・・・ここ数年、「三曲屏風」のような作品を継続的に制作していますが、この形式にたどりついた経緯について書き留めておきたいと思います。
(1)水墨画や表装に取り組んでいた母が、高齢のため描かなくなり、多くの和紙や糊など画材を引き継ぐことになった。
(2)油絵を描かなくなった私は、アクリル絵具そしてコラージュによる作品を中心に制作していた。
(3)日本の伝統文化に強く興味関心を抱くようになり、茶室や庭園などを巡ることも多くなり、掛軸・襖・屏風など額縁とは無縁の自由な造形に惹かれていく。
・・・母が転倒骨折の際、腕に埋め込んでいたボルトを退院の際にいただきましたので、写経とあわせて作品にしました。
・・・「建具」「表装」「日本文化」をイメージしながら制作するようになり、直接的には、残念ながら描かなくなった母の「写経」(認知症予防?)を作品に取り込むことからスタートしました。
・・・65歳のデビュー「イシバシオサム展」の看板作品は、母の肖像です。唯一の写実的作品ではありますが、一番のお気に入りは「写経」を用いた頭髪部分の表現です。この作品の裏面?も、もちろん描いています。
・・・それでは、次回より現在の制作について報告していきたいと思います、お楽しみに。