・・・「新美術館」工事の進捗状況は、
・・・美術館建設現場にあった「円環型日時計」は、科学館裏に移設されていました。でもよくよく見ると「大阪市立科学館蔵/近畿日本鉄道寄贈1999」となっていますから、元のさやに納まったということかな?
・・・土佐堀川沿いには、まだまだ古い建物が残っており、いい雰囲気です。
《瑛長ビル》1978
530-0005大阪市北区中之島4丁目1-17
《旧graf bld.》2012.9.20
オフィス・ショップの移転のお知らせ
私たちはこれまで活動の拠点としてきたgraf bld.(グラフビル)を離れ新しいスペースへと移転をすることに致しました。今日までこのビルを通じ活動を応援してくださった全ての皆さまにスタッフ一同、深く感謝申し上げます。このビルを舞台に繰り広げられたたくさんの出来事とその思い出を振り返りながら、いま私たちは、コミュニケーションから生まれる新しい創造のためのかたちを見据えています。それはこれからの活動の基盤となる新たな仕組み、とも言うことができます。人との出会いが、新しい関係性や活動へと発展していく有機的な環境と、そこから見えてくる新しい地平。私たちはこれまで得た経験を胸に秘めながら新たな一歩を踏み出します。ビルでの活動12年目をひとつの節目として次に向かうgrafに、どうぞ今後とも皆さまからの変わらぬご声援のほど、よろしくお願い申し上げます。
★530-0005大阪市北区中之島4-1-9/06-6459-2082
《NEWS》2010.7.15梅田経済新聞
中之島にアーティスト支援施設「中之島4117」-全国のアート情報を集積
大阪市が中心となって設立された芸術創造活動支援事業実行委員会は7月1日、中之島にアートインフォメーション&サポートセンター「中之島4117」(大阪市北区中之島4、TEL 06-6445-8577)を開設した。市が芸術系NPOと協働で2006年より取り組んできた「芸術系NPO支援育成事業」のノウハウを引き継いで、市の直轄として開設した同施設。同事業では、芸術系NPOの立ち上げを考えている芸術家や市民に対し相談や情報提供を行い、NPO運営やイベント運営のノウハウを伝えるほか、広くアート好きな人を対象に情報を提供する。約20坪の施設内には、大阪市内を中心に関西、全国のアートイベント情報を集積。「市民からの声で、自身の活動の情報を送ったり情報を収集したりしていた雑誌の休刊が相次ぎ困っていると聞いた。ネットを活用できない世代もいるので、目に見える形の情報コーナーを作った」(事務局長の中西美穂さん)といい、アート情報を提供すると同時に個展情報の持ち込みなども受け付け告知に協力する。ライブラリーコーナーには学術書、アートマネジメント関連書籍、文化施設関連書籍、1980~90年代のアート関連書籍をそろえる。企業のメセナレポートや報告書など、書店などにはあまり無い文献も扱う。「プレゼンの参考などに利用してもらえれば」。公募情報なども扱う。相談事業では「どこで展覧会を開けばいいか」「グループ展の広報になったが何からすればいいかわからない」「助成金申請書の書き方がわからない」「リタイアした後、アート系のボランティアをしたい」などの相談にも乗る。「最近見た展覧会と同じ時代の絵画展はどこで開いているのか」などの質問や、観光客からの「情報誌に載っていない小さなアートスポットを教えてほしい」などの質問にも答えているとも。相談無料。予約優先。8月以降は、「こどもとアートについて考えるプログラム」「アートボランティア入門講座(仮)」「アートマネジメント講座」など、継続する講座の実施を予定する。中西さんは「講座を開いたり、ボランティアが集まる場を提供したい。集まった人同士が交流してもらえれば。一人でも気軽に寄れる雰囲気にしたい」。チーフの渡邉智穂さんは「講座によって自立して活動できるような人材を育てていきたい」とも。開場時間は、水曜~金曜=11時~19時、土曜・日曜・祝日=11時~17時、月曜・火曜・年末年始休業。利用無料。
★アートインフォメーション&サポートセンター「中之島4117」は2012年3月で終了しました。プログラムについてのお問い合わせは以下にお願いします。
大阪市ゆとりとみどり振興局文化部文化振興担当/06-6469-5177
《リバーサイドビルディング》設計:岸田日出刀1965/登録年月日:20161129
大阪市北区中之島三丁目1番8号/06-6441-3559
https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/221277
昭和中期の鉄筋コンクリート造事務所ビル。北区中之島に所在。肥後橋駅近く、土佐堀川に南面して建つ横長平面の事務所建築。設計は岸田日出刀。高速道路の構造を引用したと伝え、構造壁を集約し、正背面に全長分の窓を配する明快な構成とする。妻壁は淡陶タイルでモザイク状に飾る。インターナショナルスタイルの事務所建築の秀作。
《NEWS》2017.1.21産経新聞より
「普通のビル」が典型に…“最新”文化財に登録された「リバーサイドビルディング」
大阪市北区中之島に建つリバーサイドサイドビルディングが、昨年新たに登録有形文化財へ加わることになった。登録有形文化財は竣工後50年を経過した建物が対象となるが、近代建築に関して言えば、そのほとんどは戦前に建てられたものだ。リバーサイドビルは1965(昭和40)年の竣工。これまでは1963年に建てられた神戸のポートタワーが最も新しく、大阪に関して言えば、戦後は通天閣(1958)の1件が登録されるのみだった。つまりリバーサイドビルは、「最新の」文化財ということになる。その名の通り土佐堀川に面して建つこのビルは、岸田日出刀によって設計された。岸田は東京大学の教授として、丹下健三といった日本の近代建築史を代表する建築家を世に送り出した教育者であり、自身の作品は多くはないものの、東京大学の安田講堂がよく知られている。大阪では、本連載の第26回で取り上げた北御堂(本願寺津村別院)が岸田の作品だ。一見したところ、そんな建築界の大家が設計したようには見えない。その外観はどこにでもありそうな「普通のビル」で、たとえ専門家であっても、これが岸田の作品だと見抜くことは無理だろう。リバーサイドビルに、建築家の個性やオリジナリティーといったものはない。しかしどこにもないオンリーワンの建築を設計することだけが、建築家の役割ではない。例えば「普通」を、「典型」と言い換えてみたらどうだろう。装飾を一切排した幾何学的な直方体に、水平に連続する窓を設けただけのシンプルな構成は、岸田のような先駆者が欧米から日本に導入した、モダニズムという新しい建築のあり方を示している。
・・・予想以上に明るい、古いビルだけれど手入れが行き届き美しい、色合いも心地よい。
岸田は丹下のような傑出した存在を育てただけでなく、それ以上に、数多くの無名の設計者や専門家を全国に送り出した。その薫陶を受けて彼らが各地で設計した数え切れない数のビルが、日本の都市の街並みをつくった結果、それが「普通」になったと考えれば、岸田の設計したリバーサイドビルこそ、この時代のビルの教科書、つまり「典型」ということになるだろう。しかし現在、東京や大阪の中心市街地では、高度経済成長期のこういった普通のビルが、次々と姿を消している。開発の進む中之島では、東部の中之島図書館や中央公会堂といった戦前の歴史的建築物と、西部で進む再開発で建てられた平成の超高層ビルの2極化が進み、その間の戦後昭和の建築が、ほとんど残らないという極端な状況になっている。その意味で、リバーサイドビルが文化財になったことの意義は非常に大きい。今後「普通のビル」に、もっと関心の目が向けられる契機となればと願う。(高岡伸一/建築家・大阪市立大学講師)