《団扇》Wikiより
「うちわ」は熟字訓である。大型の翳(は)に比して実用的な小型の翳と区別され、それを用いて★害(ハエや蚊などの虫)を打ち払うことから「打つ翳」→「うちわ」となったのが一般的な説である。病魔などを撃ち払う魔除けの意味もあったとされる。「扇」はもともと、観音開きの戸が羽のように開閉する様を表していて、それによって風が起こることに由来しているとする説がある。「団扇」は、中国由来の熟語である。「団」は「まるい」を意味する(「あつまる」の意味は派生である)。「だんせん」と音読みもする。
・・・団扇を作りながら、この素晴らしさを多くの人に伝えたいと思うのです。
・・・「電撃殺虫ラケット」は、昔のウチワのような役割ですね。
古来、うちわは木製品、鳥毛や獣毛、蒲葵(びろう)や芭蕉の葉にはじまり、もっと大型で、「あおぐ」ためより★「はらう」「かざす」ためのもので、威儀、儀式、縁起、祈願、軍配、行司、信仰、占いなどにつかわれた。その後、形態や材質は時代によって変化してゆき、室町時代末、軽くて扇部がへたらない構造として、★竹骨と紙を素材とする現在のかたちとなる。江戸時代にはいると一般大衆に普及し、町民文化が花開くとともに涼や炊事、装いや流行、★蛍や虫追いなど、さまざまな場面で利用された。明治時代には、その美しい図柄の団扇は外国人に高い評価を得て盛んに外国に輸出された。商家の配布用としての需要も急増し、裏面に名入れ、表面には商品や様々なメッセージが織り込まれ、広告媒体としての意義を備えていった。印刷業界では企業・団体が販促、宣伝などを目的に配布される夏の団扇と冬のカレンダーは重要な季節商品であった。昭和40年代以降、扇風機やクーラー、ガスや電気のコンロの普及など、生活環境の著しい変化により実用面は縮小するものの、夏場を中心に涼をとる生活の道具、花火大会など日本の★風情を楽しむおしゃれの小道具、炊事の道具、広告の媒体としての★利用は今も盛んである。
《蛍狩り》新宿区おとめ山公園は、江戸時代きっての「ホタルの名所」/SUUMOジャーナルより
https://suumo.jp/journal/2016/06/24/113459/
江戸時代の蛍狩りのやり方は、★団扇(うちわ)に長い柄を取りつけたり、笹竹を持ったり、たまに網を使って蛍を捕まえ、蚊帳(かや)などの端切れや竹細工の虫かごに入れて楽しんだという。
《参考》「うちわ印刷キング」(イタミアート/オリジナルうちわ印刷事業部)
700-0945岡山県岡山市南区新保660-15/086-805-4153
◆「うちわであおぐ事は果たして本当に涼しくなっているのか?」
誰もが思っていたであろう事について 科学的に解説された米カリフォルニア工科大学の理論天体物理学教授スタール・フィニー氏がおられます。あおぐことは筋肉運動ですので身体から熱が発生します。 ということは、涼しくなるためにうちわを使うのに、そのために熱を発生させているのは本末転倒なのではないか。しかし結論からいうと、うちわであおぐ事は「効果がある」のです。人間がじっとしているときに発生する熱エネルギー。これは普段は消費カロリーという 特に女性にはおなじみの呼ばれ方をしていますが これ、電力のワット数に換算するといかほどか、ご存知でしょうか。 男の大人の人がじっと椅子に座っている状態で、100ワット。よく言われる、「トイレの電球」は40~60ワットですから 電球だとしたらずいぶん明るく照らせます。とはいえ、ここにうちわをあおぐ事で発生する熱量をプラスしたとしても微々たるものです。世のダイエッターならご存知かと思いますが、 人間って意外なほどに熱量消費しません。さて、そこが分かったところで次はうちわの風で涼を取れるのかどうか、というところ。人間の体の表面は、数ミリ程度空気が動かない層があります。難しくいうと、「境界層」というものです。 実際、人間の周りの空気が動くのはこれの外側での事。 しかし、この「境界層」、空気は動きはしませんが 「層が薄くなる」「厚くなる」ことはあるのです。そして、どうしたら薄くなったりするかというと、この境界層の「外側の空気」が速い速度で動くほどに境界層が薄くなる=熱が下がる=涼しくなる という原理です。というわけで、うちわをあおぐ事によって発生する熱量は大したことないが、★あおいで空気を素早く動かすことで熱が下がる、という事ですから、うちわであおぐ事は立派に涼しくなるってことなのです。(引用元:ウォール・ストリート・ジャーナル)
《参考》うちわのあおぎ方のコツ/松本ギフトより
https://matsumoto-gift.com/contents/info10.html
確かに力を入れてパタパタとあおぐと、強い風がきて涼しくはなります。しかし、同時に消費するエネルギーも激しく、熱や疲れが蓄積してしまい、効率のよいあおぎ方だとは言えません。最も効率のよいあおぎ方は、★大きくゆっくり動かすことだと言われています。また、左右ではなく★上下にあおぐのがポイントです。このポイントには、★可動域を広くする理由も含まれます。さらに、通常冷たい空気は下に沈む性質があり、下から上に向けてあおぐことで冷たい空気を上手に取り入れることができ、より涼しく感じられるのです。パタパタと力任せにあおぐよりも見た目も断然美しくなりますし、ぜひ一度お試しいただければ幸いです。
・・・なんと透明な団扇まであるとは、たぶん絹が張られた高級品でしょう。
★《今様邯鄲》/作:喜多川歌麿/慶應義塾大学「高橋浮世絵コレクション」より
http://dcollections.lib.keio.ac.jp/ja/ukiyoe/0891
・・・解説等には「唐団扇」などと表記されていますが、
《参考》「漢服用団扇」
http://www.spring-sounds.com/category.php?id=101
★特別サイト《印象派の画家マネ・ルノアールに描画された団扇》/家田紙工株式会社より
500-8023岐阜市今町3丁目6番地/058-262-0520
https://www.iedashikou.com/index.php
調査研究・文:AAM- L'association des arts et métiers franco-japonaisフランス政府認定NPO団体・仏日芸術伝統工芸協会代表:高木美香
https://www.iedashikou.com/monet-renoir/index.html
「美術貿易品としての団扇」
https://www.iedashikou.com/monet-renoir/02-2/index.html
◆香川といったらうどん…ではなく、うちわ!
いろんな歴史のあるうちわですが、 現代ではいささか扇子にそのポジションを席巻されております。 だがしかし、うちわは日本の★伝統工芸品。 れっきとした認定も受けている由緒正しい工芸品なのです。現在、国内のうちわはどこで生産されているかというと、なんとその9割を担うという、香川県は★丸亀市であります。あなたのうちわも私のうちわも、みな出身は丸亀。香川といえばうどん、の認識を変えねばなりません。これからは香川といえばうちわ、です。そもそもなぜ丸亀市でうちわ産業が栄えたか。「香川といえば」…にはもう一つあって、「香川といえばこんぴらさん」。日本人なら誰しも聞き覚えのあるこの名前、正確には「金刀比羅宮」といいます。この神社は当初は海上交通を司る神様として信仰されましたが、それが一般庶民にも広まりお参りに行く人々が増えました。そのためもあって、ここへの参拝のためにいくつかの道が街道となり、その中でもっとも利用者が多かったといわれるのが丸亀街道。道が平坦でこんぴらさんまでの距離も比較的短く、なおかつ港もあったので 船でやってきた参拝者が多数利用したわけです。ここで、金毘羅権現のお偉いさんがはたとひらめき、この金毘羅さんの家紋は羽団扇。(大体団扇紋というのは神官の家に多く見られます) そうだ、これをモチーフにして、うちわを土産物として売り出そう!と思い立ち、結果大成功。以来金毘羅参りのお土産には丸亀うちわ、というのが 定番になったのであります。また、当時の丸亀藩は江戸末期には火の車だったそうで、それを支えるために下級武士にうちわづくりを内職としてやらせていたという事情もあり、こうしたことも産業として発展した背景があるようです。さて、この丸亀うちわ、現在では悲しいかなその生産の8割がポリプロピレン製品。街角でよく配られているような白い樹脂製のものです。現代ではうちわといえばああいったものがほとんどですが、昔ながらの工芸品である竹と和紙でできたうちわ、樹脂製のものとは全くの別物です。今までのうちわは一体なんだったの!というくらいの 風力、しなやかさ。一度使ったら間違いなく他は使えません。
《丸亀うちわ》
★うちわの港ミュージアム
763-0042香川県丸亀市港町307-15/0877-24-7055
★うちわ工房「竹」
763-0025香川県丸亀市一番丁丸亀城内/0877-25-3882
※あおぐ効率アップ非対称うちわ「Ojigi」/2013.7.31日経電子版より
猛暑の夏。手軽に涼をとれるうちわだが、出先に持っていきにくいのが難点だった。五八PRODUCTS(東京都三鷹市)の「Ojigi(オジギ)」ならば、実用性と携帯性ともに優れている。香川県の伝統工芸、丸亀うちわの工房との共同開発で、竹と和紙でできた本格派だ。紙の面は通常のうちわと違って長方形。しかも柄と面の中心軸をずらし、名前の通り、少しお辞儀をしたような形に角度を付けている。珍しい左右非対称のうちわだが、この工夫によって、手に持ってあおいだ時に風が効率よく顔や体にあたる。電車の中で使っても、隣に座る人をあおいで迷惑をかける心配はほとんどなかった。
https://5x8products.stores.jp/
五八(ごはち)とは商い用語で「五×八=四十(しじゅう)」 から、しじゅう来る客、つまり常連のお客様のことをさします。わたしたちは、地に根付いた伝統的な技術や商品たちが普段の生活の中で“しじゅう”使っていただけると嬉しい。そんな気持ちを込めて『五八』と名づけました。日本に残る伝統的工芸品や各地で根ざす技術。それらが、★「特別なモノ」としてではなく、現代のライフスタイルの「日常」に普通にとけ込めるような商品を提案します。
・・・「伝統工芸品」もそうですが、アートが「日常」に普通にとけ込めるように「玉手箱プロジェクト」も展開しています。