館(和歌山市吹上)の職員が彫ったもので、展示作品の一部を切り取った独特のデザインと細かな技術が、「もはや版画の域」と知る人ぞ知る人気だ。これを使ったスタンプラリーを常時行っている。郷土作家の作品や国内外の近代版画収集に力を入れる同館。定期的に訪れてもらう工夫を考えていた青木加苗学芸員が2015年、受付職員と始めた。はんこの図案、加工、スタンプの台紙と全て職員の手作り。県出身の日本画家、野長瀬晩花が描いた「島の女」は足先、創作版画家、前田藤四郎の「時計」は手元のアップと、題材は展示品から選ぶ。5年半で作ったはんこは約50点。集めたスタンプの数で手作り缶バッジやマグネットなどをもらえる。表現豊かにはんこを彫る栗生恵里さんは「図柄や白黒のバランス、彫り方で押した時の印象が変わる。題材になった作品を見つけるのもオススメです」。地元の高校生カップルや小学生、高齢者と幅広いファンが親しんでいる。青木学芸員は「本来は捨てられていてもおかしくない昔のチラシが作品として並ぶ企画展もあり、このはんこも残したいと思ってもらえる存在が目標です。美術館は知らない世界に出合える場所。スタンプラリーをきっかけに足を運んでほしい」と目を細める。12月1日㊋〜20日㊐開催の企画展「美術館を展示する」で、スタンプや台紙をまとめて展示する。また年末まで、開館50周年に関する同館のラッピングバスかポスターを携帯電話で撮影し見せると、過去のスタンプを押せる。
《和歌山県立博物館》
https://www.hakubutu.wakayama-c.ed.jp/
和歌山県立博物館は、1963年に創設された県立美術館を前身に、★1971年4月に和歌山県教育委員会所管に属する公立博物館として和歌山城二の丸跡に設立されました。その後1994年7月に、現在の和歌山城南側・和歌山大学教育学部跡地に移転し、県立近代美術館とともに新たに開館しています。
当館は、和歌山県内に残された豊富な文化財を後世に伝えるため、和歌山県ゆかりの文化財及び博物館資料を、積極的に収集・保管・調査・展示し、その成果を一般に普及するための事業を行っています。館蔵資料の購入・受贈および寄託資料の受託による収集活動は、資料収集基本方針に基づいて、高野・熊野信仰に関する資料や紀伊徳川家ゆかりの品など8項目の分野に関わる資料を収集しています。資料の保管にあたっては、文化財の材質に応じた温湿度の厳密な管理を行うために、収蔵庫(6室)及び展示ケース内には独立系統による間接式の空調を導入し、24時間運転を行っています。また、総合的虫菌害管理を行うとともに、文化財の様々な劣化要因の予防にも日常的に留意しています。館蔵資料・寄託資料及び県内の指定文化財については、独自のデータベースを構築しており、資料の管理・研究に利用するほか、一部を来館者用館内端末及び当館ウェブサイト上で一般に公開しています。文化財所有者や市町村教育委員会などとの協力体制を構築することにより、その価値を認識されないまま県内地域に残されている多くの文化財を積極的に調査・研究し、その成果を展示や研究発表のほか様々な媒体・手法により、全国に情報を発信しています。その結果、調査・研究した資料が指定文化財となる場合も多くあります。展示は、きのくに─和歌山県の3万年の歴史を紹介する常設展「きのくにの歩み─人々の生活と文化─」と、県内の文化財や歴史を主題とした特別展(年間2本)・企画展(年間5~6本)を、常設展示室及び企画展示室を柔軟に使い分けながら、展示される文化財が劣化しないように常に配慮を加えつつ、年度計画により開催しています。展示解説については、展示図録・ミュージアムトーク・子供用クイズ・音声ガイド(自主制作)などにより、多様な来館者の要望に対応できるように配慮してます。講演会・博物館講座・文化財情報コーナーの運営及びホームページの公開など、一般向けに様々な形態の普及活動を実施していますが、将来の地域文化財保護の担い手となる児童・生徒・学生に対しては、観賞・見学にとどまらず、職場体験学習・学生ボランティアなど、多様な活用形態がみられるようになった学校教育との連携を積極的に行うことを重視して、内容の充実に努めています。なお当館は、文化財保護法第48条の規定に基づく文化庁長官による国宝・重要文化財の勧告出品を行う全国15施設のうちの一つであり、また1997年2月に地域の文化財の保存と公開の拠点となる施設として、文化財保護法第53条の規定に基づく「公開承認施設」に認定され、現在に至っています。
●企画展「屛風の美 -収蔵品の名品から-」
2020年12月5日(土)~2021年1月24日(日)
屛風は古くから調度品として用いられてきました。蛇腹状に折り曲げて立てめぐらせ、六つの面をもつものを二つで一組とする「六曲一双」を基本としながら、二曲や八曲などの形状や、対をもたない一隻で独立した作品となるものなど形式は様々です。一隻を一続きの大きな画面として用いることもあれば、一扇ごとに異なる書画を貼りあわせて構成されることもあります。ダイナミックなパノラマ、一隻、一扇ずつの対であることを生かした画面の対比、正方形に近い二曲屛風の構図など、折れ曲がり展開する屛風は私たちの目を楽しませてくれます。このたびの展示では、和歌山県立博物館に収蔵されている屛風の中から物語、山水や和歌浦の景観、花木を描いた作品を中心にご紹介いたします。あわせて屛風と同じく対の美を楽しむ絵画や陶磁器も展示いたします。
・・・今回は時間がなく博物館や和歌山城に立ち寄ることができませんでした、また来ます。