・・・日本ブルーノ・ムナーリ協会代表・岩崎清さんが副館長をされている「ギャラリーTOM」、村山亜土・治江夫妻が、★視覚障害者だった長男・錬の「ぼくたち盲人もロダンを見る権利がある」という言葉につき動かされ、1984年に「視覚障害者のための手で見るギャラリー」として開設したということですが、
《白いルービックキューブ》
異なる6種の手触り!?「白いルービックキューブ」とは、6面すべて白1色の全く新しいルービックキューブです。各面の感触が異なるので、手触りだけで揃えることができます。
・・・手触りや材質の様々なルービックキューブが、開発されています。
■視覚障害者の数式処理を用いたRubik’s Cube解法学習の試み/福岡教育大学・藤本光史/数理解析研究所講究録より
https://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/handle/2433/141063
パズルを解くのに数学が使えることを体験する。ルービックキューブは数学を使って解くことが可能である。実習では難しい計算は自分でやらず、数式処理システム Gap を利用する。参加者には Gapで計算した通りに操作するとルービックキューブが完成することを体験してもらう。実際には3×3×3のルービック キューブでは時間がかかるので、2×2×2のタイプを一人一個配布して使う。 ルービックキューブの各面には手で触れてわかるように★点字シールが貼ってあるので、視覚に障害があっても実際に手で触って解くことが可能である。
★生徒の感想「さわって解けるルービックキューブは家にルービックキューブがあって、そのルービックキューブがなかなか解けなかったから、この実習を選びました。ルービックキューブの場合で 約 8 千万以上の組み合わせがあることには驚きました。」「ルービックキューブのすべての面をそろえることがとても大変でした。何度も挑戦して、やっと全面 がそろった瞬間は、とても気持ちがよかったです。」「.ルービックキューブは見たことはあってもやったことがありませんでした。最初は 1 面をそろえることができませんでした。でも解くための公式があることを知って、 2 回目に全部そろいました。 時間 がある時に 1 面をそろえようと頑張りました。 1 面がそろってうれしかったです。 2 時間半あっという間で楽しかったです。」「 ルービックキューブの授業では、やはり数学は奥が深く、複雑なのだと感じました。2×2×2の単純なポケットキューブから、何千万通りもの組み合わせが織り成されるなんて聞いた時には、自分の軽い覚悟とのギャップに落胆を覚えたくらいでした。」
《Braillecube》
この時代を超越したおもちゃを視覚障害者のニーズに合わせようとする試みです。触覚の経験により、色を「感じ」ます。 色の最初の文字は点字で立方体に元の立方体の色の順に書かれています。完全に白い立方体は、点字が読めないと立方体を解くことができません。目の見えない人にとって、通常の立方体を解くのは難しいでしょう。キューブのこのコンセプトは、視覚障害者にとって楽しいものであり、あなたが見ることができない場合、物事がいかに困難であるかについての意識を強化します。
《NEWS》2018.7.2毎日新聞より
大学倶楽部・女子美術大「ヒーリング・アート」視覚障害児も楽しんで/東京・杉並で展示
http://www.joshibi-healing.net/
女子美術大で心の癒やし効果を目的とした芸術「ヒーリング・アート」を学ぶ学生10人が、視覚障害のある子どもでも楽しめる「絵本」を制作した。素材に布や木を使ったり、ページをめくると音がしたりといった絵本の固定観念を超えた意欲作8点が、同大杉並キャンパス(東京都杉並区和田1)で開催した巡回展「世界のバリアフリー児童図書展」で紹介された。絵本を作ったのは、昨年度に横山純子専任講師(コミュニケーションアート学)のヒーリング・アートの演習を受講した4年生。筑波大付属視覚特別支援学校の幼稚部や育児学級の子どもと交流しながら、バリアフリーの芸術のあり方を考えてきた。「目の見えない子が楽しい本は、見える子にとっても楽しい」というコンセプトで制作したという。布を貼っていろいろな動物の手の形を触って感じられるようにしたり、ページをめくる時に動くビーズの音で魚が逃げていくイメージを表現したりと、アイデアが満載。表紙を開くと木製の小さなブランコが現れ、実際に揺らして遊べる「絵本」もある。「しかくのかたち」という真っ白な本は、中央にある小さな四角い箱が、周囲に配置された物によって電車やケーキなどに「変身」するのを楽しむ一冊。作者の高橋真奈美さんは、視覚障害児の触覚による認識能力の高さに驚いた経験から「従来のバリアフリー絵本は『目で見えるもの』を伝えようとして、本物と違う姿を教えている気がした。『四角』から自由にイメージを膨らませることができるようにした」と話す。同展は国際児童図書評議会が障害があっても楽しめる本や障害をテーマにした本など約50冊を選定し、2年に1度、全国を巡回している。横山講師は★「バリアフリーと言うが、バリアーを作っているのは自分たちだ、ということに気付くきっかけになってほしい」と話した。
・・・がんばれ「美大生」、若い方々の力が必要です。
★研究実践記録『ヒーリング・アートとさわる絵本』共著:横山純子・攪上久子
https://www.bf-ehon.net/archives/3299
これは女子美術大学ヒーリング表現領域と筑波大学付属視覚特別支援学校幼稚部とのコラボレーションプロジェクトとして取り組んだ絵本制作の実践記録です。さわる絵本の新しい視点の提案と、今まで取り組まれたことのない、見えない見えにくい子どもたちのためのさわる絵本研究の総括的整理も試みました。見えない見えにくい子どもたちのためのさわる絵本に、関心のある方に読んでいただければ幸いです。誌代は無料ですが、着払いか送料を切手などでご負担いただけましたなら、希望者に本誌をお送りします。
申込先/email:2.5ehon.studygroup@gmail.com