・・・さて「ミドリ」について、
◆「お香」/お香と癒しと健康研究普及会より
香(こう)とは、本来、伽羅、沈香、白檀などの天然香木の香りをさす。そこから線香、焼香、抹香、塗香等の香り、またこれらの総称として用いられる。お香、御香ともいう。仏教の発祥地であるインドは多くの香木の産地であり、また酷暑の気候による悪臭を防ぐために、香は重要な役割を果たしている。仏教では、香を焚くと不浄を払い心識を清浄にするとされ、仏前で香を焚き、花や灯明とともに仏前に供することを供養の基本としている(「香華を手向ける」という言葉がある)。また仏像、仏具の材料として香木を用いる事も多く、経典の中にも香についての記述は多い。仏教と深い関わりがある他、多くの宗教でも用いられている。キリスト教では正教会が振り香炉などで頻繁に用いる。香の歴史はかなり古く、紀元前3000年前のメソポタミア文明のころまで遡る。種類も多く、白檀、丁香などのように樹木の皮、葉、根などの粉末や、乳香、安息香など、芳香のある樹脂や麝香、竜涎香など動物性のものがあり、ふつう香木(明香)と練香(煉香、合香)とに分けられる。また使用方法の違いで、焚いて使用する香(焼香)と、焚かずに体に塗る香(塗香)に大きく別けられる。このうち焼香も形状によって、棒状、コイル状、渦巻状の線香・粉末状の抹香に別けられるが、種類は多種に上る。香の香りをかぐことで、脳内にアルファ波や、エンドルフィンなどの心地よさをもたらす物質が分泌され、癒し効果がある。
《参考》香炉灰
・珪藻土灰/珪藻土とは、藻類の一種の珪藻の殻の化石からできる堆積物で、それを燃やした白い灰が珪藻土灰です。お線香立てとしてポピュラーな灰です。
・藁灰/藁を燃やして作った灰です。軽くて通気性が良いため、お線香が燃え残りにくく、お線香立てに最適です。
・菱灰/ヒシの実の殻を焼いて作った茶褐色の灰です。香炉で使用されることが多い灰です。
それぞれのお値段の相場を比較すると、珪藻土灰 < 藁灰 < 菱灰 という感じです。珪藻土灰で十分ですが、藁灰の方がお線香が燃え残りにくいため、お手入れが簡単という方もいます。
◆「杉線香づくり100年」線香職人:駒村道廣/セブンイレブン広報誌「緑の風」より
http://www.7midori.org/katsudo/kouhou/kaze/miserarete/11/index.html
お線香といえば、墓参りに使う★緑色の線香。杉の葉を水車で粉にしてつくる杉線香。原料も設備も動力もすべて自然の恵みに頼るその製法は、100年間少しも変わっていない。筑波山麓の渓流になつかしい音が響く。杉線香づくりの老舗、「駒村清明堂」(茨城県石岡市小幡)の水車の音だ。五代目の当主、駒村道廣さんがつくる杉線香は杉100%。水車で動く杵が原料の杉の葉を搗(つ)くたびに、さわやかな緑の香りがよみがえる。「水車の、この“遅さ”がいいんだね。もちろん機械なら、もっとはやく大量に粉にできるけど、じっくり搗かないと、杉の葉が熱をもってせっかくの香りがとんでしまう。そば粉と同じ理屈ですよ。それに砕いた後、また固めて、一本のお線香にするんだから、断面ができるだけ粗くならないように、水車でていねいに砕いたほうがくっつきやすい。だから一日半から二日かけて、ゆっくりゆっくり搗くんです」篩(ふるい)にかけてさらに細かくした杉の葉の粉を、清流の水を沸かしたお湯で練りあげて、成型する。使う材料はそれだけ。糊やつなぎの類はいっさい入れない。「お湯で練っているうちに、自然と固まってくるんですよ。杉に含まれるヤニが糊のかわりになるんです。ただ、その練り加減が難しい。原料の質やその日の天気によって、粘りも香りも微妙に違ってくるからね。この杉線香の香りというのは、原料に何かを混ぜたり、加えたりして、“つくれる”ものじゃありません。私たちは杉本来の香りを、ただ引き出しているだけなんです。だからこそ、ごまかしが利かない。先代からも、とにかくまじめに、正直に仕事をしろと、きつくいわれたもんです」線香づくりは秋から冬にかけて、原料の杉の葉を調達するところからはじまる。駒村さんによると、あまり樹齢の若い杉の葉は、線香に適さないのだという。「うちでは、樹齢50年以上の杉だけを使っています。木が若いと、どうしても粘りが足りないんですよ。人間と同じでね(笑)。昔からこのあたりの山では、香り、粘りともお線香に最適の杉が採れました。ところが、近ごろはその宝の山がほったらかしにされている。山主さんはあまり木を伐らず、植林もしません。
お線香の原料だけでなく、水車や水路をつくる材木も、地元で手に入れるのがだんだん難しくなってきました。ほんとうは“地産地消”が一番いいんだけどね」杉線香づくりに必要なのは山の恵みだけではない。駒村さんの先祖は約100年前、この地に移り住んだ。豊かな清流と、水車を回すのに適した地形があったからだ。「明治から大正時代にかけて、この近所だけでも10軒以上の水車小屋があったそうです。もともとこのあたりは水車で商売をする人が集まってできた集落ですからね。私が子供の頃はまだ、水車で菜種油を絞ったり、そばやうどんの粉を挽(ひ)いたりしている家が、何軒か残っていました。それがいつの間にか少なくなって、気がついたら、水車が回っているのはうちだけになっていた。まあ、無理もないでしょう。水車で杉の粉を搗くのも、小麦を挽くのも、手間がかかるばかりで儲からない商売ですから」現在、県内で水車を使った線香づくりを受け継いでいるのは駒村清明堂だけだ。その珍しさもあって、最近は線香を買うついでに水車を見ていく人が増えたという。「環境学習の一環で見学にくる小・中学生も多いのですが、接していて面白いなと思うのは、大人と子供で反応が違うんですよ。子供のほうが素直に水車のしくみに興味をもってくれる。大人は機械万能の世の中に毒されているのでしょうか。ひととおり説明しても、『すごいですね。それで、モーターはどこにあるんですか』と聞いてくる人がいるくらいですから。それにみなさん、『大変ですね』と心配してくれるんだけど、正直なところ、そういわれても困るんですよ(笑)。こっちは大変だと思っていないし、そう思っていたらとてもできる仕事じゃない。結局は、平成の便利な生活より明治の暮らしのほうが、私の性分にあっているということでしょう。自然の力をうまく活かせば、ここでは何も不自由することはない。100歳の現役水車にそう教えられている気がします」
【駒村道廣】1954年茨城県石岡市生まれ。明治時代からつづく線香製造業「駒村清明堂」の五代目として、伝統的な杉線香づくりの技をいまに伝える。製造から販売・営業までこなす傍ら、見学や作業体験の受け入れも行い、その丁寧な解説が参加者の好評を博している。
★「駒村清明堂」315-0155茨城県石岡市小幡1899/0299-42-2819
https://www.e-consul.info/iba/isi/kms/
《杉線香》
杉の枝葉はお線香にしたら若干緑ではありますが、時間が経つと★茶色になりますので、緑色に着色されています。その昔、高級線香である匂い線香(たぶ粉というつなぎを使う)と、安価な杉の木で作ったお線香(香りがいいわけではない)を区別するために、あえて色が付けられたとのこと。なぜ緑なのかはいろいろ説があるようですが、茶色といっても材料の部位や季節によりいろいろな茶色のお線香ができてしまうのですが、、その茶色を均一にするのは大変だったようです。濃い緑色が一番染めやすく、安価あったからが有力です。
※天然香料で作られたお香は、茶系の「どどめ色」と表現されることもありますが、
この言葉は人や地方によって解釈が異なるものであるが、主には桑の実が関連する色である。「どどめ」とは、埼玉県や群馬県など関東の養蚕が盛んな地域で古くから使われている方言であり、蚕のエサである桑になる実の事を指す。それが転じてどどめ色は桑の実の色として使われる。桑の実は熟すにつれて赤色から黒紫色へと変化するため、人によって意味する色が異なる原因にもなっている。また比喩表現としては特に熟した桑の果実を潰した際に紫色の汁が皮膚に付いたその状態にちなんで、青ざめた唇や青アザになった皮膚を表現する。 他には土木業界において「土留め(どどめ、またはつちどめ)」という処置を施す際に使う板が汚れた★泥色になったことを言うという説がある。なおその木材に桑の木の板が使われることもあり、また堤防の植木として桑が植えられることもあるが、関連は不明である。(Wikiより)
《参考》公開特許公報(A)_着色線香用組成物/生命科学関連特許情報
https://dbsearch.biosciencedbc.jp/Patent/page/ipdl2_JPP_an_2008214527.html
本発明は着色線香用組成物およびそれを用いた線香に関するものである。線香の一般的な製造方法としては、まず、杉葉,タブ(椨)葉,白樺樹脂等の粉末を主原料とし、これに結合剤としてタブ樹皮粉末、香料、その他の添加物を加えた上、適量の湯水を加えて混練しペースト状の線香用組成物を調製する。次いで、得られた線香用組成物を押出機にかけて適当な形状に押出成形し、これを裁断、乾燥して作られる。こうして製造された線香の色は、そのままでは原材料の色である★茶褐色であるため、市販されている線香は各種の着色剤によって着色されているのが通常である。線香の着色は、線香用組成物を調製する段階で着色剤を該組成物中に添加することで行われる。現在、線香用の着色剤として主に★マラカイトグリーンが使用されている。マラカイトグリーンは緑色の合成色素として従来から線香の他、衣類・紙等の染色に用いられてきた。しかし、最近では発がん性物質の可能性が指摘されており、食品衛生法により食品への添加が禁じられ、また薬事法により養殖水産動物への使用が禁止されている。線香の着色剤にマラカイトグリーンを使用した場合、製造者はマラカイトグリーンまたはマラカイトグリーンを含む線香組成物に素手で触れたり、製造過程で発生するマラカイトグリーンが混入した粉塵等を吸い込むこととなる。このため、製造者がマラカイトグリーンにより汚染される危険が高い。消費者にとっても、線香を使用する場合は素手で接触するのが一般的であるし、また線香が燃えたときに発生する煙を吸引することもある。そのため、消費者がマラカイトグリーンによって汚染される危険性もある。さらに、線香が燃え尽きた後の残渣中に含まれるマラカイトグリーンによる環境への影響も懸念される。本発明は、人体に害のない着色剤を用いた安全性の高い着色線香用組成物を提供することを目的とする。本発明者らは、上記課題の解決のため、鋭意検討した結果、線香に使用する着色剤として、人体への安全性が確認されている★食用色素およびそれらの混合物を使用することで、安全性の問題が解決できることを見出した。さらに本発明者らは、着色剤として用いる食用色素およびそれらの混合物をアルミニウム化合物でレーキ化することで、着色線香用組成物中の色素が水に溶け出しにくくなることを見出した。
本発明は、この知見に基づき為すに至ったものである。すなわち、本発明は(1)食用色素およびそれらの混合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の着色剤を含有する着色線香用組成物、(2)前記食用色素が、★食用緑色3号(C.I.Food Green 3)、食用黄色4号(C.I.Acid Yellow 23)、食用黄色5号(C.I.Food Yellow 3)、食用青色1号(C.I.Acid Blue 9)、食用青色2号(C.I.Acid Blue 74)、食用赤色2号(C.I.Acid Red 27)、食用赤色3号(C.I.Acid Red 51)、食用赤色40号(C.I.Food Red 17)、食用赤色102号(C.I.Acid Red 18)、食用赤色104号(C.I.Acid Red 92)、食用赤色105号(C.I.Acid Red 94)、および食用赤色106号(C.I.Acid Red 52)からなる群より選ばれることを特徴とする(1)記載の着色線香用組成物、(3)前記着色剤の含有量が、線香用組成物全体の0.1〜5質量%であることを特徴とする(1)または(2)記載の着色線香用組成物、(4)前記着色剤が、レーキ化されていることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項に記載の着色線香用組成物、(5)前記着色剤が、アルミニウム化合物によってレーキ化されていることを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1項に記載の着色線香用組成物、(6)前記アルミニウム化合物が、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、カリウムアルミニウムミョウバン、水酸化アルミニウム、ポリ塩化アルミニウムおよびそれらの混合物からなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする(5)記載の着色線香用組成物、(7)(1)〜(6)のいずれか1項に記載の着色線香用組成物を成形してなる線香。本発明において「線香」とは、仏事用の線香のみならず練香や蚊取り線香などをも包含するものである。その形状も線状に限定されず、渦巻状、板状等の任意の形状とすることができる。本発明において「食用色素」とは、食品用着色料として用いられる色素及びそれらの色素と同じ構造の色素(染料)を包含するものである。食品用着色料として用いられる色素は安全性を確保するために、その種類のみならず、純度についても食品衛生法により厳密な制限が設けられている。そのため同一構造の色素化合物であっても、それを食品用着色料として使用するためには、該色素化合物に含まれる不純物を精製した高純度品を用いる必要がある。一方、例えば工業用途に使用する場合は、該色素化合物が不純物をある程度含んだ状態であっても使用可能である。本発明で用いることができる「食用色素」とは、色素の構造が食品用着色料として許可されている色素と同じであればよく、純度については人体に悪影響がない範囲であれば特に限定されず、食品用途に要求されるほど高純度でなくともよい。 本発明の着色線香用組成物は、食用としても用いられている着色剤を使用しているため、人体及び環境への安全性が高い。また、本発明の着色線香用組成物は、水溶性の色素をレーキ化しているため、色素が溶け出しにくく屋内ばかりでなく屋外での使用に適した線香を提供することができる。 まず、本発明で用いられる着色線香用組成物について説明する。本発明の着色線香用組成物に用いられる着色剤は、食用色素およびそれらの混合物である。食用色素およびそれらの混合物としては、人体への安全性が確認されているものであれば特に限定されず、任意の色素を用いることができる。
なかでも、食品衛生法に規定される食用緑色3号(C.I.Food Green 3)、食用黄色4号(C.I.Acid Yellow 23)、食用黄色5号(C.I.Food Yellow 3)、食用青色1号(C.I.Acid Blue 9)、食用青色2号(C.I.Acid Blue 74)、食用赤色2号(C.I.Acid Red 27)、食用赤色3号(C.I.Acid Red 51)、食用赤色40号(C.I.Food Red 17)、食用赤色102号(C.I.Acid Red 18)、食用赤色104号(C.I.Acid Red 92)、食用赤色105号(C.I.Acid Red 94)、食用赤色106号(C.I.Acid Red 52)、およびそれらの色素の混合物が好ましい。 本発明の着色線香用組成物中に含まれる上記着色剤の量は、特に限定するものではないが、乾燥状態で線香用組成物全体の0.1〜5.0質量%が好ましく、0.2〜2.0質量%がより好ましく、0.3〜1.5質量%が特に好ましい。本発明の着色線香用組成物には、上述の着色剤以外に、線香の基材(整形剤)、結合剤、香料等が成分として含まれる。 線香の基材としては、杉粉末,タブ(椨)粉末,白樺粉末等、線香の主原料として一般に使用されているものを用いることができる。結合剤としては、タブ樹皮粉末等を用いることができる。香料としては、伽羅、沈香、丁子、白檀、乳香等の植物性香料や麝香、竜涎香等の動物性香料などの内から任意の1種または2種以上を適宜混合して用いることができる。また、蚊取線香として使用する場合は、上記の他に、除虫菊の有効成分ピレトリン等のピレスロイド系成分が含まれる。その他、防黴剤、結合助剤等の添加物を適宜加えてもよい。 次に、本発明の着色線香用組成物の製造方法について説明する。本発明の着色線香用組成物は、通常の線香製造工程において、従来使用されているマラカイトグリーンを添加する代わりに、着色剤として上述の食用色素を1種類または2種類以上混合して添加することにより製造される。本発明において、着色剤の添加形態に特に制限はなく、粉体、水溶液等の状態で用いることができる。その中でも、上記色素または染料を溶解した水溶液を用いることが好ましい。 また、着色剤の添加時期に特に制限はなく、通常の線香製造工程中の着色剤を添加する段階において添加することができる。 本発明の着色線香用組成物は、食用色素を添加して得られた線香用組成物そのままでもよいし、更にレーキ化を行って食用色素を不溶化した線香用組成物としてもよい。 本発明において「レーキ化」とは、水に可溶性の色素を金属塩またはその他の沈殿剤で水に不溶性の微粒子として沈殿させ、顔料とすることをいう。本発明において、レーキ化は線香組成物にレーキ化材を添加混合することによって行われる。 本発明のレーキ化に用いるレーキ化材(沈殿剤)としては、アルミニウム化合物を用いることが好ましい。アルミニウム化合物のなかでも、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、カリウムアルミニウムミョウバン、水酸化アルミニウム、ポリ塩化アルミニウムおよびそれらの混合物を用いることが好ましい。 レーキ化材の量は、線香用組成物中の食用色素をレーキ化することができればよく、食用色素の添加量に応じて適宜調整して用いることができる。好ましくは、食用色素の配合量に対して質量比で0.5〜10倍であり、さらに好ましくは0.6〜8倍であり、特に好ましくは0.7〜6倍である。 本発明において、レーキ化材の添加形態に特に制限はないが、アルミニウム化合物を溶解した水溶液を用いることが好ましい。 また、レーキ化材の添加時期に特に制限はなく、食用色素の添加と同時でもよいし、食用色素を添加する前または後であってもよい。 本発明の線香は、上記着色線香用組成物を押出成形加工後、裁断し乾燥させて製造する。本発明において、上記押出成形工程、裁断工程及び乾燥工程について特に制限はなく、通常行われている線香の製造方法に準じて適宜製造することができる。 以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。 各線香成分を下記の組成にて混合した後、約90gの水または湯を加えて混練し本発明の着色線香用組成物を調製した。得られた線香用組成物を、常法により、線状に押出成形加工後、裁断して、乾燥させ、線香を製造した。 線香成分の組成例1 木粉 80g 椨粉 20g 食用青色1号 0.50g 食用黄色5号 0.09g 食用黄色4号 0.05g 線香成分の組成例2 木粉 80g 椨粉 20g 食用青色1号 0.50g 食用黄色5号 0.09g 食用黄色4号 0.05g ポリ塩化アルミニウム 2.80g 線香成分の組成例3 木粉 80g 椨粉 20g 食用赤色102号 0.30g 線香成分の組成例4 木粉 80g 椨粉 20g 食用赤色102号 0.30g ポリ塩化アルミニウム 2.80g 組成例1〜4の組成にて調製した各線香の外観は、着色(発色)性および成形性の観点から従来の線香と遜色ないものであった。また、いずれの線香も屋内外での通常の使用には問題はないが、とりわけ組成例2及び組成例4の線香は、色素の耐溶出性が優れた。さらに、組成例1〜4の線香に着火して燃焼させ、従来品の線香との比較を行った。一般に線香は、燃え尽きるまでに一定の時間がかかりかつ途中で立ち消えしないような燃焼速度であること、燃焼時の煙の量が多すぎないこと、灰が一定の時間で落ちること、煤や炭の発生が少ないことといった特性を備えていることが要求されるが、本発明の着色線香用組成物を用いた線香は、これらの点において従来品と同等の特性を備えていることが確認できた。 以上のことから、本発明の着色線香用組成物を用いた線香は、着色剤として食用色素を使用しているため、人体への悪影響が懸念される従来の線香に比べて安全面において優れており、かつ使用時においては従来の線香と同等の効果が得られることがわかった。 食用色素およびそれらの混合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の着色剤を含有する着色線香用組成物。 前記食用色素が、食用緑色3号(C.I.Food Green 3)、食用黄色4号(C.I.Acid Yellow 23)、食用黄色5号(C.I.Food Yellow 3)、食用青色1号(C.I.Acid Blue 9)、食用青色2号(C.I.Acid Blue 74)、食用赤色2号(C.I.Acid Red 27)、食用赤色3号(C.I.Acid Red 51)、食用赤色40号(C.I.Food Red 17)、食用赤色102号(C.I.Acid Red 18)、食用赤色104号(C.I.Acid Red 92)、食用赤色105号(C.I.Acid Red 94)、および食用赤色106号(C.I.Acid Red 52)からなる群より選ばれることを特徴とする請求項1記載の着色線香用組成物。 前記着色剤の含有量が、線香用組成物全体の0.1〜5質量%であることを特徴とする請求項1または2記載の着色線香用組成物。 前記着色剤が、レーキ化されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の着色線香用組成物。 前記着色剤が、アルミニウム化合物によってレーキ化されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の着色線香用組成物。 前記アルミニウム化合物が、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、カリウムアルミニウムミョウバン、水酸化アルミニウム、ポリ塩化アルミニウムおよびそれらの混合物からなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項5記載の着色線香用組成物。 請求項1〜6のいずれか1項に記載の着色線香用組成物を成形してなる線香。【課題】安全性の高い着色線香用組成物およびそれを用いた線香を提供する。
《食用緑色3号》ファストグリーンFCF (Fast Green FCF)/Wikiより
緑色に着色することのできる着色料。食用タール色素に分類される合成着色料である。通称緑色3号(みどりいろさんごう)。常温では粒または粉末状の固体で、無臭である。分子式はC37H34N2Na2O10S3。分子量808.87。CAS登録番号 : 2353-45-9。主に工業製品の着色用途や食品添加物として使用される。旧厚生省は天然に存在しない添加物に分類している。食品用途には、菓子や清涼飲料への使用が多い。FAO/WHO合同食品添加物専門家会議(JECFA)の毒性試験では短期毒性、長期毒性および発がん性は認められていない。国際癌研究機関(IARC)の発がん性リスク評価においても発がん性が確認できていない(Group 3)。 EUでは食品添加物として認可していた(E Number:E143)。EUは1989年に通達89/398/EECにおいて「乳幼児期の児童に対しては健康上の特別な利益のない食品添加物を摂取させるべきではない」(89/398/EEC, Article 1)という方針を提示した。それを受けて2008年のEUの法律改正(REGULATION (EC) No 1333/2008)以降は許可されていない。またアメリカでは連邦食品・医薬品・化粧品法(FD&C法)のCHAPTER VII,SUBCHAPTER B--COLORSに基づき、"FD&C Green No.3"として食品(医薬品または化粧品)添加物として認可されている。
・・・長くなりましたが、環境のこと、人体への影響等について、美しさと安全・安心のために様々な創意工夫がなされていることに感謝します。私たちは、無害?なアートを心がけましょう。