風の王国(23)瀬戸内1 | すくらんぶるアートヴィレッジ

すくらんぶるアートヴィレッジ

●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●

・・・五木さんの「風の王国」をさらに深く読み解くためにもう1冊、本をポケットに「瀬戸内」へ。

 

 

《サンカの民と被差別の世界》著:五木寛之/講談社2005筑摩書房2014

http://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000182737

消えゆく記憶と、消してはいけない歴史。語られることのない、日本の歴史の深層を真摯に探訪する。かつてこの列島には、土地に定住することなく、国家に帰属することもなく自分の身分証明をした人びとがいた。海の漂泊民★「家船」と山の漂泊民「サンカ」である。そして関東には、江戸・東京を中心とした被差別の世界があり、社会の底辺に位置づけられた人びとがたくましく生きた。賤民を束ねたのが浅草弾左衛門、非人頭は車善七だ。

http://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480431714/

 

 

《著者のことば》

私は、隠された★歴史のひだを見なければ、“日本人のこころ”を考えたことにはならないと思っています。今回は「家船」漁民という海の漂泊民から「サンカ」という山の漂泊民へ、そして、日本人とは何かという問題にまで踏みこむことになりました。それは、これまでに体験したことのなかった新しいことを知り、自分自身も興奮させられた旅でした。

第1部 海の漂泊民、山の漂泊民(海を住処とする「家船」の人びと/幻の「サンカ」を求めて/漂泊者の思想とその豊饒な文化)

第2部 東都の闇に生きた被差別の民(「浅草弾左衛門」と呼ばれた賎民の王/生と死、聖と賎、美と醜の境界/「フーテンの寅さん」への憧れ)

 

 

《作品No. mg18「家船」》作:KOURYOU/女木島

https://setouchi-artfest.jp/artworks-artists/artists/257.html

古民家に手を加え瀬戸内の「家船」を再現

https://setouchi-artfest.jp/artworks-artists/artworks/megijima/245.html

古代から近世まで、東アジア一帯には家族で船で暮らし、一定の海域を移動し、海上生活を送る人たちがいた。漁業を営み生活した船を、瀬戸内海では★「家船(えぶね)」と呼んだ。このエピソードを手がかりに、海沿いの家屋に船首などを取りつけ、漂流する漁民が暮らした家船を再現する。また、家船はその後どうなったか架空の物語を想定し、多数の若手アーティストたちと共同制作を実施する。

 

・・・いつかは訪れたいと思っていましたが、ようやく実現しました。

 

 

《瀬戸内国際芸術祭2019》

https://setouchi-artfest.jp/

会長:浜田恵造[香川県知事]名誉会長:真鍋武紀[前香川県知事]副会長:大西秀人[高松市長]

総合プロデューサー★福武總一郎[公益財団法人福武財団理事長]総合ディレクター★北川フラム[アートディレクター]

★海の復権

「島のおじいさんおばあさんの笑顔を見たい。」-そのためには、人が訪れる“観光”が島の人々の“感幸“でなければならず、この芸術祭が島の将来の展望につながって欲しい。このことが、当初から掲げてきた目的=『海の復権』です。有史以来、日本列島のコブクロであった瀬戸内海。この海を舞台に灘波津からの★近畿中央文化ができたこと、源平、室町、戦国時代へとつながる資源の争奪の場であったこと、北前船の母港として列島全体を活性化したこと、朝鮮通信使による大切な★大陸文化の継続した蓄積の通路であったことは、その豊かさを物語るものでした。しかしこの静かで豊かな交流の海は近代以降、政治的には隔離され、分断され、工業開発や海砂利採取等による海のやせ細りなど地球環境上の衰退をも余儀なくされました。そして世界のグローバル化・効率化・均質化の流れが島の固有性を少しずつなくしていく中で、島々の人口は減少し、高齢化が進み、地域の活力を低下させてきたのです。私たちは、美しい自然と人間が交錯し交響してきた瀬戸内の島々に活力を取り戻し、瀬戸内海が地球上のすべての地域の『希望の海』となることをめざし、瀬戸内国際芸術祭を開催しています。4回目の芸術祭となる瀬戸内国際芸術祭2019においても、これまで同様、海に囲まれどこからでもアプローチでき、農・工・商が混在した原初の人びとの存在を教えてくれる瀬戸内の島巡りを通し、この先地球上に人が生きること、展望を持つことを考えながら、プロジェクトを展開していきます。

★あつまる夏 2019年7月19日(金)~8月25日(日)38日間

 

 

《参考》「ベネッセハウス(Benesse House)」

761-3110香川県香川郡直島町字京ノ山3419番地

http://benesse-artsite.jp/

福武總一郎の依頼で建築家★安藤忠雄が全体設計した直島文化村プロジェクト・ベネッセアートサイト直島の中核施設。 丘の上の本館・ミュージアム棟(旧称直島コンテンポラリーアートミュージアム)は1992年、★宿泊専用棟「オーバル」は1995年、海辺の宿泊専用棟「パーク」「ビーチ」は2006年に開館した。

http://benesse-artsite.jp/stay/benessehouse/

「自然・建築・アートの共生」をコンセプトとして設計されており、館内のミュージアム、共有エリア、客室はもとより、ミュージアム棟とパーク棟を結ぶ林間、浜辺まで、芸術作品の展示スペースとなっている。 屋外展示作品の大半は作家が当地で製作した作品である。コンデナスト社が発行する旅行誌『コンデナスト・トラベラー』の "seven places in the world you should see next" (次に見るべき世界の七か所)特集で取り上げられたことをきっかけに、世界各地の新聞や雑誌で紹介されており海外での注目度も高い施設である。

 

・・・1995年宿泊専用棟が完成してすぐ宿泊し、ミュージアムを見学させていただきました。真夜中に浴衣姿で、寝転んで現代アートを鑑賞したことは忘れられない経験です。

 

★「DAITEMMAI」作:流政之(JR高松駅)

760-0011香川県高松市浜ノ町1-20/087-825-1703(JR高松駅)

https://www.my-kagawa.jp/point/434/

 

・・・まずは、高松駅の流さんにご挨拶。。「だいてんまい」とは香川の方言で「抱きしめてごらん」の意味。人が向き合う姿がモチーフの作品。

 

《作品No. tk01「 Liminal Air -core-」》作:大巻伸嗣2010/高松港

https://setouchi-artfest.jp/artworks-artists/artworks/takamatsu/87.html

景色が映り込み、刻々と表情を変える港にそびえ立つ2本の柱。カラフルな柱は一部が鏡面になっていて、周囲の情景を映し出す。港の移りゆく景色が、作品の様々な表情をつくっている。