・・・重要文化財の書院にお抹茶席が用意され、旧国宝の書院で抹茶を楽しめるのは中之坊のみ。久しぶりに「いっぷく」させていただきました。
【片桐石州】(1605~1673)
江戸時代初期の大名、茶匠、石州流の開祖。片桐且元の弟主膳正貞隆の子として摂津茨木に生まれる。従五位下に叙し、石見守貞昌と称し、三叔宗関と号した。父に従って大和小泉に入り、その死後大和・河内1万6400石の遺領を受ける。京都知恩院の普請奉行をはじめ、土木・作事にあたり、小堀遠州の後継者の観を呈した。1642年(寛永19)には関東の郡奉行となる。茶道は千道安の高弟桑山宗仙に学び、利休流茶法の奥義をきわめ、特に〈一畳半の伝〉をその究極として伝授した。
《當麻寺「奥院」》
639-0276 奈良県葛城市當麻1263/0745-48-2008
奥院を開山した誓阿普観上人は、知恩院の12代目の住職でもあります。当時、京都は南北朝分裂後の混乱で常に戦火の危険性に満ちていました。法然上人の夢告を得た誓阿普観上人は後光厳天皇の勅許を得て、知恩院本尊として安置されていた法然上人像(重文)を撰択本願念仏集(重文)や法然上人所縁の宝物とともに、當麻寺へと遷座し往生院(今の奥院)を建立したのです。以来、知恩院の住職が極楽往生を遂げる地として住職5代に亘り當麻寺奥院へ隠遁し、法然上人像を守りました。知恩院と対をなす奥院は浄土宗の大和本山として念仏流通と僧侶育成の道場となり、また當麻曼陀羅を日本全国に広める役割も果たし、多くの人々の信仰を集め、今日まで護持継承されて来た名刹です。本堂(重文)、大方丈(重文)、楼門(重文)、阿弥陀堂、庫裡等、今に残る伽藍に往古の宗教活動の偉大さがうかがわれます。
●綴織當麻曼陀羅(奥院本)
http://www.taimadera.or.jp/event/ev/203/
今から1256年前、奈良時代(西暦763)に中将姫によって織り上げられた極楽浄土の様子。織り上げた技法は「綴織」という超絶技法でした。上古の時代、「當麻曼陀羅」の登場は日の本の国の幕開けに開花した綴織文化の象徴でした。ただ残念なことに平安以降「綴織」の技法は我が国から消滅してしまい、江戸時代末の西陣への再伝来まで歴史から千年以上姿を消します。古来の「綴織」は當麻寺「當麻曼陀羅(根本曼陀羅・蓮糸曼陀羅)」の他に、正倉院と法隆寺にわずかな断片が残るだけです。日本の信仰史上また美術史上大変貴重な當麻曼陀羅。當麻寺奥院は、伝統と文化を後世に伝えるべく、国宝當麻曼陀羅完成当時の姿を復元するプロジェクトを平成元年に始動し、約10年の歳月をかけて「綴織」と当時の「染料」を再現し、綴織當麻曼陀羅完成させたのです。千年前から受け継いだ歴史伝統信仰文化を千年後の人々に當麻寺奥院はこれからも仏教信仰に基づいた「綴織」の保存・継承に取り組んで参ります。
●上村淳之画伯作襖絵「花鳥浄土」完成記念特別初公開/當麻寺「奥院」
2018年11月23日~12月9日
http://www.taimadera.or.jp/event/ev/129/
このたび當麻寺奥院「大方丈(重文)」のふすま絵として、日本画の大家であり文化功労者でもあられる上村淳之画伯に「花鳥浄土」を奉納いただきました。この「花鳥浄土」は日本画を原画として染め上げを用いて襖絵とする他に例を見ない作品で、「鶴」「四季花鳥」「四季水辺」「白鷹」「扇面」「蓮池」それぞれの間のふすまに「常に花が咲き、常に鳥が舞う極楽浄土の世界」が広がっております。
★上村淳之「花鳥浄土」特別公開
令和2年11月14日~11月29日
http://www.taimadera.or.jp/event/ev/213/
上村淳之先生作の襖絵「花鳥浄土」。6室30枚60面からなる大作を特別公開。重要文化財「大方丈」や通常非公開の庭園とともに、この秋一般に特別公開いたします。今年令和2年(2020)は當麻寺奥院が京都知恩院の奥之院として開創された応安3年(1370)から数えてちょうど650年を迎える年です。開創650年に先立つ平成30年、奥院の重要文化財建造物「大方丈」に上村淳之先生作の襖絵「花鳥浄土」が奉納されました。6室30枚60面からなる大作です。「日本の四季」を六室それぞれに趣を変え、植物と鳥で表現した「花鳥浄土」。重要文化財「大方丈」や通常非公開の庭園とともに、この秋一般に特別公開いたします。
http://www.taimadera.or.jp/about/facilities/daihozyo.html
大方丈は慶長17(1612)年に建立され、平成20年から8年がかりで解体修理。24年に上村さんが奥院を訪れた際、川中光教住職が襖絵の制作を依頼していた。これを受け、上村さんと染色のコーディネーター役を務める悉皆業★山本六郎さん、専門の染め職人を含む7人がプロジェクトチームを結成。2018年1月から染め作業に取りかかった。完成した襖絵は計6室の60面で構成。雪景色の中で天に向かって鳴く鶴や、木の枝に止まった白い鷹、色鮮やかなキセキレイなどの花鳥画が表現されている。上村さんは「良い作品に仕上げていただいた。みなさんを清らかな世界に案内できれば」と話している。
https://www.sankei.com/west/news/181122/wst1811220009-n1.html
・・・「3つの忘れもの」すべて拾い集めることができ、大満足の秋。